ドル高基調は継続、FRB議長の議会証言注視(6/21夕)

21日の東京市場はドルが反騰高。前日定着できなかった142円台に再びワンタッチする局面も観測されていた。

ドル高基調は継続、FRB議長の議会証言注視(6/21夕)

ドル高基調は継続、FRB議長の議会証言注視

〇本日のドル円、当初は上値が重く上げ渋りの様相だったが、夕方に一時142円にワンタッチする局面も
〇ドル高基調はかなり強く、基本的なリスクも引き続き上向きか
〇本日、下院金融委で実施されるパウエルFRB議長の議会証言に注目集まる
〇欧米時間のドル/円予想レンジは141.30-142.50、ドル高・円安方向は昨日高値142.26が最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は、昨日安値141.22をめぐる攻防にまずは注目

<< 東京市場の動き >>

21日の東京市場はドルが反騰高。前日定着できなかった142円台に再びワンタッチする局面も観測されていた。

ドル/円は141.40円レベル前後で寄り付いたのち、当初は冴えない。ドルの上値も重く上げ渋り様相を呈したが、上抜けするとじりじりと下値を切り上げる展開に。夕方には一時142円にワンタッチする局面も観測されていた。16時現在ではそのまま141.90-95円とドル高値圏で推移し、欧米市場を迎えている。
なお、前日に中銀が10ヵ月ぶりとなる利下げを行った中国の通貨・人民元は弱含み。1ドル=7.2元台も。

一方、材料的に注視されていたものは「欧州金融政策」と「中国情勢」について。
前者は、21日と22日に実施されるパウエルFRB議長の議会証言を注視しつつ、20日はECBの金融政策に注目が集まった。経財相が「今年の政府経済成長予測を当面1%で据え置く」と述べたことも関連してか、フランスの中銀総裁は「インフレもピークを過ぎた」とに認識を示したうえで「ECBの利上げの道筋はほぼ完成」とやや弱気な発言。しかし、クロアチア中銀総裁は「コアインフレ圧力はなお根強い」、リトアニア中銀総裁からは「インフレが根強いことを踏まえると、ECBは9月も利上げを継続する可能性がある」とした強気コメントが発せられていたようだ。

対して後者は、ここ数日似たような話が何度か報じられている中国とキューバについて、米紙WSJが「新たな軍事訓練施設設置の交渉の進める」と報じて物議を醸す。これについては、米国務長官から「米国は極めて注意深く監視しており、このことはこれまでも明確に示している」との懸念発言も聞かれていた。一方、そうしたなか米NSC高官から「米中軍の対話チャンネル維持が重要」などとしたコメントが発せられたものの、バイデン米大統領が参加したイベントで「中国の習国家主席は独裁者」と述べたと伝えられるなど、関係改善の難しさも改めて浮き彫りになっている。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は昨日142.26円を示現し、昨年11月21日高値に面合わせ。のちに高値から一時1円ほど下押しが入るも、前述したように本日東京で再び142円台乗せをうかがう様相を呈している。踏まれてもすぐに復活する様相をみると、ドルの基調はかなり強いと言わざるを得ない。基本的なリスクも引き続き上向きか。142.26円を超えれば142円半ば、そして143円とレベルをジワリと切り上げる可能性もありそうだ。
注目されていた日米欧の金融政策発表は先週すべて終了したものの、市場では引き続き各国金融情勢についての関心が高い。その一環として、本日は下院金融委で実施されるパウエルFRB議長の議会証言を注視している向きも多いようだ。また、明日に予定されている英中銀の政策金利発表を警戒している市場筋も多いうえ、昨日利下げを実施した中国についても同国の証券報というメディアが「年内に追加利下げの見通し」などと伝えたことで思惑が広がりつつあるようだ。

テクニカルに見た場合、ドル/円は昨年11月21日高値142.25円に面合わせするも抜けられず。ただ、リスクそのものは引き続きドル高方向にバイアスがかかりそう。一方で、当局の介入警戒感も強いが、ここ数日は高値を示現後1円かそれ以上の下押しを経て再上昇という値動きで、意外にポジションはこなれている。つまり、仮に実弾介入が観測されても、それほど大きくは崩れないといった指摘も聞かれていた。140円台まで値を上げてきた移動平均の21日線が強いサポートとして意識される可能性もある。

本日は米経済指標として、MBA住宅ローン申請指数が発表されるものの、市場の注目度はそれほど高くない。しかし、パウエルFRB議長の議会証言ならびに、英国で実施される対面式のG7外相会談を注視している向きもあるようだ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは141.30-142.50円。ドル高・円安方向は昨日高値142.26円が最初の抵抗。抜ければ142円半ばがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、昨日安値141.22円をめぐる攻防にまずは注目。下回ると141円割れも否定できないが、意外に底は浅いかもしれない。

ドル高基調は継続、FRB議長の議会証言注視

ドル円日足


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