東京市場のドルは141円台後半でこう着、市場の関心は欧州通貨とトルコリラか (23/6/22)

東京時間のドル・円は、今晩も開催されるパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の議会証言の内容を見極めたいとするムードが強まり、141円台後半でのもみ合いとなった。

東京市場のドルは141円台後半でこう着、市場の関心は欧州通貨とトルコリラか (23/6/22)

東京市場のドルは141円台後半でこう着、市場の関心は欧州通貨とトルコリラか

【本日の東京市場】

東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、今晩も開催されるパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の議会証言の内容を見極めたいとするムードが強まり、141円台後半でのもみ合いとなった。

昨晩の海外時間では、パウエルFRB議長による下院金融委員会での議会証言にて、「物価圧力を抑制するために金利が上昇する必要があるとみている」と述べた。発言後に、米2年債利回りが4.74%台まで拡大したことからドルは上昇。142円41銭を付けるなど年初来高値を一時クリアする場面が見られた。

東京時間では、今晩もパウエルFRB議長の議会証言を控えていることから終始、様子見ムードの強い地合いとなり、日中値幅は30銭弱とこう着感が強い一日となった。なお、日経平均は大引けにかけてじり安の展開となり陰線を残している。

ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:141円71銭
高値:141円89銭
安値:141円62銭
終値:141円80銭 

ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:155円74銭
高値:155円94銭
安値:155円61銭
終値:155円81銭

豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:96円34銭
高値:96円52銭
安値:95円78銭
終値:95円89銭

ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:180円96銭
高値:181円18銭
安値:180円74銭
終値:180円84銭

日経平均(日本時間9時―15時)
始値:33438円01銭
高値:33641円46銭
安値:33232円19銭
終値:33264円88銭  

【本日の海外市場の重要指標】日本時間

16時30分、ス、スイス中銀政策金利、前回:1.5%、市場予想:1.75%
17時00分、米、ウォラーFRB理事が会議出席
18時15分、欧、パネッタECB理事が会議出席
20時00分、英、英中銀政策金利・議事録公表、前回:4.5%、市場予想:4.75%
20時00分、ト、トルコ中銀政策金利、前回:8.5%、市場予想:20.0%

21時30分、米、新規失業保険申請件数、前回:26.2万件、市場予想:25.4万件
21時30分、米、経常収支、前回:−2068.0億ドル、市場予想:−2170.0億ドル
22時50分、米、ボウマンFRB理事がクリーブランド連銀主催イベントで挨拶
23時00分、米、中古住宅販売件数、前回:428.0万件、市場予想:420.0万件
23時00分、米、パウエルFRB議長が米上院銀行委員会で半期に一度の議会証言
23時00分、米、メスター・クリーブランド連銀総裁が講演
23時30分、欧、デギンドスECB副総裁が会議出席
24時00分、米、原油在庫(前週比)、前回:791.9万バレル
28時00分、メ、メキシコ中銀政策金利、前回:11.25%、市場予想:11.25%
29時30分、米、バーキン・リッチモンド連銀副総裁がイベント講演

※予定は変更することがございます。 

【テクニカル分析】

日足ベースのドル・円をボリンジャーバンド(20日移動平均線(MA)、±2σ)で確認すると、バンド下限の−2σ水準で下影(3月24日安値129円65銭)を残した後は反発。6月15日に1円超の上影(上ひげ)を残したが、翌16日には上影を吸収し年初来高値を更新するなど強い地合いとなっている。

日足の一目均衡表では、雲上限(135円82銭)を明確に上放れており、「三役好転」が示現している。140円レベルでのもみ合いを上放れ、半年ぶりの水準まで上昇していることから引き続き需給面は良好である。 

21日の米下院金融委員会にて、パウエルFRB議長は、「米経済成長を長期の潜在成長率を下回るペースに減速させ、物価圧力を抑制するために、政策当局者らは金利が上昇する必要があるとみている」「追加利上げのタイミングについては、今後入手するデータに左右される」と述べた。さほどサプライズを感じさせる発言ではないものの、追加の利上げ実施を否定するものではなかったことなどから、市場はドル買いで反応した。ただ、新しくドル買いを進めるには材料不足との見方から、ドル買いは続かなかった。

また、今晩は、スイス中央銀行、英中央銀行(BOE)が利上げを実施する公算が大きいほか、欧州中央銀行(ECB)も7月の利上げ継続を示唆するなど、欧州通貨に対する関心が高まりやすくなっている。活発な円キャリー取引を背景に、ユーロが2008年9月以来の水準まで円安ユーロ高が進行しているほか、スイス・フランは1979年以来の円安水準である。パウエルFRB議長の議会証言に注目が集まっているのは間違いないが、今晩の海外時間で動意付きそうな通貨は欧州通貨と考えておいた方が良さそうだ。

なお、個人的には20時のトルコ中銀の政策金利発表を最も注目している。新しい中銀総裁の元、適切な金利水準の是正に動くとの公算だが、20%超の政策金利にするとの話も聞かれていることから、トルコリラはボラタイルな展開を迎えそうだ。

今晩のドルは上値が重く、小動き推移を想定する。本日の上値メドは、年初来高値水準と同じ142円40銭、下値メドは東京時間の安値水準でもある141円60銭とする。

東京市場のドルは141円台後半でこう着、市場の関心は欧州通貨とトルコリラか

ドル円日足

オーダー/ポジション状況

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