東京市場のドルは144円台半ばで推移、連日の年初来高値更新で145円が視野に (23/6/29)

東京時間のドル・円は、円安けん制発言を警戒し上値が重くなる一方、日米欧の金融政策格差が再認識されて144台半ばの年初来高値圏での推移となった。

東京市場のドルは144円台半ばで推移、連日の年初来高値更新で145円が視野に (23/6/29)

東京市場のドルは144円台半ばで推移、連日の年初来高値更新で145円が視野に

【本日の東京市場】

東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、円安けん制発言を警戒し上値が重くなる一方、日米欧の金融政策格差が再認識されて144台半ばの年初来高値圏での推移となった。

昨日の海外時間では、ポルトガルで開催された欧州中央銀行(ECB)フォーラムでのパネル討論会にて、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長とラガルドECB総裁、ベイリー・イングランド銀行総裁はいずれもインフレ抑制までの道のりは遠いとの認識を示した。想定通りの内容だったが、改めて日米欧の金融政策格差が意識されて、ドルは上昇。144円62銭と連日で年初来高値を更新した。

東京時間では目立った材料は観測されていないが、金融政策格差を背景としたトレンドが継続し、ドルは年初来高値圏でのもみ合いとなった。神田真人財務官による口先介入が警戒されて一気に145円台乗せという強い地合いではなかったが、144円台前半から半ばでの値固めの一日となった。

ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:144円40銭
高値:144円62銭
安値:144円13銭
終値:144円54銭 

ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:157円61銭
高値:157円64銭
安値:157円25銭
終値:157円44銭

豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:95円29銭
高値:95円64銭
安値:95円17銭
終値:95円59銭

ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:182円51銭
高値:182円56銭
安値:182円22銭
終値:182円42銭

日経平均(日本時間9時―15時)
始値:33306円84銭
高値:33527円98銭
安値:33185円20銭
終値:33234円14銭 

【本日の海外市場の重要指標】日本時間

17時00分、欧、ECB経済報告
18時00分、欧、ユーロ圏景況感指数、前回:96.5、市場予想:96.1
21時00分、欧、ドイツ消費者物価指数(CPI)(前月比)、前回:−0.1%、市場予想:0.3%
21時00分、欧、ドイツ消費者物価指数(CPI)(前年比)、前回:6.1%、市場予想:6.3%
21時30分、米、新規失業保険申請件数、前回:26.4万件、市場予想:26.6万件
21時30分、米、実質GDP(前期比年率)、前回:1.3%、市場予想:1.3%
23時00分、米、中古住宅販売成約指数(前月比)、前回:0.0%、市場予想:−0.3%
25時30分、英、テンレイロ英中銀委員が講演
28時00分、米、ボスティック・アトランタ連銀総裁が講演

※予定は変更することがございます。

【テクニカル分析】

日足ベースのドル・円をボリンジャーバンド(20日移動平均線(MA)、±2σ)で確認すると、バンド下限の−2σ水準で下影(3月24日安値129円65銭)を残した後は反発。6月15日に1円超の上影(上ひげ)を残したが、翌16日には上影を吸収し年初来高値を更新する強い地合いが見られる。

日足の一目均衡表では、雲上限(137円27銭)を明確に上放れており、「三役好転」が示現している。140円レベルでのもみ合いを上放れ、半年ぶりの水準まで上昇していることから需給面は非常に良好である。目先、昨年一回目の為替介入が入った9月の水準である145円を意識した短期的なトレンドが見られる。 

昨日のECBフォーラムで、パウエルFRB議長は「政策は景気抑制的だが、十分に抑制的ではない可能性がある。抑制的な政策はまだ十分に長い期間行われていない」と話し、少なくても年内2回の利上げを大半の政策当局者は予想しているとした上で「7月、9月の連邦公開市場委員会(FOMC)での連続利上げの可能性を排除しない」との見解を示した。

一方、CMEが算出するFedウォッチを見る限り、7月の利上げはほぼ織り込みつつあるが、年内2回の利上げを予想する市場関係者は少ない。市場が年2回の利上げを織り込むには、パウエルFRB議長が3月の議会証言の発言にある「雇用統計や求人件数、消費者物価指数(CPI)、生産者物価指数(PPI)」これら7月に発表される経済指標を見極める必要があろう。まずは7月7日(金)に発表される雇用統計だ。

大きなイメージとして、7月末をターゲット(為替介入が最速で入るタイミング)とした投機筋による円全面安の地合いのなか、米経済指標(強いことが前提)を織り込み、ドルは150円近い水準まで上昇。その上昇する過程のなかで、日本の政府高官からの口先介入が複数回行われた後、日銀、財務省、金融庁の三者会議を経て、円買い・ドル売り(ユーロ売りも入る可能性)介入を実施するのではないかと考える。

今晩のドルは、上値は重いもじりじりとした上昇で年初来高値を更新する展開を想定する。本日の上値メドは、年初来高値水準を上回る145円00銭、下値メドは本日の東京時間の安値水準でもある144円10銭とする。

東京市場のドルは144円台半ばで推移、連日の年初来高値更新で145円が視野に

ドル円日足

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