東京市場のドルは日銀会合は買い戻される展開、円買い介入警戒は重しか
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、一時140円を割り込む場面も見られたが、日銀金融政策決定会合で「大規模金融緩和の継続」が発表された以降、140円台後半まで戻した。
前日の海外時間では、欧州中央銀行(ECB)が想定通りではあるが、0.25%の利上げを実施したことなどから、ポンド、ユーロなど欧州通貨は円安基調が強まった。一方、ドルは米2年債利回りの拡大が一服したことや、ストップロスの買い戻しなどが一巡したことから、ドル買いは止まり140円台前半まで押し下げられる展開となった。
東京時間では、日銀金融政策決定会合の結果発表までは、じりじりとしたドル売りで一時、139円台に突入する場面が見られたが、11時47分の結果発表後は相場が一変。結果内容は想定通りの「現状維持」だったものの、サプライズを警戒したドル売りポジションが買い戻されたことなどから、ドルは140円台後半まで値を戻した。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:140円13銭
高値:140円81銭
安値:139円86銭
終値:140円72銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:153円44銭
高値:154円06銭
安値:153円09銭
終値:153円94銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:96円47銭
高値:96円96銭
安値:96円24銭
終値:96円92銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:179円19銭
高値:180円01銭
安値:178円83銭
終値:179円94銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:33399円15銭
高値:33772円76銭
安値:33186円93銭
終値:33706円08銭
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
20時45分、米、ウォラーFRB理事がIMF主催会議に出席
22時00分、米、バーキン・リッチモンド連銀総裁が講演
23時00分、米、ミシガン大学消費者信頼感指数、前回:59.2、市場予想:60.0
※予定は変更することがございます。
【テクニカル分析】
日足ベースのドル・円をボリンジャーバンド(20日移動平均線(MA)、±2σ)で確認すると、バンド下限の−2σ水準で下影(3月24日安値129円65銭)を残した後は反発。6月15日に昨年11月以来となる141円52銭まで買われたが、1円超の上影(上ひげ)を残している。
日足の一目均衡表では、雲上限(135円14銭)を明確に上放れており、「三役好転」が示現している。高値圏でのもみ合いを上放れ、半年ぶりの水準まで上昇していることから需給面は良好と言えよう。
ECBは7月以降も利上げを継続する公算は大きいと市場が見込んでいるほか、米連邦準備制度理事会(FRB)も年内2回の利上げ余地はあるとの見通し。欧米と日本の金融政策の違いは明白なことから、円は主要通貨に対して売られやすい地合いにはある。
一方、日銀金融政策決定会合では、想定線の「現状維持」となったが、7月の会合では「展望レポート」の発表も行われることから「金融政策の転換」は近いとみている市場関係者は多い。今国会での「衆議院解散」が見送られつつあることも、政治空白を日銀が考慮する必要がなくなったことで、一歩踏み出す可能性がより高まったという考えもできよう。
また、15日には松野官房長官が記者会見で「円相場の過度な変動は望ましくない」との考えを示した。市場では、5月末の財務省と金融庁、日銀による3者会合開催以降、昨年9月の円買い介入実施が頭をよぎっているのだろう。金融政策面から円は主要通貨に対して売られやすいが、市場心理としては積極的な円売り・ドル買いには動きにくいとこだ。今しばらくは、欧州通貨やオセアニア通貨に注目か。
今晩の海外時間では、要人発言を横目に見ての展開ではあるが、上記のように「介入」への警戒から少々ドルの上値は重くなりそうか。本日の上値メドは、心理的な節目の141円00銭、下値メドは本日の東京時間の安値水準の139円90銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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