米債務上限問題注視、ドル上値は依然重そう(5/22夕)

週明け22日の東京市場は揉み合い。137円台後半を中心とした一進一退に終始している。

米債務上限問題注視、ドル上値は依然重そう(5/22夕)

米債務上限問題注視、ドル上値は依然重そう

〇本日のドル円、138円台にワンタッチするも定着できず137円台後半を中心とした一進一退に終始
〇米債務上限問題、為替市場はドル売りに傾斜せず踏みとどまっているが行方には引き続き要注意
〇5/11安値133.75を起点として1週間で5円ほどの上昇をたどっており、足もとは調整が入りやすい環境
〇ドル高円安方向は138.10ー15が最初の抵抗、超えれば138.74が再び視界内
〇ドル安円高方向は、本日東京安値を含めた137.40-50めぐる攻防に注目
〇欧米時間のドル/円予想レンジは137.30-138.50

<< 東京市場の動き >>

週明け22日の東京市場は揉み合い。137円台後半を中心とした一進一退に終始している。

先週末は、日本で実施されたG7広島サミットが色々と話題に。一方、21日に再開された米債務上限問題をめぐる与野党協議はまたもや物別れに終わったと発表されている。
そうした状況下、ドル/円は137.95円レベルで寄り付いたものの、ドルの上値は重い。138円台にワンタッチしたものの、定着することは出来なかった。しかし下値も堅く、ドルが軟化した137円半ばではビッドも厚い。16時現在では137.85-90円で推移するなか、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは「G7広島サミットなど」と「米債務上限問題」について。
前者は、日米などが参加したG7広島サミットに続き、インドや豪州、韓国などの招待国に加えウクライナ大統領もサプライズ参加となった拡大G7広島サミットが開催されていた。
なお、そんな一連の会合についてホスト国である日本の岸田首相は、終了後に「法の支配に基づく国際秩序を守る決意を世界に示せたことは意義深い」と成果を強調するコメントを発していたようだ。

ただ、そんなG7広島サミットについて、ロシアは「G7声明には中露の『二重封じ込め』が目的」などと強く反発していたうえ、中国外務省も孫外務次官が日本の垂駐中国大使を呼び出し、「中国関連問題」が取り上げられたことについて抗議したと発表している。
対して後者は、先週のG7サミットに出席していたバイデン大統領からは楽観的な見通しも聞かれるなか、昨21日にはバイデン氏と野党共和党のマッカーシー下院議長による電話会談が実施されていた。交渉は結局決裂したものの、22日午後にバイデン氏が再会談する見通しなどと伝えられたこともあり、為替市場は大きくドル売りに傾斜することもなく、何とか踏みとどまった感。しかしながら、バイデン氏からは同時に「債務上限を引き上げるために共和党側の条件だけを受け入れるつもりはない」とした強硬コメントが聞かれるなど、この先の協議もそう簡単には行かないようだ。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は18日に138.74円まで上昇したのち、翌日には137.43円まで下落。週をまたいだ本日22日の東京時間にも、一時137円半ばまでドルは軟化している。基本的なリスクは引き続きドル高方向にバイアスが掛かりそうだが、短期的には一旦ドルの上値トライも仕切り直しか。11日安値133.75円を起点としても、1週間で5円ほどの上昇をたどっており、足もとは調整が入りやすい環境にある。
米金融政策への関心は依然として高く、今週も週間を通して発表される米経済指標や要人発言などに一喜一憂する展開をたどりそうだ。しかし、短期的にはそれ以上に米債務上限問題の行方を注視している向きが多い。バイデン米大統領からは総じて楽観的な発言が少なくないものの、イエレン財務長官をはじめとする周辺からは厳しい見通しも発せられている。やはり油断は禁物か。市場がさらにドル売りで反応する可能性もある。

テクニカルに見た場合、ドル/円の基本的なリスクは上方向だが、短期的には調整思しき動きに押される展開となっている。先で指摘したように目先的にも1週間で5円のドル高が進行しており、フィボナッチで考えれば38.2%押しでも2円、半値押しであれば2.5円ほど下落しても不思議はない。いずれにしても、まだドルの下落余地は残されている。137.10円前後に位置する200日線程度までの下落は、想定しておいて損はないだろう。

本日はとくに目立った米経済指標の発表は予定されていない。しかし、セントルイス連銀総裁による討論会参加など要人の発言機会は非常に多い。また、昨日の協議は物別れに終わったものの、本日22日に三度協議される見通しの米債務上限問題の行方には引き続き注意を払いたい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは137.30ー138.50円。ドル高・円安方向は138.10ー15円が最初の抵抗。超えれば138.74円が再び視界内に。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値を含めた137.40ー50円をめぐる攻防にまずは注目。割り込めば200日線を目指す展開も。

米債務上限問題注視、ドル上値は依然重そう

ドル円日足

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