米債務上限の採決注視、波乱の展開にも注意(5/31夕)

31日の東京市場はドルが続落。前日安値を下回り、139.30-35円まで一時値を下げている。

米債務上限の採決注視、波乱の展開にも注意(5/31夕)

米債務上限の採決注視、波乱の展開にも注意

〇本日のドル円は基本揉みあい、140円に接近する局面もみられたが上値は重い
〇5/30の安値を下回る139.30-35まで軟化し、ドル安値圏で推移して欧米市場を迎える
〇米連邦債務上限を一時的に停止する法案が本会議に送られ、5/31に採決される見込み
〇ドル円は一昨日そして昨日と140.90台の高値を示現したが、本邦からの円安けん制もあり、一旦足踏み
〇本日の米4月雇用動態調査、週末の米雇用統計に要注目
〇本日欧米時間のドル円予想レンジは139.10-140.30、140円レベルの攻防にまず注目
〇ドル安・円高方向は、本日東京安値139.30-35が最初のサポート

<< 東京市場の動き >>

31日の東京市場はドルが続落。前日安値を下回り、139.30-35円まで一時値を下げている。

ドル/円は139.80円レベルで寄り付いたものの、基本は揉み合い。そのなかで140円に接近する局面もみられたが上値は重く、抜けていくことは出来なかった。むしろ、途中で底割れすると一転して下値を試す展開に。前日安値を下回る139.30-35円まで軟化し、16時現在でもそのままドル安値圏で推移。欧米市場を迎えていた。
なお、トルコリラ安の動きは本日も継続。ドル/リラは連日のリラ安値を更新し、一時20.70リラ台へ。

一方、材料的に注視されていたものは「北朝鮮情勢」と「米債務上限問題」について。
前者は、北朝鮮が「人工衛星」を発射すると予告していた一定期間の初日にあたる、本31日の早朝にいきなりの「宇宙飛翔体」発射が観測されている。沖縄にJアラートが発令されるなど、一時緊迫ムードとなったが、結果として衛星の発射は失敗に終わったもよう。朝鮮中央通信も「事故が発生し黄海上に墜落した」と伝えていた。しかし、同時に「できるだけ早い期間内に2次打ち上げに踏み切る」といった発表もなされており、引き続き予断を許さない。先の予告期間は6月11日までで、依然として波乱含みだ。なお、北朝鮮のミサイル発射を受け、日米韓局長による緊急電話協議が実施されている。

対して後者は、米共和党のマッカーシー下院議長が、破滅的なデフォルトを回避に向け、先日バイデン米大統領との間で合意に至った連邦債務上限引き上げについて、支持するよう共和党員に要請していたようだ。そうしたなか、米下院議事運営委員会は、連邦債務上限を一時的に停止する法案を7対6の賛成多数で可決。法案は本会議に送られ、31日に採決される見込みとなった。しかし、ブルームバーグでは「共和党の強硬派議員らから批判が噴出、保守派の一人はマッカーシー議長解任動議の採決を計画していると述べた」などと伝えている。果たして如何なる決着を見るのか注目だ。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は、一昨日そして昨日と連日140.90円台の高値を示現。テクニカルには141円台に強い引っ掛かりはうかがえないなか、昨年11月21日に記録した高値142.25円が次のポイントとして取り沙汰されたが、本邦からの口先介入などもあり、足もとは円安傾向に歯止めが掛かった格好にある。11日安値133.75円を起点とすれば前述高値まで7円以上の上昇を記録しており、短期的な調整の動きが続くとすれば、137-138円程度までも押しがある可能性もある。

米金融政策を念頭に置いたうえで、目先は発表される米経済指標に注目。もっとも注視されている指標は週末の米雇用統計だが、本日もなかなか重要な指標発表が見込まれており予断を許さない。ただ、本日に限れば米金融政策以上に米債務上限問題の行方が気掛かりだ。バイデン氏などは楽観的な見通しを示しているものの、前述したようにブルームバーグなど一部メディアからは厳しい論調も少なくない。予断を持たずに臨みたいところだ。

テクニカルに見た場合、ドル/円の基本的なリスクは依然としてドル高方向にバイアスか。しかし、本邦からの円安けん制もあり、一旦足踏みとなっている。円ショートポジションがだいぶ積み上がっていることで、短期的にはむしろさらなる調整の動きも否定できない。
ちなみに、11日安値133.75円を起点に目先高値140.93円までの上昇に対するフィボナッチは38.2%押しで138.20円レベル。東京夕方16時、本稿執筆時からでも1円以上の下げ余地がありそうだ。

本日は米経済指標として、5月のシカゴ購買部協会景気指数などが発表されるうえ、地区連銀経済報告の公開も実施される見通しだ。また、引き続き米国を中心とした要人・通貨当局者の講演など発言機会も少なくないだけに、そちらも併せて注意を払いたい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは139.10-140.30円。ドル高・円安方向は本日東京で一度も回復できないなど、ジワリと重くなってきた感のある140円レベルの攻防にまず注目。ただ超えれば高値140.93円が再び視界内に。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値139.30-35円が最初のサポート。割り込むようだとフィボナッチポイントの138.20円を目指す。

米債務上限の採決注視、波乱の展開にも注意

ドル円日足


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