東京市場のドルは137円台で推移、米債務上限問題が重しに
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、137円台半ばで推移した。先週末の海外時間では、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長による利上げ休止を示唆する発言を受けて、米2年債利回りが4.2%台まで縮小。足元、急ピッチでドル高が進んでいたこともあり、ドル買い一服となった。
東京時間でもこの流れを引き継ぎ、ドルは137円台でのもみ合いに。民主党と共和党による米債務上限引き上げ交渉のこう着もドルの重しとなった。ただ、米債務上限問題解決に向けた楽観ムードは引き続き根強く、今晩のバイデン大統領とマッカーシー下院議長の会談に対する期待感がドル一段安を留まらせる要因となっているもよう。
なお、反落で取引を開始した日経平均は前場切り返した後、後場は先物主導で一段高の展開に。1990年8月1日以来となる31000円台回復となった。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:137円69銭
高値:137円97銭
安値:137円50銭
終値:137円97銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:148円94銭
高値:149円18銭
安値:148円85銭
終値:149円17銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:91円56銭
高値:91円78銭
安値:91円44銭
終値:91円60銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:171円45銭
高値:171円72銭
安値:171円38銭
終値:171円67銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:30735円71銭
高値:31086円82銭
安値:30689円27銭
終値:31086円82銭
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
21時30分、米、ブラード・セントルイス連銀総裁が米シティ主催のイベントに出席
23時00分、欧、ユーロ圏消費者信頼感指数、前回:−17.5
24時05分、米、デイリー・サンフランシスコ連銀総裁が全米企業エコノミスト協会に出席
24時05分、米、ボスティック・アトランタ連銀総裁とバーキン・リッチモンド連銀総裁が討論会に出席
未定、バイデン大統領とマッカ―シー下院議長が米債務上限問題で会談
※予定は変更することがございます。
【テクニカル分析】
日足ベースのドル・円をボリンジャーバンド(20日移動平均線(MA)、±2σ)で確認すると、バンド下限の−2σ水準で下影(3月24日安値129円65銭)を残した後は反発。5月17日以降、拡大する+2σを意識した展開となっている。
日足の一目均衡表では、雲上限(133円12銭)を明確に上放れており、「三役好転」が示現。3月24日の安値(129円65銭)を起点とした下値支持線をサポートとした上の動きが見られる。
目先の上値抵抗ラインだった200日MA(137円13銭)、3月の高値(137円92銭)を明確に上抜けたことに伴うショートカバーは一巡しており、昨年9月以来となる140円台回復には材料待ちといった展開か。
今晩予定されているバイデン大統領とマッカーシー下院議長による米債務上限問題の協議にて、「合意に至らず」という結果となれば、もちろんドルの重しとなる。市場で言われている最短のXデーが6月1日と、まだ10日ほど猶予があることから、今晩での両党譲らずという可能性は十分考えられる。「どこかで両党合意する」はコンセンサスではあるが、まだその時期ではないと考える関係者も多いだろう。
なお、CMEグループが提供するFed Watchツールでは、6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げを想定する割合は11%台となっている。一週間前の5月15日時点での利上げ予想は20.1%だったことから、先週末のパウエルFRB議長の発言によって、6月の利上げ期待はほぼ無くなったと言えよう。6月2日(金)には米雇用統計、13日(火)には米消費者物価指数とFOMC(日本時間14日27時に発表)前に重要な経済指標の発表が控えていることから可能性はゼロではないが、米追加利上げ期待再燃のハードルは非常に高まったと考える。
今晩の海外時間では、米債務上限問題がドルの重しとなると想定。本日の上値メドは、年初来高値手前の138円50銭、下値メドは心理的な節目である137円00銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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