基本はレンジか、明朝の米債務上限協議注目(5/9夕)

9日の東京市場はドルが小安い。ただ、基本的には135円挟みで、明確な方向性はやや乏しかった。

基本はレンジか、明朝の米債務上限協議注目(5/9夕)

基本はレンジか、明朝の米債務上限協議注目

〇本日のドル円、135.05-10で寄りつき基本的には135円挟みのレンジ取引、目立った動意は見られず
〇先週の137.78と133.50が短期的なドル高値と安値を示現した感、目先の方向性を欠いている可能性
〇雇用統計発表後、134.60-135.30といったレンジ取引、当面は135円挟みのレンジで一進一退の可能性
〇明日発表の米消費者物価指数の内容と、日本時間5/10早朝の米債務上限をめぐる協議に注目集まる
〇欧米時間のドル/円予想レンジは134.40-135.50、ドル高・円安方向は昨日高値135.30が最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は、短期ベースで強いサポートになっている感がある134.60-70の攻防にまずは注目

<< 東京市場の動き >>

9日の東京市場はドルが小安い。ただ、基本的には135円挟みで、明確な方向性はやや乏しかった。

ドル/円は135.05-10円で寄り付いたものの、基本はレンジ取引。次の材料をにらみつつ、135円±30銭といったなかでの一進一退に終始した。途中、植田日銀総裁発言なども伝えられたが影響は限定的で、目立った動意は見られず。16時現在では134.80円前後で推移、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは「日銀総裁発言」と「ロシア情勢」について。
前者は、本日東京の衆院財務金融委に植田日銀総裁が出席。野党議員からの質問などに答えた際の発言が幾つか伝えられている。前述したように為替市場に与えた影響はほぼなかったが、内容的には興味深い発言もあった。たとえば、為替に関しては「経済・金融のファンダメンタルズを反映して安定的に推移するのがきわめて重要」とコメント、ただ見通しについては「具体的にコメントすることは差し控える」と明言を避けたという。一方、持続的・安定的に物価2%が達成されるという見通しに至った場合には、「現在の長短金利操作をやめる」との発言も聞かれていた。

対して後者は、9日の戦勝記念日を前に、ロシアの民間軍事会社ワグネルなどがバフムト制圧に向けて前進したとして話題に。それもあり、イタリア外務省では、ウクライナに滞在している自国民に対して「直ちに国外退避」するよう強く勧告したほか、戦闘激化を懸念しロシア占領下のザポロジエ原発が一部の稼働を停止したと伝えられていた。なお、それとは別に18日に期限切れを迎える「黒海経由の穀物輸出合意」だが、延長が疑問視されている。ウクライナ復興省によると、すでに「ロシアが入港する船舶の登録を拒否」しており、事実とすれば履行破棄の行為ともいえよう。続報などにも注意を払いたい。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は先週示現した137.78円と133.50円で、目先のレンジ上下限ともに達成した感も否めない。実際、先週末5日の米雇用統計の発表後、本日東京に至るまでの値動きをみると134.60-135.30円といったレンジ取引をたどっていることが見て取れる。さすがに足もとの70ポイントレンジは少し狭い感じがするものの、それでもいましばらくは135円挟み、1円レンジ程度のなかでの一進一退が続く可能性あるだろう。
注目されていた日米欧の政策金利発表を先週までに消化するなか、市場で注目されている要因のひとつは明10日発表される米消費者物価指数の内容と、日本時間では10日早朝になる「バイデン米大統領と議会指導部による債務上限をめぐる協議」か。後者は6月1日にも「行き詰まる」可能性が取り沙汰されているものの、バイデン氏は安易な妥協に否定的な見解を示しており、協議は難航しそう。大きな進展は予想しにくく、ドルの買い要因になりにくい気がするが果たして実際にはどうなるだろうか。

テクニカルに見た場合、先週のドル/円が短期的なドル高値と安値を示現した感があり、目先の方向性を欠いている。前記した米消費者物価指数の発表など、明日のNY時間に注目材料を控えていることもあり、短期的には基本それにらみ。居心地の良さそうな134-135円台を中心とした往来相場をしばらく続ける可能性もある。
ただし、上方向なら200日線も位置する137円レベル超え、下方向は一目均衡表の先行帯の雲などが位置する133円レベルを下回れば次の方向性がハッキリするかもしれない。

本日は米経済指標として、週間ベースのレッドブック小売売上高などが発表されるものの、それほど重要視はされていない。ただ、NY連銀総裁の講演や、上記で指摘したロシアの戦勝記念日に関連した様々な動きなどにも一応要注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは134.40-135.50円。ドル高・円安方向は昨日高値の135.30円が最初の抵抗で、超えれば136円台乗せをうかがう展開も。
対するドル安・円高方向は、時間足など短期ベースでは強いサポートになっている134.60-70円の攻防にまずは注目。ただ、割り込んでも少し下には21日線が位置しており、底堅そうなイメージだ。

基本はレンジか、明朝の米債務上限協議注目

ドル円日足


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