ドル円見通し 今夜の米CPIからFOMCへの流れを控え、139円台での揉み合い(23/6/13)

ドル円は139円台中心の持ち合いを継続している。

ドル円見通し 今夜の米CPIからFOMCへの流れを控え、139円台での揉み合い(23/6/13)

ドル円見通し 今夜の米CPIからFOMCへの流れを控え、139円台での揉み合い

〇ドル円、6/12は米長期債利回りが乱調な展開となり、長期債利回り低下局面で139.05まで下げる
〇利回り上昇局面で139.76へ上昇、その後再び利回り低下で上値重く、6/13午前序盤139.50を割り込む
〇NY連銀調査の1年先期待インフレ率は2か月連続低下、本日発表の米CPIの結果次第ではドル円に影響も
〇米長期債利回りは総じて低下、2年債は乱高下から低下、NYダウは5日続伸、ナスダックも3連騰
〇139.05以上での推移中は上昇余地ありとし、139.76超えからは140円台序盤を試すとみる
〇139.05割れからは、138円台中盤にかけての水準を試すとみる

【概況】

ドル円は139円台中心の持ち合いを継続している。6月12日は米財政収支や3年債と10年債の入札があった他は重要指標の発表が無く手掛かり難だったものの、13日夜の米CPI、14日夜の米PPI、15日3時に声明の発表があるFOMCを控えて米債券市場での思惑が交錯して米長期債利回りが乱調な展開となったため、米長期債利回り低下局面で139.05円まで下げ、米長期債利回り上昇局面で139.76円へ上昇、その後に米長期債利回りが再び低下すると上値が重くなり、13日午前序盤には139.50円を割り込んでいる。
6月2日の米5月雇用統計をきっかけとして1日深夜安値138.45から5日夕高値140.45円まで戻した後は、やや戻り高値を切り下げつつも139円台序盤から138円台後半を買われる持ち合いで推移している。先週は米ISMサービス業景況指数やカナダ中銀の利上げ、カナダ雇用統計等をきっかけに騰落を繰り返したものの6月9日午前安値138.72円以降は新たな安値更新を回避している。

【NY連銀調査の1年先期待インフレ率は2か月連続低下】

6月12日にNY連銀が発表した5月消費者調査における1年先期待インフレ率は4.07%となり、4月調査の4.45%を下回り2か月連続で低下した。一方で3年先の期待インフレ率は2.98%となり、4月の2.89%から上昇しており、短期的には鈍化傾向を示すもののインフレの高止まり傾向が続くのではないかとの見方が示された。
6月13日夜に発表される5月の米CPI(消費者物価指数)上昇率についての市場予想は、全体の前月比が0.2%(4月は0.4%)、前年同月比が4.1%(4月は4.9%)と鈍化見込みであり、コア指数の前月比は0.4%で4月と変わらず、前年同月比は5.3%で4月の5.5%から若干の低下予想となっている。
米CPIが予想を上回る上昇率となれば今回のFOMCでの利上げを見送っても7月ないし9月に追加利上げされる可能性が高まり、米長期債利回り上昇とドル高反応でドル円は上昇しやすくなるが、予想を大きく下回るようだと追加利上げ予想が後退してドル安円高へと進む可能性もある。
米金利先物市場における今回の利上げ見送り確率は凡そ8割、7月に0.25%追加利上げされる確率は50%強となっている。

【米長期債利回りは乱高下から低下、NYダウは5日続伸】

6月12日の米長期債利回りは総じて低下した。長期金利指標の10年債利回りは先週末比0.01%低下の3.74%となったが、3.71%まで下げてから3.79%へ上昇し、その後に失速する乱調な展開で、NY連銀の期待インフレ率に反応したこともあるが米CPIやFOMCを控えた思惑が交錯した印象だ。
30年債利回りは先週末比0.01%低下の3.88%。利上げに敏感な2年債利回りは0.02%低下の4.58%となったが、12日午前に4.65%へ上昇したところから4.55%へ低下し、4.63%まで反騰してから再び失速する乱調な展開となった。
一方でNYダウは先週末比189.55ドル高と上昇して5営業日続伸となり、ナスダック総合指数は202.78ポイント高で3連騰となった。いずれも米国の利上げサイクルが終盤に来ているとみて追加利上げがあったとしても景気後退感を強めることにはならないとの楽観が優勢であり、ナスダック総合指数は昨年10月13日安値以降の高値を更新、ダウも5月1日高値に迫ってきている。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

