東京市場のドルは135円前後の小動き、米債務上限問題の解決は5月末頃?
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、135円前後での小動きとなった。昨夜の債券市場で、米2年債利回りが4%台に乗せたことでドルは多少買われたが、目立った売買材料に欠けたことから135円前後での方向感に乏しい地合いに。米株式市場もナスダック総合指数、NYダウが高安まちまちだったことから、為替市場は静かな推移となった。
東京時間もこの流れを引き継ぎ、上下の値幅は40銭ほどに留まった。日銀の植田総裁が、衆議院財務金融委員会にて「持続的・安定的に2%が達成されるという見通しに至った場合、現在の長短金利操作をやめ、その後、バランスシートの縮小という作業に取り掛かっていきたい」との考えを示したことで135円は割り込んだが、市場では当たり前の見解との見方から強いドル売り材料とはならなかった。
なお、株式市場では、昨夜の米ハイテク株上昇に伴い、アドバンテスト、東エレクトロンなど値嵩の半導体関連株が上昇。日経平均はじり高の展開となり、年初来高値を更新して取引を終えた。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:134円99銭
高値:135円32銭
安値:134円88銭
終値:134円90銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:148円54銭
高値:148円69銭
安値:148円26銭
終値:148円29銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:91円56銭
高値:91円75銭
安値:91円41銭
終値:91円43銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:170円33銭
高値:170円63銭
安値:170円16銭
終値:170円24銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:29020円63銭
高値:29262円36銭
安値:29020円63銭
終値:29242円82銭
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
21時30分、米、ジェファーソンFRB理事が討論会に出席
25時05分、米、ウィリアムズNY連銀総裁が講演
29時00分、米、バイデン大統領が共和党幹部と債務上限巡り協議
※予定は変更することがございます。
【テクニカル分析】
日足ベースのドル・円をボリンジャーバンド(20日移動平均線(MA)、±2σ)で確認すると、バンド下限の−2σ水準で下影(3月24日安値129円65銭)を残した後は反発。4月末の日銀金融政策決定会合後の数日、+2σを上回る強い動きは見られたが、3月8日の戻り高値137円92銭手前で失速した
日足の一目均衡表では、雲上限(132円74銭)を明確に上放れており、「三役好転」が示現していたものの、200日MA(137円01銭)の水準は維持できず。20日MA(134円53銭)と9日MA(135円32銭)でのもみ合いとなっている。
一方、3月24日安値を起点とした下値支持線がきれいに確認できることから、下値をじりじりと切り上げ、3月高値(137円92銭)と5月高値(137円78銭)クリアを試す展開とも読み取れる。
今晩の海外市場では、日本時間29時から行われるバイデン大統領と共和党幹部による米債務上限問題の協議で何かしらの落としどころをつけ、債務不履行に陥るリスクが回避される可能性はあろう。ただ、民主党と共和党がチキンレースを演じている米債務上限問題は、Xデーが6月1日頃とまだ20日以上あることから、今晩の協議で問題解決は難しい。民主党、共和党ともに、「こじれにこじれ、米国だけではなく世界に影響をもたらす直前で、手を差し伸べる」シナリオの主演を演じたいはずだ。つまり、今しばらくは、米債務上限問題が、ドルの上値を抑える要因となろう。
今晩の海外市場は、10日に重要指標である米消費者物価指数(CPI)の発表も控えていることから積極的な売買は手控えられよう。改めて米債務上限問題が影響してドル軟調な地合いを想定する。本日の上値メドは、東京時間の高値135円32銭、下値メドは20日MA水準を少し下回る134円40銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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