ドル円、約2週間ぶり高値圏へ続伸。本日は米債務上限問題に関するヘッドラインに要警戒(5/17朝)

16日(火)のドル円相場は下落後に急反発。

ドル円、約2週間ぶり高値圏へ続伸。本日は米債務上限問題に関するヘッドラインに要警戒(5/17朝)

ドル円約2週間ぶり高値圏へ続伸。米債務上限問題に関するヘッドラインに要警戒

〇ドル円、米小売売上高が市場予想下回り一時135.67まで下げるもその後一時136.69まで急伸
〇米鉱工業生産の好調、FRB関係者のタカ派発言、米長期金利の上昇等が背景
〇ユーロドル1.08台後半中心の方向感に欠ける動き続く
〇ドル円、主要テクニカルポイント上抜け地合いの強さを印象付けるチャート形状
〇ファンダメンタルズも日米金利差拡大が観測がドル円サポート
〇米債務上限問題に不確実要素燻るもバイデン大統領はG7後の豪州訪問を見送り対応する方針
〇引き続きドル円相場の上昇をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:135.50ー137.50

海外時間のレビュー

16日(火)のドル円相場は下落後に急反発。(1)米4月小売売上高(結果+0.4%、予想+0.8%、※前月比)の市場予想を下回る結果を受けて、一時135.67まで下げ幅を広げるも、前日安値135.60をバックに下げ渋ると、(2)米4月鉱工業生産(結果+0.5%、予想±0.0%、※前月比)の力強い結果や、(3)米5月NAHB住宅市場指数(結果50、予想45)の市場予想を上回る結果、(4)クリーブランド連銀メスター総裁による「労働市場は依然としてかなりタイト」「金利は十分に制限された水準にない」とのタカ派的な発言、(5)リッチモンド連銀バーキン総裁による「インフレについてはまだ納得が得られない」「必要なら追加利上げの可能性」とのタカ派的な発言、(6)ニューヨーク連銀ウィリアムズ総裁による「経済は容認できないほどの高インフレに直面している」とのタカ派的な発言、(7)米金利上昇に伴うドル買い圧力が支援材料となり、日本時間0時過ぎに、5/2以来、約2週間ぶり高値となる136.69まで急伸しました。引けにかけて反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間5/17午前4時50分現在)では、136.31前後で推移しております。

16日(火)のユーロドル相場は上昇後に反落。欧州時間朝方にかけて、高値1.0904まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)独5月ZEW景況感指数(結果▲10.7、予想▲5.3)の市場予想を下回る結果(2022年12月以来の低水準)や、(2)上記1を背景とした欧州経済の先行き不透明感、(3)米経済指標の力強い結果(米4月鉱工業生産や米5月NAHB住宅市場指数)、(4)米金利上昇に伴うドル買い圧力が重石となり、日本時間0時過ぎに、安値1.0855まで反落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間5/17午前4時50分現在)では、1.0860前後で推移しております。尚、昨日はオーストリア中銀ホルツマン総裁より「金利が4%に達するまで利上げを停止するべきでない」「コアインフレが今年中にさらに鈍化する可能性は低い」とのタカ派的な発言が見られましたが、ユーロ買いでの反応は限定的となりました。

本日の見通し

ドル円は5/11に記録した安値133.74をボトムに反発に転じると、昨日は一時136.69(5/2以来、約2週間ぶり高値圏)まで急伸しました。この間、日足ローソク足が主要テクニカルポイント(一目均衡表基準線、転換線、21日移動平均線、ボリンジャーミッドバンド)を上抜けした他、日足および4時間足で強い買いシグナル(一目均衡表三役好転やダウ理論の上昇トレンド)が成立するなど、テクニカル的に見て、地合いの強さを印象付けるチャート形状となりつつあります。また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)米FRBによる追加利上げ観測の高まり(次回6/14FOMCでの25bp利上げが依然として20%程度織り込まれている状態→米長期金利に上昇圧力)や、(2)日銀による金融緩和の長期化観測(植田日銀総裁はしばらく金融緩和の修正に動かない可能性大→円金利に低下圧力)、(3)上記1、2を背景とした日米金利差拡大とそれに伴う円キャリートレードの再開期待)など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が揃っています(堅調な株式市場も「リスクオンの円売り」を通じてドル円やクロス円を下支え)。

米債務上限問題など不確実要素は燻っているものの、バイデン米大統領は同問題の展開次第でG7首脳会議(G7広島サミット)後のオーストラリア訪問を見送る可能性があるとも述べており、6/1のXデーに向かって最終的に交渉が成立する(デフォルトが回避される)との期待が浮上しつつあります。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の上昇をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日はバイデン米大統領とマッカーシー下院議長らとの債務上限問題に関する協議(ヘッドライン次第で一時的にドル円相場が乱高下する可能性あり)と、米MBA住宅ローン申請指数、米4月住宅着工件数、米4月建設許可件数などの米経済指標に注目が集まります。

本日の予想レンジ:135.50ー137.50

注:ポイント要約は編集部

ドル円約2週間ぶり高値圏へ続伸。米債務上限問題に関するヘッドラインに要警戒

ドル円日足

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