東京市場のドル・円はじり安、米2年債利回りに振らされる地合い継続
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、ドル売り優勢の地合いとなった。昨晩の海外市場では、破綻した米シリコンバレー銀行を米地銀のファースト・シチズンズが買収すると米連邦預金保険公社が正式に発表したことから金融システムへの不安が和らぎ、ドル・円は131円75銭まで上昇した。
ただ、東京市場では、日足の一目均衡表の雲下限で上げ一服となったことや、年度末に絡んだ実需の円買いとみられるフローに押され、昨晩のドル上昇分が剥落。時間外の債券市場で、米2年債利回りが3.89%程度まで利回りが縮小したことも影響して、ドルは130円台半ばまで押し戻される格好となった。
なお、上昇して取引を開始した日経平均も、軟調なドルにつられて失速。前日終値水準での小動きとなった。27300円台から27400円台にかけては、50日移動平均線(MA)、100日MA、200日MAが集中していることから、この水準で様子見姿勢を強める投資家が多くなっているようだ。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:131円45銭
高値:131円46銭
安値:130円51銭
終値:130円71銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:141円96銭
高値:141円97銭
安値:141円04銭
終値:141円28銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:87円45銭
高値:87円46銭
安値:87円19銭
終値:87円38銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:161円54銭
高値:161円54銭
安値:160円74銭
終値:160円95銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:27573円82銭
高値:27603円45銭
安値:27518円25銭
終値:27432円76銭
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
17時45分、英、ベイリー英中銀総裁、米シリコンバレー銀行破綻についての議会証言
21時30分、米、卸売在庫(前月比)、前回:−0.3%、市場予想:−0.1%
22時15分、欧、ラガルドECB総裁、「イノベーションハブ」出席
23時00分、米、バーFRB副議長、米上院銀行委員会に出席
23時00分、米、リッチモンド連銀製造業指数、前回:−16.0、市場予想:−8.0
23時00分、米、コンファレンスボード消費者信頼感指数、前回:102.9、市場予想:101.2
※予定は変更することがございます。
【テクニカル分析】
日足ベースのドル・円をボリンジャーバンド(20日移動平均線(MA)、±2σ)で確認すると、拡大するバンド下限の−2σ水準で下影(3月24日安値129円65銭)を残している。バンドが拡大していることや、日足の一目均衡表の雲下限である131円81銭を明確に下放れていることなどから、ドル売りのバイアスは強まりそうな状況にある。また、9日MA、20日MA、100日MAも全て下向きとなっていることからトレンドは弱いと考える。
日足の一目均衡表の雲下限が目先の上値抵抗ラインとして意識されているが、3日後の3月31日には、雲のねじれを迎える。転換線や基準線の方向性を確認する必要はあるが、雲のねじれとともにトレンドが替わる可能性、つまり、ドル売りのトレンドからドル買いのトレンドに転換するかもしれない。
今晩の海外市場は、引き続き金融システムへの不安を横目に見る展開となろう。米債券利回りの動向を注視する地合いは変わらない。一部市場関係者は、「今晩のバーFRB副議長の証言原稿には「金融規制は強化の方向」とある。規制強化は米景気減速につながるため、米景気減速懸念がさらに意識されればドル買いは難しい」とコメントしている。米金利先高感が再燃しにくい状況下では、積極的なドル買いは手控えられよう。
今晩の海外市場は、多少ドル買い戻しが入るかもしれないが、130円割れを試すような展開も想定しておきたいところ。本日の上値メドは東京時間高値の131円46銭、下値メドは心理的な節目である130円00銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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