依然として上値重く、ドルは上げ渋りか (6/22夕)

22日の東京市場はレンジ取引。141円後半、30ポイント程度の変動にとどまっている。

依然として上値重く、ドルは上げ渋りか (6/22夕)

依然として上値重く、ドルは上げ渋りか

〇本日のドル円、141円後半の一進一退から抜け出せず、16時現在141.85-90で推移、欧米市場を迎える
〇欧州政策金利をめぐり独仏の中銀総裁発言に違い、追加利上げに関して一枚岩ではないことが明らかに
〇FRB議長、より緩やかなペースでの利上げが理にかなうとの発言、強気見通しが少なからず後退
〇ドル高進行は鈍い状況が続きそう、まずは昨日高値の142.37、そして142円半ばの攻防を注視
〇本日はスイス、ノルウェー、英国、トルコ等の政策金利発表予定
〇米5月のシカゴ連銀全米活動指数、週間ベースの新規失業保険申請件数等の発表に注目
〇ドル円予想レンジは141.20-142.40、ドル高・円安方向は昨日高値142.37が最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は、2日続けて下げ止まった141.20-30がかなり強いサポートか

<< 東京市場の動き >>

22日の東京市場はレンジ取引。141円後半、30ポイント程度の変動にとどまっている。

ドル/円は141.90円レベルで寄り付いたものの、動意は限られた。中国市場が休場となったことも影響したのか、積極的な売買は見送られている。日経平均株価の動きなどをにらみつつも、141円後半の一進一退から抜け出すことは出来なかった。16時現在では141.85-90円で推移し、欧米市場を迎えている。
なお、前日に4月中旬以来となる3万ドル超を記録した暗号資産ビットコインは強保ち合い。多くの時間帯で大台を維持し続けていた。

一方、材料的に注視されていたものは「欧米金融政策」と「ウクライナ情勢」について。
前者は、欧州についてドイツ連銀総裁から「インフレとは断固とした戦いが必要」とした強気コメントが聞かれた反面、フランス中銀総裁は「水準よりも高金利の持続期間が重要」と発言。追加利上げに関して一枚岩になっていないことが明らかとなった。一方、米国はパウエルFRB議長が「インフレ率の低下にはかなりの時間がかかるだろう」との見通しを示したものの、同時に「より緩やかなペースでの利上げが理にかなう」などとし、少し弱気な発言も聞かれている。またシカゴ連銀総裁は、先週FOMCの金利据え置きについて、「際どい判断だった」と述べるなど、強気見通しが少なからず後退したようだ。

対して後者は、ロシアの侵攻を受けているウクライナの復興支援を協議する会議がロンドンで始まった。米国が13億ドルの追加支援を表明するなど合計70億ドルほどが確保されたもようだ。ただ、ロシアのプーチン大統領からは「ウクライナ軍は南部での反攻で大きな損害を受けている」と述べたうえで、「ウクライナ軍に勝ち目はない」との発言が聞かれていた。なお、それとは別にウクライナ副首相が、7月中旬に再び期限を迎える「黒海経由の穀物輸出合意(黒海イニシアティブ)」について、「今回は楽観的ではない」とする悲観的なコメントが発せられており思惑を呼んでいたという。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円相場は連日のドル高値更新で、昨日は前日超えられなかった昨年11月21日高値142.25円を一時上抜けている。しかし、NYクローズでは142円台も維持できないなど、上値が重い状況に変わりはない。基本的なリスクは引き続き上向きながら、ここから先もドル高進行は鈍い状況が続きそうだ。まずは昨日高値の142.37円、そして142円半ばの攻防が注視されている。

注目されていた日米欧の金融政策発表が先週すべて終了するなか、今週はそれ以外の国の政策金利の発表も多い。事実、本日はスイス、ノルウェー、英国、トルコなどが相次ぎ発表する見込みだ。英国を中心に、それら国の政策金利についても一応注意しておきたい。また米国については、発表される米経済指標の内容もさることながら、昨日に続き実施されるパウエルFRB議長の議会証言が注視されている。基本的には昨日の発言が踏襲されると目されるものの、油断は禁物だろう。

テクニカルに見た場合、ドル/円は連日のドル高値更新となったが、歩みとしては「牛歩」に近い。ドルの上値は非常に重いと言わざるを得ないだろう。ドル高値151.94円を起点にした大きな下げ幅のフィボナッチ61.8%戻しにあたる142円半ばが目前に控えていることもあり、同レベル前後が思いのほか強い抵抗となる可能性もある。ただし、超えれば143円などに強い抵抗は見当たらず、軽い青天井と化すかもしれない。

本日は米経済指標として、5月のシカゴ連銀全米活動指数や週間ベースの新規失業保険申請件数などが発表されるほか、前日に続きパウエルFRB議長の議会証言が実施される見通しだ。また、英中銀やトルコ中銀などによる政策金利の発表も見込まれており、こちらも一応要注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは141.20-142.40円。ドル高・円安方向は昨日高値142.37円が最初の抵抗。抜ければ142円半ばがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、2日続けてドルは下げ止まった141.20-30円はかなり強いサポートか。また、仮に底割れしても取り敢えず下値は堅そうだ。

依然として上値重く、ドルは上げ渋りか

ドル円日足


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