東京市場のドルは139円台半ばで推移、米雇用統計前の軽い調整局面入りか
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、14時以降、下げ足を強め139円台前半まで円安・ドル高が進行した。
財務省の神田真人財務官から30日夕方、「過度な変動は好ましくない」「必要があれば適切に対応していく考えに変わりはない」といった円安けん制発言が意識されて、前日の海外時間ではドルが軟調に推移。米2年債利回りが4.4%台半ばまで低下するなど米金利先高感はやや沈静化。米債務上限問題の進捗状況を見極めたいとする動きもドルの重しとなった。
東京時間でもこの流れは継続し、時間外取引で米2年債利回りが4.4%台前半まで低下したことなどから、ドルは買い手控えムードが強まった。午後、中国景気減速懸念などから日経平均が前日比500円超の下落となったことなどから、リスク回避のドル売りが入り139円台半ばでの推移となった。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:139円76銭
高値:139円93銭
安値:139円34銭
終値:139円41銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:150円00銭
高値:150円11銭
安値:148円98銭
終値:149円14銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:91円06銭
高値:91円41銭
安値:90円40銭
終値:90円56銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:173円44銭
高値:173円65銭
安値:172円62銭
終値:172円84銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:31057円09銭
高値:31142円78銭
安値:30785円98銭
終値:30887円88銭
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
17時00分、欧、ECB金融安定報告
21時00分、独、消費者物価指数(CPI)(前月比)、前回:0.4%、市場予想:0.3%
21時00分、独、消費者物価指数(CPI)(前年比)、前回:7.2%、市場予想:6.5%
21時30分、カ、実質GDP(前期比)、前回:0.0%、市場予想:1.7%
21時30分、カ、月次GDP(前月比)、前回:0.1%、市場予想:−0.1%
21時50分、ボウマンFRB理事、コリンズ・ボストン連銀総裁が討論会に参加
22時45分、米、シカゴ購買部協会景気指数(PMI)、前回:48.6、市場予想:47.6
23時00分、米、JOLTS求人件数、前回:959.0万人、市場予想:944.0万人
25時20分、米、コリンズ・ボストン連銀総裁が挨拶
25時30分、米、ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁が討論会に参加
26時30分、米、ジェファーソンFRB理事が講演
27時00分、米、米地区連銀経済方向(ベージュブック)
未定、米債務上限巡り議会採決
※予定は変更することがございます。
【テクニカル分析】
日足ベースのドル・円をボリンジャーバンド(20日移動平均線(MA)、±2σ)で確認すると、バンド下限の−2σ水準で下影(3月24日安値129円65銭)を残した後は反発。拡大する+2σに沿った上昇が見られたが、昨日の年初来高値140円95銭をつけた後は、上げ基調が一服。9日MA(139円44銭)での攻防を迎えている。
日足の一目均衡表では、雲上限(133円78銭)を明確に上放れており、「三役好転」が示現。3月24日の安値(129円65銭)を起点とした下値支持線をサポートに上値切り上げの地合いが続いているが、本日を含め陰線が三本並んでいることから、短期的には調整局面入りとの見方もできよう。
日本の通貨当局による円安けん制発言を受けて、ドル買いのモメンタムはいったん低下したように見える。海外投資家による新規の日本株買い、円売りポジション構築も一服か。今晩予定されている米債務上限問題の議会採決が難航する見通しとなっていることから、新たなポジション構築は手控えとなろう。週末に5月の米雇用統計の発表を控えており、米金利先高感の再燃は、雇用統計の結果次第となりそうな雰囲気だ。
もっとも、米債務上限問題が今晩あっさり片付けば、投資家マインドが好転する余地は十分ある。利益確定のドル売りに留まり、新規のドル売りポジションは作りたくない状況、つまり軽い調整局面と推測する。
上記の地合いを考慮して、今晩の海外時間はドル様子見の地合いを想定する。本日の上値メドは、140円00銭、下値メドは139円00銭とする
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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