ドル円、心理的節目143円の大台突破。円キャリートレードで約7ヵ月半ぶり高値圏へ(6/23朝)

22日(木)のドル円相場は年初来高値を大幅更新。

ドル円、心理的節目143円の大台突破。円キャリートレードで約7ヵ月半ぶり高値圏へ(6/23朝)

ドル円、心理的節目143円の大台突破。円キャリートレードで約7ヵ月半ぶり高値圏へ

〇ドル円、米国時間午後にかけ約7か月半ぶり高値143.23まで急伸
〇スイス、ノルウェー、トルコ、英国の利上げ、米住宅指標の好調が背景
〇ユーロドル、欧州債利回り上昇等に1.1011まで上昇後、米金利上昇等に米国時間に1.0949まで反落
〇ドル円テクニカルの地合い強く、目先は145.00や、11/8高値146.96、10/31高値148.86を試すか
〇ファンダメンタルズも日本とその他各国との金利差拡大がクロス円での円売り経由で円安材料に
〇ドル円上昇(円キャリートレードの継続)をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:142.25ー144.25

海外時間のレビュー

22日(木)のドル円相場は年初来高値を大幅更新。アジア時間午前にかけて、安値141.62まで下げ幅を広げるも、一巡後に下げ渋ると、(1)スイス中銀による25bpの利上げ決定や、(2)ノルウェー中銀による50bpの大幅利上げ決定、(3)トルコ中銀による650bpの大幅利上げ決定、(4)英中銀による50bpの大幅利上げ決定、(5)上記1、2、3、4を背景とした日本とその他各国との金利差拡大(円キャリートレードの活発化期待)、(6)米5月景気先行指数(結果▲0.7%、予想▲0.8%)の市場予想を上回る結果、

(7)米5月中古住宅販売件数(結果430万件、予想425万件)の市場予想を上回る結果、(8)パウエルFRB議長による「今年あと2回の利上げが適切となろう」とのタカ派的な発言、(9)ボウマンFRB理事による「インフレ抑制のために追加利上げが必要」とのタカ派的な発言、(10)米金利上昇に伴うドル買い圧力が支援材料となり、米国時間午後にかけて、年初来高値143.23(昨年昨年11/10以来、約7カ月半ぶり高値圏)まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間6/23午前5時30分現在)では、143.14前後で推移しております。

22日(木)のユーロドル相場は上昇後に急反落。(1)欧州各国(スイス中銀、ノルウェー中銀、英中銀)による政策金利の引き上げや、(2)上記1を背景とした欧州中銀による更なる金融引き締め実施の思惑、(3)欧州債利回り上昇に伴うユーロ買い圧力が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値1.1011(5/8以来、約1ヵ月半ぶり高値圏)まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(4)米経済指標の良好な結果や、(5)米当局者(パウエルFRB議長やボウマンFRB理事)によるタカ派的な発言、(6)米金利上昇に伴うドル買い圧力、(7)欧州株の冴えない動きが重石となり、米国時間午後にかけて、安値1.0949まで反落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間6/23午前5時30分現在)では、1.0955前後で推移しております。尚、昨日はドイツ連銀ナーゲル総裁より「金利はまだ十分に引き上がっていない」「インフレ脱却までピークを維持する必要がある」とのタカ派的な発言が見られましたが、市場の反応は限定的となりました。

本日の見通し

ドル円は一時143.23まで急伸するなど、昨年11/10以来、約7カ月半ぶり高値圏へと上昇しました。日足ローソク足が全てのテクニカルポイントの上側で推移していることや、強い買いシグナルを示唆する「一目均衡表三役好転」「強気のバンドウォーク」「ダウ理論の上昇トレンド」が成立していること、1時間足や4時間足などの下位足でも強い買いシグナルが複数点灯していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは極めて強いと判断できます。目先は心理的節目145.00や、11/8高値146.96、10/31高値148.86を試すシナリオが想定されます。これらの上抜けに成功できれば、いよいよ昨年10/21に記録した直近高値151.95が射程圏内に入ってきます。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)米FRBによる追加利上げ観測の高まり(パウエルFRB議長やボウマンFRB理事によるタカ派的な発言)や、(2)日銀による金融緩和の長期化観測(植田日銀総裁や安達日銀審議委員による前日のハト派発言)、(3)上記1、2を背景とした日米金融政策の方向性の違い(日米金利差拡大に伴う円キャリートレードの活発化期待)、(4)日本とその他各国との金利差拡大(オーストラリア中銀、カナダ中銀、欧州中銀に続いて、昨日はスイス中銀、ノルウェー中銀、トルコ中銀、英中銀が政策金利の引き上げを決定→クロス円に上昇圧力→ドル円連れ高)など、ドル円相場の続伸を連想させる材料が揃っています。以上を踏まえ、当方では引き続き、金利差に着目したドル円上昇(円キャリートレードの継続)をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は本邦の5月消費者物価指数や、米6月PMI速報値や、米当局者発言(セントルイス連銀ブラード総裁、アトランタ連銀ボスティック総裁、クリーブランド連銀メスター総裁)に注目が集まる他、本邦当局による口先介入にも警戒が必要でしょう。

本日の予想レンジ:142.25ー144.25

ドル円、心理的節目143円の大台突破。円キャリートレードで約7ヵ月半ぶり高値圏へ

ドル円日足

注:ポイント要約は編集部

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