ドル円は139円割れを買われて140円台では売られる持ち合いで推移しているが、現状は6月9日午前安値138.72円を起点としてややジリ高の推移で戻しているところだ。高値形成期は15日午前にかけてと想定されるが、米CPIやFOMCの結果次第では上下に大きく振れる可能性のあるところだ。目先は139円台序盤までで確りするうちは上昇余地ありとするが、139円割れからは9日午前安値試しとし、底割れからは16日午前にかけての下落を想定する。

60分足の一目均衡表では6月13日未明への上昇で遅行スパンが好転して先行スパンを上抜いたが、その後の失速で両スパンともに悪化しやすい位置にあるため、13日未明高値139.76円超えからは上昇継続として遅行スパン好転中の高値試し優先とするが、12日夕安値139.05円割れからは下落継続とみて遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。

60分足の相対力指数は50ポイントを中心に前後10ポイント程度の値幅で推移しているので、60ポイント超えからは高値試しへ向かうとみて70ポイントに迫る上昇を想定するが、40ポイント割れからは下落継続とみて30ポイント前後への低下を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、6月12日夕安値139.05円を下値支持線、13日未明高値139.76円を上値抵抗線とする。
(2)139.05円以上での推移中は上昇余地ありとし、139.76円超えからは140円台序盤(140.00円から140.20円)を試すとみる。米CPIを強気反応の場合は140.50円に迫る上昇を想定し、139.70円以上での推移なら14日午前も高値試しへ向かいやすいとみる。
(3)139.05円割れからは138円台中盤(138.70円から138.40円)にかけての水準を試すとみる。138.50円以下は反騰注意とするが、米CPIを弱気反応する場合には14日午前にかけても安値試しへ向かいやすいとみる。

【当面の主な予定】

6/13(火)
米連邦公開市場委員会(FOMC)初日
10:30 (豪) 5月 NAB企業景況感指数 (4月 14)
15:00 (独) 5月 CPI(消費者物価指数)改定値 前月比 (速報 -0.1%、予想 -0.1%)
15:00 (独) 5月 CPI(消費者物価指数)改定値 前年同月比 (速報 6.1%、予想 6.1%)
15:00 (英) 4月 失業率・ILO方式 (3月 3.9%、予想 4.0%)
18:00 (独) 6月 ZEW景況感調査 (5月 -10.7、予想 -13.1)
21:30 (米) 5月 CPI(消費者物価指数) 前月比 (4月 0.4%、予想 0.2%)
21:30 (米) 5月 CPI(消費者物価指数) 前年同月比 (4月 4.9%、予想 4.1%)
21:30 (米) 5月 CPIコア指数 前月比 (4月 0.4%、予想 0.4%)
21:30 (米) 5月 CPIコア指数 前年同月比 (4月 5.5%、予想 5.3%)
23:00 (英) ベイリー英中銀(BOE)総裁、上院委員会証言
26:00 (米) 財務省30年債入札

6/14(水)
07:45 (NZ) 1-3月期 経常収支 (10-12月 -94.58億NZドル、予想 -69.45億NZドル)
15:00 (英) 4月 月次GDP 前月比 (3月 -0.3%、予想 0.2%)
15:00 (英) 4月 鉱工業生産 前月比 (3月 0.7%、予想 -0.1%)
15:00 (英) 4月 鉱工業生産 前年同月比 (3月 -2.0%、予想 -1.8%)
15:00 (英) 4月 貿易収支・物品 (3月 -163.56億ポンド、予想 -165.00億ポンド)
15:00 (英) 4月 貿易収支・全体 (3月 -28.64億ポンド、予想 -35.00億ポンド)
15:00 (独) 5月 WPI(卸売物価指数) 前月比 (4月 -0.4%)
18:00 (欧) 4月 鉱工業生産 前月比 (3月 -4.1%、予想 0.8%)
18:00 (欧) 4月 鉱工業生産 前年同月比 (3月 -1.4%、予想 0.7%)

21:30 (米) 5月 PPI(卸売物価指数) 前月比 (4月 0.2%、予想 -0.1%)
21:30 (米) 5月 PPI(卸売物価指数) 前年同月比 (4月 2.3%、予想 1.5%)
21:30 (米) 5月 PPIコア指数 前月比 (4月 0.2%、予想 0.2%)
21:30 (米) 5月 PPIコア指数 前年同月比 (4月 3.2%、予想 2.9%)
23:30 (米) EIA週間石油在庫統計
27:00 (米) 米連邦公開市場委員会(FOMC)政策金利 (現行 5.00-5.25%、予想 5.00-5.25%)
27:30 (米) パウエル米FRB議長、記者会見



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