ドル円、米新規失業保険申請件数の悪化を受けて急反落。約1週間ぶり安値圏へ
〇ドル円、米新規失業保険申請件数の予想比悪化に米国時間に安値138.81まで急落、戻り鈍い
〇ユーロドル、米長期金利低下に伴うドル売りに米国時間に1.0787まで急反発
〇ドル円、下方にサポートポイント並び、強い買いシグナルが継続点灯テクニカルの地合い崩れていない
〇ファンダメンタルズも日米金利差拡大期待根強く、ドル円をサポート
〇昨日の下落は重要イベント前のポジション調整、引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続を予想
〇本日の予想レンジ:138.25ー139.75
海外時間のレビュー
8日(木)のドル円相場は急反落。アジア時間早朝にかけて、高値140.25まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)日経平均株価の冴えない動きや、(2)上記1を背景としたリスク回避の円買い圧力、(3)米新規失業保険申請件数(結果26.1万件、予想23.5万件)の予想比悪化、(4)米金利低下に伴うドル売り圧力、(5)短期筋のストップSELL(節目139.00を割り込んだことに伴う仕掛け的なドル売り・円買い)が重石となり、米国時間(日本時間午前0時過ぎ)にかけて、安値138.81まで急落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間6/9午前5時20分現在)では、138.91前後で推移しております。
8日(木)のユーロドル相場は急反発。アジア時間早朝にかけて、安値1.0694まで軟化するも、一巡後に下げ渋ると、(1)ECBによる金融引き締め長期化観測(オーストラリア中銀に続いて、6/7にカナダ中銀がサプライズ利上げに踏み切った他、シュナーベルECB専務理事やオランダ中銀クノット総裁からもタカ派的は発言が相次いだことが背景)や、(2)米新規失業保険申請件数の冴えない結果、(3)米金利低下に伴うドル売り圧力、(4)6/2に記録した直近高値(1.0780)突破に伴う仕掛け的なユーロ買い・ドル売りが支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値1.0787まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間6/9午前5時20分現在)では、1.0781前後で推移しております。尚、昨日発表されたユーロ圏1ー3月期GDP確報値(結果▲0.1%、予想±0.0%、※前期比)は市場予想を下回る結果となりましたが、ユーロ売りでの反応は限定的となりました。
本日の見通し
ドル円は140円の大台維持に失敗すると、一時138.81まで急落しました。但し、ダウンサイドに複数のサポートポイントが並んでいる点や、強い買いシグナルを示唆する「一目均衡表三役好転」「ダウ理論の上昇トレンド」が継続点灯している点を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは崩れていないと判断できます(昨日の下落は重要イベント前のポジション調整)。また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)米FRBによる金融引き締め長期化観測(6月FOMCが据え置きとなっても、7月利上げ観測が消えるわけはないため、結果として「タカ派的な据え置き」と解釈される公算大)や、(2)日銀による金融緩和の長期化観測(ここ最近の植田日銀総裁発言を見る限り、金融緩和の修正時期は大幅に後ずれする可能性あり)、(3)上記1、2を背景とした日米金利差拡大とそれに伴う円キャリートレード再開期待(※オーストラリア中銀に続いて、カナダ中銀もサプライズ利上げに踏み切ったことで、日本とその他各国との金利差も拡大→対主要通貨で円売り圧力が強まる公算大)など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。
以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします。但し、本日は米国経済イベントが予定されていない他、来週に重要イベント(米5月消費者物価指数、米FOMC、ECB理事会、日銀金融政策決定会合)が集中していることもあり、様子見ムードから、アジア時間・欧米時間を通して、方向感に欠ける値動きが続きそうです。
本日の予想レンジ:138.25ー139.75
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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