ドル円、138円台半ばへ急反発。米債務上限問題に関するヘッドラインに要注意(5/23朝)

週明け22日(月)のドル円相場は堅調な値動き。

ドル円、138円台半ばへ急反発。米債務上限問題に関するヘッドラインに要注意(5/23朝)

ドル円、138円台半ばへ急反発。米債務上限問題に関するヘッドラインに要注意

〇ドル円、米国時間午後にかけて、一時138.69まで上昇
〇日経平均株価の堅調、米債務上限問題を巡る警戒感の後退、FRB関係者のタカ派発言等が支援
〇ユーロドル、好悪材料交錯し1.08を挟んで方向感に欠ける動き
〇ドル円、テクニカルの地合い強く、ファンダメンタルズもドル円上昇の材料揃う
〇米地銀を巡る金融システム不安、米債務上限問題等不安要因を消化しつつ上値を伸ばす展開か
〇本日の予想レンジ:137.75ー139.25

海外時間のレビュー

週明け22日(月)のドル円相場は堅調な値動き。アジア時間早朝にかけて、安値137.40まで軟化するも、一巡後に下げ渋ると、(1)日経平均株価の堅調推移(約33年ぶりに31000円の大台乗せ→リスク選好の円売り圧力)や、(2)バイデン米大統領による「マッカーシー下院議長との電話会談はうまくいった」との楽観的な発言(米債務上限問題を巡る警戒感の後退)、(3)セントルイス連銀ブラード総裁による「今年あと2回の利上げを予想」とのタカ派的な発言、(4)米金利上昇に伴うドル買い圧力(米10年債利回りが3/13以来となる3.73%へ急上昇)が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値138.69まで上昇しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間5/23午前5時45分現在)では、138.59前後で推移しております。

週明け22日(月)のユーロドル相場は方向感に欠ける展開。(1)バイデン米大統領による「マッカーシー下院議長との電話会談はうまくいった」との楽観的な発言(米債務上限問題を巡る警戒感の後退)や、(2)米金利上昇に伴うドル買い圧力、(3)欧州経済の先行き不透明感(ECBによる金融引き締め打ち止め観測)が重石となり、欧州時間朝方にかけて、安値1.0795まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(4)欧州債利回り上昇に伴うユーロ買い圧力や、(5)一目均衡表雲下限を背にした押し目買い圧力(短期筋のショートカバーを誘発)が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値1.0831まで反発しました。

もっとも、買い一巡後に伸び悩むと、(6)欧州株の冴えない動きや、(7)米金利上昇に伴うドル買い圧力が重石となり、本稿執筆時点(日本時間5/23午前5時45分現在)では、1.0813前後で推移しております。尚、昨日発表されたベルギー5月消費者信頼感指数(結果▲9、前回▲6)、ユーロ圏3月建設支出(結果▲1.5%、前回+2.1%、※前年比)、ユーロ圏5月消費者信頼感速報値(結果▲17.4、予想▲16.8)はいずれも冴えない結果となりました。

本日の見通し

ドル円は一時138.69まで上昇するなど、先週木曜日(5/18)に記録した高値138.76(昨年11/30以来、約半年ぶり高値圏)に迫りました。日足ローソク足が主要テクニカルポイントの上側で推移していることや、上位足から下位足に至る全てのテナーで強い買いシグナルを示唆する「一目均衡表三役好転」「ダウ理論の上昇トレンド」が成立していることなどを踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは極めて強いと判断できます。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)米FRBによる年内利下げ観測の後退(全米企業エコノミスト協会は昨日、FRBの利下げ開始時期を巡るエコノミストの予想が従来の今年第4四半期から来年第1四半期へ後ずれしたことを発表→CMEが提供するFedWatchツールによると次回6月の25bp利上げを25%程度織り込んでいる状態)や、(2)日銀による金融緩和の長期化観測(植田日銀総裁は先週末金曜日に「現在はしっかりと金融緩和を続けていくことが必要」「拙速な政策転換により、2%達成の芽を摘んでしまう場合のコストが極めて大きい」「出口に向けた金融緩和の修正は時間をかけて判断していくことが適当」とハト派的なスタンスを強調)、

(3)上記1、2を背景とした日米金利差拡大観測とそれに伴う円キャリートレード再開期待など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。米地銀を巡る金融システム不安(イエレン米財務長官が5/19に「銀行幹部らにさらに合併が必要な可能性を伝えた」と発言したことで米地銀を巡る金融システム不安が再燃)や、米債務上限問題(バイデン米大統領とマッカーシー下院議長は楽観的な見方を示すも、米下院金融サービス委員会のマクヘンリー委員長は悲観的な意見を強調)など、不安要素は燻っているものの、前者については市場の反応(地銀株下落→市場心理悪化→リスク回避の円買い)が一時的なものに留まると見られる他、後者についても、これまで同様、最終的に合意に至る可能性が高いと考えられることから、ドル円はこれらの悪材料を消化しつつ、上値を更に伸ばしていく展開が想定されます。

以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の続伸をメインシナリオとして予想いたします(次のターゲットは昨年11/21に記録した高値142.27)。尚、本日は米債務上限問題に関するバイデン米大統領とマッカーシー下院議長との会談や、ダラス連銀ローガン総裁講演、米5月製造業・非製造業PMI速報値、米4月新築住宅販売件数、米5月リッチモンド連銀製造業指数に注目が集まります。

本日の予想レンジ:137.75ー139.25

注:ポイント要約は編集部

ドル円、138円台半ばへ急反発。米債務上限問題に関するヘッドラインに要注意

ドル円日足

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