東京市場のドルは連日の株安が重しとなるも、相次ぐサプライズ利上げが下支えに
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、前日同様、日本株の下げ幅拡大につられる格好で、140円台を割り込んだ。
前日の海外時間では、カナダ中銀が想定外となる金利引き上げ再開を発表。先日のオーストラリアに続きカナダも利上げ再開に動いたことから、来週13日から14日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ期待が高まり、米2年債利回りは5月27日以来となる4.6%台まで拡大した。この動きにドルはストレートな反応を示し、140円25銭まで買われる場面が見られた。
東京時間でもドルは140円台を維持していたが、昨日同様、メジャーSQを前にした日経平均が後場下げ幅を拡大すると、ドルもつれ安の展開となった。急ピッチな上昇や先物・オプション等に絡んだ調整売りが日本株を押し下げたことなどから、リスク選好的なドル買いは手控えられた。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:140円01銭
高値:140円10銭
安値:139円66銭
終値:139円83銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:149円80銭
高値:150円00銭
安値:149円60銭
終値:149円77銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:93円19銭
高値:93円41銭
安値:92円98銭
終値:93円14銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:174円14銭
高値:174円38銭
安値:173円91銭
終値:174円03銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:31877円79銭
高値:32035円95銭
安値:31420円45銭
終値:31641円27銭
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
18時00分、欧、ユーロ圏GDP(前期比)、前回:0.1%、市場予想:0.1%
18時00分、欧、ユーロ圏GDP(前年比)、前回:1.3%、市場予想:1.3%
21時30分、米、新規失業保険申請件数、前回:23.2万件
21時30分、米、失業保険継続受給者数、前回:179.5万件
23時00分、米、卸売在庫(前月比)、前回:−0.2%、市場予想:−0.2%
※FRBブラックアウト期間入り(金融政策に関する発言自粛)
※予定は変更することがございます。
【テクニカル分析】
日足ベースのドル・円をボリンジャーバンド(20日移動平均線(MA)、±2σ)で確認すると、バンド下限の−2σ水準で下影(3月24日安値129円65銭)を残した後は反発。拡大する+2σに沿った上昇が見られたが、5月30日に年初来高値140円95銭をつけた後は、上値が重くなっている。
日足の一目均衡表では、雲上限(134円80銭)を明確に上放れており、「三役好転」が示現。3月24日の安値(129円65銭)を起点とした下値支持線をサポートに上値切り上げの地合いが続いていたが、足元、20日MA(138円86銭)が迫っており、この水準までの調整が視野に入りつつある。
オーストラリア中銀、カナダ中銀ともに市場予想外の利上げ再開だったことから、その影響は、両通貨へのサプライズに留まらずドルにも波及した。本日も日本株が崩れたことで、東京時間のドルはさえなかったが、FOMCでのサプライズ利上げへの期待感はドルの下支えとなろう。市場関係者の多くは、来週13日から14日開催のFOMCと、15日から16日の日銀金融政策決定会合の開催を前にして、積極的なポジション構築は手控えており、両イベントを前にドルの高値更新は難しいと考える。ただ、サプライズ利上げの期待感が残っている以上、ドルを売り込むこともまた難しいだろう。
今晩は、昨日のようなイベントも予定されていないことから、139円台半ばでの小動きとなろう。本日の上値メドは、東京時間の高値水準の140円10銭、下値メドは20日MA水準の138円90銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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