東京市場のドルは141円台後半で推移、パウエルFRB議長の議会証言を睨んだ地合い
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の議会証言を前に積極的な売買が手控えられるなか、141円台後半でのしっかりとした推移となった。
昨日の海外時間では、米2年債利回りが4.6%台と若干低下したことなどから、ドルは141円台でのもみ合い推移となった。パウエル議長の議会証言を21日、22日に控えていることから、ポジション調整の売買に終始した。
東京時間でもさほど目立った動きは観測されなかったが、日経平均が切り返したことなどが安心材料となり141円台後半で推移。朝方や午後に、日銀の安達審議委員による「引き続きYCCの枠組みのもとで緩和継続していくことが適当」「7月会合で物価情勢の判断つけるのは難しいと思っている」などのコメントが伝わったが、市場の反応は限定的だった。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:141円34銭
高値:141円86銭
安値:141円28銭
終値:141円73銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:154円34銭
高値:154円84銭
安値:154円30銭
終値:154円65銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:95円93銭
高値:96円37銭
安値:95円90銭
終値:96円11銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:180円40銭
高値:181円04銭
安値:180円33銭
終値:180円87銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:33200円63銭
高値:33657円87銭
安値:33154円68銭
終値:33575円14銭
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
21時30分、カ、小売売上高(自動車除く)(前月比)、前回:−0.3%、市場予想:0.2%
21時30分、カ、小売売上高(前月比)、前回:−1.4%、市場予想:0.2%
22時45分、欧、シュナーベルECB理事とナーゲル独連銀総裁が記念式典に出席
23時00分、米、パウエルFRB議長が米下院金融委員会にて議会証言
25時25分、米、グールズビー・シカゴ連銀総裁がWSJ主催イベントに出席
未定、米、米上院銀行委員会にてジェファーソンFRB理事の副議長指名、クックFRB理事の再指名、クーグラ―氏のFRB理事指名を巡る公聴会開催
※予定は変更することがございます。
【テクニカル分析】
日足ベースのドル・円をボリンジャーバンド(20日移動平均線(MA)、±2σ)で確認すると、バンド下限の−2σ水準で下影(3月24日安値129円65銭)を残した後は反発。6月15日に1円超の上影(上ひげ)を残したが、翌16日には上影を吸収し年初来高値を更新するなど強い地合いとなっている。
日足の一目均衡表では、雲上限(135円31銭)を明確に上放れており、「三役好転」が示現している。140円レベルでのもみ合いを上放れ、半年ぶりの水準まで上昇していることから引き続き需給面は良好と言えよう。
パウエルFRB議長は、21日の下院金融委員会、22日の上院銀行委員会の公聴会で半期に一度の金融政策報告に関する議会証言を行う。先週開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)では、政策金利の据え置きが発表された一方、利上げの最終地点(ターミナルレート)を5.6%としたことで、市場はやや消化不良を起こしている。
年内少なくても後2回の利上げ余地があるとの見方ではあるが、利上げ時期のイメージなどパウエルFRB議長の真意を聞きたいとの声は多い。議会証言は2回行われることから、1回目の発言が強すぎる表現だった場合、2回目の議会証言で表現を和らげる可能性は十分ある。年初来高値圏で推移しているドルが一段高を見せるには、少なくても2回目の議会証言、つまり明日の上院銀行委員会の発言内容を精査する必要があろう。
今晩の海外時間は、パウエルFRB議長の議会証言に注目が集まるのは間違いないが、上記の理由から大きなトレンドが発生するような売買は手控えられると考える。瞬間的に動くも短期的な変動に留まるとの予想だ。本日の上値メドは、年初来高値水準を少し上回る142円40銭、下値メドは東京時間の安値水準でもある141円30銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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