ドル円、カナダ中銀によるサプライズ利上げをきっかけに急上昇。140円の大台回復(6/8朝)

7日(水)のドル円相場は下落後に急反発。

ドル円、カナダ中銀によるサプライズ利上げをきっかけに急上昇。140円の大台回復(6/8朝)

ドル円、カナダ中銀によるサプライズ利上げをきっかけに急上昇。140円の大台回復

〇ドル円、日経平均急落やイエレン財務長官のハト派的発言に米国朝方にかけ139.03まで下落
〇その後、予想外のカナダ中銀利上げに、ドル円は一時140.25まで上昇、140円台を維持
〇ユーロドル、ECB関係者のタカ派発言等で高値1.0739まで急伸後、ドル買い強まり1.0699前後での推移
〇ドル円、一目均衡表転換線を再び上抜け、下位足でも買いシグナル点灯、テクニカルの地合い強い
〇豪、加のサプライズ追加利上げで円キャリートレード活発化の可能性も高まり、円売り材料に
〇ドル高・円安トレンドの継続をメインシナリオとして予想、目先は5/30高値140.95を試す展開か
〇本日の予想レンジ:139.50ー141.00

海外時間のレビュー

7日(水)のドル円相場は下落後に急反発。(1)日経平均株価の急反落(5営業日ぶり反落で前日比590円を超える急落)や、(2)上記1を背景としたリスク回避の円買い圧力、(3)イエレン米財務長官による「インフレは今後2年間改善が続くだろう」「労働市場に緩和の兆しが見られる」との発言が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値139.03まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(4)節目139.00を背にした押し目買い圧力や、(5)カナダ中銀による25bpのサプライズ利上げ実施(前日のオーストラリア中銀に続いてカナダ中銀もサプライズ利上げを実施→円キャリートレード再開の思惑→ドル円・クロス円上昇)、(6)米金利上昇に伴うドル買い圧力が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値140.25まで上昇しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間6/8午前5時30分現在)では、140.17前後で推移しております。

7日(水)のユーロドル相場は下落後に持ち直す展開。(1)アジア株の冴えない動きや、(2)ドイツ4月鉱工業生産(結果+0.3%、予想+0.6%、※前月比)の市場予想を下回る結果、(3)欧州経済の先行き不透明感とECBによる金融引き締め打ち止め観測が重石となり、欧州時間朝方にかけて、安値1.0669まで下落しました。しかし、前日安値1.0667に一歩届かず下げ渋ると、(4)シュナーベルECB専務理事による「基調的なインフレは依然として高い」「あとどのくらい利上げが必要かはデータが決める」とのタカ派的な発言や、(5)オランダ中銀クノット総裁による「さらなる利上げが必要だろう」「インフレはしばらくの間、かなり高い水準を維持する可能性」とのタカ派的な発言、(6)カナダ中銀によるサプライズ利上げ実施(世界的な金融引き締め観測の再燃)が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値1.0739まで急伸しました。もっとも、買い一巡後に伸び悩むと、(7)米金利上昇に伴うドル買い圧力が重石となり、本稿執筆時点(日本時間6/8午前5時30分現在)では、1.0699前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は心理的節目140.00を回復し、一時140.25まで急伸しました。日足ローソク足が一目均衡表転換線を再び上抜けしたことや、強い買いシグナルを示唆する「一目均衡表三役好転」「ダウ理論の上昇トレンド」が継続点灯していること、1時間足や4時間足などの下位足でも強い買いシグナルが再点灯したこと等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは強いと判断できます。また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)米FRBによる金融引き締め長期化観測(CMEが提供するFedWatchツールによると、6月FOMCは据え置きが71.3%、利上げが28.7%、7月FOMCは据え置きが34.2%、利上げが65.8%)や、(2)日銀による金融緩和の長期化観測(植田日銀総裁は就任以降、慎重なスタンスを繰り返し発言)、

(3)上記1、2を背景とした日米金利差拡大とそれに伴う円キャリートレード再開期待(オーストラリア中銀に続いて、カナダ中銀までもがサプライズ利上げに踏み切ったことで、日本とその他各国との金利差拡大に着目した円キャリートレードが活発化する可能性あり→対主要通貨での円売り圧力)など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が揃っています(米主要株価指数が堅調さを維持していることも、リスク選好の円売りを通じてドル円を下支えする見通し)。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル高・円安トレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします(目先は5/30に記録した高値140.95を試す展開を想定)。尚、本日も米新規失業保険申請件数や、米4月卸売在庫、米4月卸売売上高以外に目立った米国経済イベントが予定されていないため(ブラックアウト期間中で米当局者発言も予定なし)、米長期金利や米主要株価指数、クロス円相場の動向を睨みながらの展開となりそうです。

本日の予想レンジ:139.50ー141.00

注:ポイント要約は編集部

ドル円、カナダ中銀によるサプライズ利上げをきっかけに急上昇。140円の大台回復

ドル円日足

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