「介入水準」接近、ドル上値追いどこまで!?(6/29夕)

29日の東京市場はドルが小高い。

「介入水準」接近、ドル上値追いどこまで!?(6/29夕)

「介入水準」接近、ドル上値追いどこまで!?

〇本日東京市場のドル円、145円レベルを目前に日本当局の介入警戒感などから調整的な下押しが先行
〇144.10-15まで下落後に反発、144.70レベルまで続伸して年初来高値を更新、欧米市場を迎える
〇単純な金利差から見るとドル高・ユーロ高・円安だが、この先のドル買いには慎重さが求められそう
〇本日は米1-3月期のGDP統計確報、週間ベースの新規失業保険申請件数等の発表予定
〇ドル高円安方向は145円が意識され、しっかり抜ければ146.15レベルがターゲット
〇ドル安円高方向は昨日のNY以降144円を下回っておらず、まずはその攻防に注目
〇欧米時間のドル円予想レンジは143.90-145.00

<< 東京市場の動き >>

29日の東京市場はドルが小高い。一時144.70円レベルまで続伸し、再び年初来高値を更新している。

ドル/円は144.45円レベルで寄り付いたものの、介入警戒感などもあり、調整的な下押しが先行。144.10-15円まで小緩んだ。しかし、ジワリと反発に転じるとドルは小じっかり。前日記録した144.62円を超え、144.70円レベルまで続伸し、16時現在ではそのまま高値圏を維持、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは「日米などの金融政策」と「ワグネルの反乱」について。
前者は、ECB年次フォーラムに、ラガルドECB総裁のほかパウエルFRB議長や植田日銀総裁、ベイリー英中銀総裁など主要国の中銀トップが顔を揃え実施した講演が話題に。それぞれ自国の金融政策等について発言したわけだが、そのなかでパウエル氏は「FOMCが7月と9月の会合で政策金利を引き上げる可能性がある」ことを排除しなかった。一方、ラガルド氏は「基本シナリオが続くなら7月に利上げする」と発言。また、植田氏からは「インフレが上向くと確信を持てれば、金融政策の正常化に着手することはあり得る」との考えが示されていたようだ。

対して後者は、ドイツ首相から「ワグネルの武装蜂起でプーチン政権は弱体化した」との発言が聞かれたものの、反面でウクライナのゼレンスキー大統領は「プリコジン氏移動後も戦線に変化はない」として警戒を続ける考えを示していた。なお、ようやく消息が明らかになったプリゴジン氏だが、ベラルーシ大統領から「プーチン氏はプリゴジン氏の『抹殺』を一時企てていた」とのコメントが聞かれたほか、ロシア紙は「プリゴジン氏に近い将校、ロシア軍のスロビキン上級大将が拘束された」と報道。依然としてプリゴジン氏の身の危険が感じられる。

<< 欧米市場の見通し >>

日本当局の円買い介入警戒が根強いなか、ドル高・円安にバイアスのかかった展開は継続。ドル/円は本日東京時間に144.70円レベルまで値を上げ、年初来高値をまたもや更新している。改めて指摘するまでもなく、リスクは依然としてドル高方向。しかし、昨年9月に当局が円買い介入を実施した145円レベルが間近に迫るなか、当局の対応を含めてさらに市場の警戒感は高まってきた。動静には十分に注意を払いたい。
日米欧の金融政策が注目されるなか、開催されていたECB年次フォーラムで米欧の中銀トップがともに追加利上げを示唆した反面、植田日銀総裁は政策転換に含みを残しつつも、「インフレ率の2%回帰を持続的に達成するにはまだ幾分の距離がある」と慎重なスタンスを維持していた。単純な金利差ということでは、やはりドル高・ユーロ高・円安といった感がある。ただ、レベル的にはかなり危険なゾーンに到達しており、ここからのドル買いには慎重さが求められそうだ。

テクニカルに見た場合、ドル/円相場は2日続けての年初来高値更新。ドル高基調にも変化はみられない。材料的にも目立った「死角」は見当たらないが、ひとつ気になるのが今年のドル上昇パターン。たとえば、5月4日安値133.50円を起点にした際には同30日140.93まで、約1か月かけて7円強上昇し、一旦ピークアウトとなった。翻り今回は、1日安値138.44円を起点に29日高値144.70円レベルまでやはり1ヵ月、6円強の上昇をたどっている。目先の天井はかなり近づきつつあるのかもしれない。

本日は米経済指標として、1-3月期のGDP統計確報や週間ベースの新規失業保険申請件数などが発表される予定だ。また、最終日を迎える夏季ダボス会議、30日まで実施されるEU首脳会議等も場合によっては波乱要因となるかもしれない。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは143.90-145.00円。ドル高・円安方向は心理的な意味も含めて145円が名実ともに「抵抗」として意識されている。しっかり抜ければフィボナッチポイントの146.15円レベルがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、昨日のNY以降144円を下回っておらず、まずはその攻防に注目か。ただ、下回っても実弾介入でないなら下値は限られそう。

「介入水準」接近、ドル上値追いどこまで!?

ドル円日足


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