米雇用統計注視、ドル上値は重そうだが・・・
〇ドル円、雇用統計の発表にらみで積極的な売買は手控えられ133.85-134.25レンジで一進一退
〇ECBが0.25%の利上げ実施、日米の政策と比較して金利面ではユーロが志向されやすいか
〇テクニカルには21日線(134.15円前後)をザラ場ベースで一時下回り、再び下方向へのリスク強まる
〇本日注目の雇用統計の非農業部門雇用者数はプラス18.5万人程度が予想
〇欧米時間のドル円予想レンジは133.00-135.00
<< アジア市場の動き >>
5日のアジア市場はレンジ取引。134円挟みの一進一退で方向性は乏しかった。
ドル/円は134.25-30円で寄り付いたものの、基本は揉み合い。東京休場のなか、NY時間に発表される米雇用統計の発表にらみで積極的な売買は手控えられている。133.85-134.25円といったなかで一進一退をたどるなか、16時現在では134.10円前後で推移し、欧米市場を迎えていた。
なお、そうしたなか夕方に「石川県能登で震度6強の地震発生」と伝えられ一時騒然。しかし津波の心配なし、原発への影響もなかったとされ、影響は取り敢えず限定的だった。
一方、材料的に注視されていたものは「米金融不安」と「欧州金融政策」について。
前者は、米紙WSJが「米地銀、売り圧力やまず」と報じるなか、実際4日のNYではパックウェスト・バンコープなどに売りが集中する展開となった。それもあり、ロイターでは米連邦・州当局が「銀行株に関する市場操作の可能性について一段と注意を払っている」と伝えていたようだ。一方、前日に「異常な預金流出は生じていない」との表明を余儀なくされたウエスタン・アライアンスについて、英紙FTが「身売りの可能性」を示唆。それに対し、同行は再び「事業売却は検討していない」と発表している。いずれにしても、米国発の金融不安はまだまだ予断を許さない。
対して後者は、昨日欧米時間にECBが「0.25%の利上げ」を発表している。事前予想どおりの上げ幅で、またそののちラガルド総裁から、インフレ抑制に向け利上げを「停止しない」、「なおやるべきことがあると認識している」などとした発言も聞かれていた。日銀総裁が黒田氏から植田氏へと変わっても大きな政策転換がうかがえない日本、少なくとも次回以降利上げ打ち止めの可能性が高いとみられる米国と比べてみても、金利面ではユーロが志向されやすい。発表される経済指標をにらみつつだが、対円などでユーロ高傾向はまだしばらく続く可能性もある。
<< 欧米市場の見通し >>
4月26日の133.02円を目先安値に137.78円まで4.7円ほどの上昇をたどったドル/円だったが、昨日安値は133円半ばとほぼ全戻しに近いレベルまで下落している。チャートの波形を見ても完全なる「行って来い」でドルの上値は重いと考えられるものの、このあとまだ米雇用統計の発表を控えているだけに予断を許さないだろう。好数字となった場合などには、ドルが改めて買い進まれる可能性もないではない。
先週末の日銀からはじまった日米欧それぞれの中銀による政策金利の発表を消化。先でも取り上げたように、単純な金利差などを加味した場合、ユーロがもっとも強く次いでドル、そして円という順序になりそうだ。ただ、再燃している米国発の金融不安、そして米債務上限問題が波乱要因でドル高の足かせとなっている。このあとの欧米時間は米雇用統計の発表に注意しつつ、金融不安をめぐる情勢、関連ニュースなどにも十分な注意を払いたい。
テクニカルに見た場合、ドル/円は過去1週間程度で4.7円もの上昇をたどったものの、そのうち4.2円をすでに吐き出してきた。率にすれば9割程度の戻しであり、ほぼ「行って来い」と言ってよい。それもあり、移動平均では遥か下方に位置していた21日線(134.15円前後)をザラ場ベースで一時下回る局面も観測されるなど、再び下方向へのリスクをうかがえはじめたことは気掛かり。米雇用統計の結果次第ながら、来週にかけてドルはさらなる下値を試す展開もありそうだ。
本日は米経済指標として、4月の雇用統計や3月の消費者信用残高が発表される予定となっている。ちなみに、もっとも注視される雇用統計の非農業部門雇用者数はプラス18.5万人程度が予想されている。また、それとは別にセントルイス連銀総裁の講演なども予定され、米国を中心とした要人発言にも一応要注意だ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは133.00-135.00円。ドル高・円安方向は昨日高値を含めた135円前後の攻防にまずは注目。超えれば135円後半や136円を目指す展開も。
対するドル安・円高方向は、昨日のドル安値133円半ばがなかなか強いサポートか。また、それとは別に134.15円前後に位置する21日線をNYクローズで維持できるかなども注視されている。
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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