ドル円、重要イベントを控えて方向感に欠ける展開。本日は米CPIがメインイベント
〇ドル円、139円台で方向感に欠ける動き、重要イベント控え様子見ムード広がる
〇ユーロドル、一時1.0791まで上昇するも反落、1.07台半ばでの取引
〇ドル円、ダウンサイドに複数のサポートポイント並び、買いシグナルも継続、地合い強い
〇ファンダメンタルズも日米金利差拡大とそれに伴う円キャリートレード再開期待がドル円をサポート
〇ドル買い・円売りトレンドの継続をメインシナリオとして本日予想
〇本日21:30の米CPI要注視、前後の相場変動に注意
〇本日の予想レンジ:138.50ー140.50
海外時間のレビュー
週明け12日(月)のドル円相場は方向感に欠ける展開。(1)米金利低下に伴うドル売り圧力(米10年債利回りが3.71%まで低下)が重石となる中、米国時間朝方にかけて、安値139.06まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(2)今週末金曜日に予定されている日銀金融政策決定会合で金融緩和の修正が見送られるとの思惑や、(3)米金利上昇に伴うドル買い圧力(米10年債利回りが3.79%へ上昇)、(4)短期筋のストップBUYが支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値139.76まで反発しました。もっとも、買い一巡後に伸び悩むと、(5)重要イベントを控えたポジション調整(様子見ムード)や、(6)米長期金利の一転反落(米10年債利回りが3.73%へ再び低下)が重石となり、本稿執筆時点(日本時間6/13午前5時30分現在)では、139.57前後で推移しております。
週明け12日(月)のユーロドル相場は方向感に欠ける展開。アジア時間朝方にかけて、安値1.0733まで下げ幅を広げるも、一巡後に下げ渋ると、(1)米金利低下に伴うドル売り圧力や、(2)短期筋のショートカバーが支援材料となり、欧州勢参入後に、高値1.0791まで反発しました。もっとも、買い一巡後に伸び悩むと、(3)心理的節目1.0800を背にした戻り売り圧力や、(4)重要イベントを控えたポジション調整が重石となり、本稿執筆時点(日本時間6/13午前5時30分現在)では、1.0759前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円は重要イベント(米CPI、米FOMC、ECB理事会、日銀金融政策決定会合)を控え、様子見ムードが広がる中、方向感に欠ける値動きが続いています。但し、ダウンサイドに複数のサポートポイントが並んでいることや、強い買いシグナルを示唆する「一目均衡表三役好転」「ダウ理論の上昇トレンド」が点灯していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは強いと判断できます(重要イベント通過後の上放れに期待)。また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)米FRBによる金融引き締め長期化観測(今週の米FOMCで据え置きが決定されたとしても、7月利上げ観測が消えるわけではないため、結果として「タカ派的な据え置き」と解釈されて、米FOMC後にドル買い圧力が強まる公算大。
CMEが提供するFedWatchツールによると、6月利上げの織り込み度合は20.8%、7月利上げの織り込み度合は71.9%)や、(2)日銀による金融緩和の長期化観測(ここ最近の植田日銀総裁発言を見る限り、今週末金曜日の会合では、金融緩和の修正が見送られる公算大)、(3)上記1、2を背景とした日米金利差拡大とそれに伴う円キャリートレード再開期待など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。先週のオーストラリア中銀やカナダ中銀のサプライズ利上げを受けて、日本とその他各国との金利差が拡大している点も、クロス円の上昇を通じて、ドル円を下支えしそうです。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします。
尚、本日は今週の重要イベント群の一角である米5月消費者物価指数が日本時間21時30分に予定されています。市場予想を上回る結果となれば、今週の米FOMCでの利上げ観測の再浮上を通じて、ドル買い圧力が急速に強まる恐れがありそうです。一方、市場予想を下回る結果となれば、来月の7月FOMCでの利上げ観測後退を通じて、ドル売り圧力が強まる可能性があります。いずれにせよ、米5月消費者物価指数後はドル円相場のボラティリティが一気に高まる可能性があるため、ポジションサイズ管理に注意が必要でしょう(上下1円を超える値幅で動く可能性あり)。
本日の予想レンジ:138.50ー140.50
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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