ドル円、上昇後に反落するなど方向感に欠ける展開。本日は一連の米経済指標に注目(4/25朝)

週明け24日(月)のドル円相場は上昇後に反落。

ドル円、上昇後に反落するなど方向感に欠ける展開。本日は一連の米経済指標に注目(4/25朝)

ドル円、上昇後に反落するなど方向感に欠ける展開。本日は一連の米経済指標に注目

〇ドル円、植田日銀総裁のハト派発言、シカゴ連銀全米活動指数の好調に米国時間にかけ134.74まで上昇
〇買い一巡後はダラス連銀製造業活動指数の不冴え等に134.30レベルに反落
〇ユーロドル、一時高値1.1050まで上昇、域内指標好調、ECB関係者のタカ派発言に底堅い
〇ドル円、三役好転、21日線と90日線のゴールデンクロス成立し、テクニカルの地合い強い
〇ファンダメンタルズもFRB年内利下げ観測、日銀早期緩和修正観測双方の後退がドル円を支援
〇但し、米金利高止まりは実質金利上昇に伴う米経済のオーバーキルと表裏一体で要注意
〇今週の日銀金融政策決定会合での植田総裁のサプライズ的なタカ派転換の思惑も排除できず
〇短期的にも中長期的にも、ドル円相場の下落をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:133.50ー135.00

海外時間のレビュー

週明け24日(月)のドル円相場は上昇後に反落。アジア時間朝方にかけて、安値133.90まで下げ幅を広げるも、前週末金曜日に記録した安値133.55をバックに下げ渋ると、(1)本邦輸入企業の実需のドル買いや、(2)日経平均株価の底堅い動き(リスク選好の円売り圧力)、(3)植田日銀総裁による「物価の基調はまだ2%を下回っているので緩和を継続する」とのハト派的な発言、(4)米3月シカゴ連銀全米活動指数(結果▲0.19、予想▲0.20)の市場予想を上回る結果が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値134.74まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(5)米4月ダラス連銀製造業活動指数(結果▲23.4、予想▲12.0、前回▲15.7)のネガティブサプライズや、(6)米金利低下に伴うドル売り圧力、(7)対ユーロでのドル売り圧力が重石となり、本稿執筆時点(日本時間4/25午前4時50分現在)では、134.30前後まで反落する動きとなっております。

週明け24日(月)のユーロドル相場は堅調な値動き。欧州時間朝方にかけて、安値1.0966まで下げ幅を広げるも、一巡後に下げ渋ると、(1)ベルギー中銀ウンシュ総裁による「賃金の伸びが鈍化しなければ利上げを継続する」「ある時点で中銀預金金利を4%にしなければならないとしても驚きはない」とのタカ派的な発言や、(2)ドイツ4月IFO企業景況感指数(結果93.6、予想93.4、前回93.3)の市場予想を上回る結果、(3)パネッタECB専務理事による「地政学的リスクがインフレ率を押し上げている」とのタカ派的な発言、(4)シュナーベルECB専務理事による「来週のECB理事会で50bpの利上げの可能性を排除しない」とのタカ派的な発言、(5)欧州債利回り上昇に伴うユーロ買い圧力、(6)米金利低下に伴うドル売り圧力が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値1.1050まで上昇しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間4/25午前4時50分現在)では、1.1044前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円3/24に記録した直近安値129.65をボトムに反発に転じると、4/19に一時135.13まで急伸しました(その後も134円台を中心に底堅い動きが継続中)。日足・ローソク足が主要テクニカルポイント(一目均衡表基準線や転換線、90日移動平均線や21日移動平均線)の上側で推移していることや、強い買いシグナルを示唆する「一目均衡表三役好転」「21日移動平均線と90日移動平均線のゴールデンクロス」が実現していること、4時間足ベースでも強い買いシグナルを示唆する「一目均衡表三役好転」「強気のパーフェクトオーダー」が成立していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは強いと判断できます。

こうした動きの背景には、(1)米FRBによる年内利下げ観測の後退(CFTCが公表した最新データによるとヘッジファンドの米10年債ネットショートが過去最高水準を更新→米金利上昇・米ドル買い)と、(2)日銀による金融緩和の早期修正観測の後退(植田日銀総裁による金融緩和継続を示唆する発言→円売り)の組み合わせが挙げられます(投機筋による日米金利差拡大に伴うドル買い・円売り)。但し、前者(1)については、実質金利上昇に伴う米経済のオーバーキルと表裏一体になっているため、過度な楽観は禁物と考えられます。事実昨日は、米4月ダラス連銀製造業活動指数が市場予想を大幅に下回るネガティブサプライズを記録しました。

本日発表される一連の米経済指標(米2月住宅価格指数や、米4月リッチモンド連銀製造業指数、米3月新築住宅販売件数、米4月コンファレンスボード消費者信頼感指数)が冴えない結果となれば、上記で示したヘッジファンドポジション(米債ショート、米ドルロング)の巻き戻しが誘発され、米金利低下→米ドル売りの経路でドル円が一気に下げ足を速めるシナリオも想定されます。また、後者(2)についても、先週末金曜日に発表された本邦のコアコアCPIが力強さを示したことで、今週末に予定されている日銀金融政策決定会合や植田日銀総裁定例会見でのサプライズ的なタカ派転換の思惑(植田劇場の幕開け)を完全には排除できない状況となっています。当方は、「米FRBによる年内利下げ+日銀による早期緩和修正」の組み合わせを想定しているため、短期的にも中長期的にも、ドル円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします。尚、4/22よりブラックアウト期間に突入済みであるため、今週は米当局者発言が予定されておりません。

本日の予想レンジ:133.50ー135.00

注:ポイント要約は編集部

ドル円、上昇後に反落するなど方向感に欠ける展開。本日は一連の米経済指標に注目

ドル円日足

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