ドルは1ヵ月ぶり131円台、続落にも要注意
〇本日のドル/円、寄りつきの133.75レベルが日中高値、夕方には133円割れ、その後もドルの戻りは鈍い
〇昨日は1ヵ月ぶりの131円台示現、ドルのさらなる続落にも一応要注意
〇来週のFOMCを控え、米経済指標の内容に要注意、金融システム不安の再燃も材料的に気掛かり
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは132.20-133.80
〇ドル高・円安方向は本日の東京高値の133.80レベルが最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は132円半ば前後に弱いサポートが位置するが、割り込めば132円を下回るか
<< 東京市場の動き >>
17日の東京市場はドルが小安い。それほど大きな値幅ではなかったが、「寄り付き高・大引け」に近い展開だった。
ドル/円は寄り付いた133.75円レベルを日中高値に右肩下がり。米金利の低下などを材料に、夕方に掛けてジリジリと値を崩す展開をたどると、夕方には133円割れへ。その後もドルの戻りは鈍く、16時現在ではそのままドルの安値圏132.85-90円で推移し、欧米市場を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは「欧米銀の経営危機」と「ECB金融政策」について。
前者は、米SVB破綻に端を発した金融システム危機がスイスの金融大手クレディ・スイス(CS)に飛び火し、経営危機観測も浮上している。そんななか、昨日はCSとスイスの金融大手UBSが合併するといった噂も飛び交っていたようだ。そしてブルームバーグでは、関係者の話として「強制的な合併に反対している」などと報じていた。一方、先日株価が一日で70%近い暴落をたどる局面も観測されていた米ファースト・リパブリックについて、JPモルガン・チェースなど複数の大手銀行が合計で約300億ドルの支援を実施すると伝えられたことも別途話題に。
対して後者は、前述したCSの経営危機もあり、ECBによる金融政策がいつも以上に注視されていたものの、結果的に政策金利の0.5%引き上げを発表。一部では0.25%への利上げ幅縮小予想も取り沙汰されていたことで、金融市場へのサプライズとなった。また、今後についても「インフレ率は高過ぎる水準に過度に長くとどまる」といった見通しを示す一方で、「現時点で金利の道筋をコメントするのは不可能」と明言を避ける内容だった。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円相場は昨日1ヵ月ぶりの131円台を示現するなど、直近安値を一時更新。ドルの続落が懸念されている感を否めない。ちなみに、年初来安値127.22円を起点にした上げ幅の半値押しはすでに下回っていることから、フィボナッチの観点からすると次のターゲットは61.8%押しにあたる131.30円か。昨日安値を下回り、ドルがさらに続落する展開にも一応要注意だ。
日米金融政策への関心が依然として高い。このあと欧米時間については、来週予定されているFOMCに関する思惑などをにらみつつ、発表される米経済指標の内容にまずは注意を払いたい。ただ、それよりも一時的には和らいでいる感もある金融システム不安の再燃がやはり気掛かり。なお、そうした視点からすると、このあと実施される財務省と金融庁、日銀によって実施される3者会合の内容にも一応要注意だ。
テクニカルに見た場合、ここ数日のドル/円はザラ場ベースではドルが目先安値を更新する展開ながら、NYクローズではなかなかの戻しを演じており、ドルの下値リスクがさらに高まっているとも言いにくい足形。むしろドルの底堅さを感じられるほどだ。もちろん、ドルの上値が重いことは確かながら、132円半ばなどではドル売りにも慎重さが必要とも思われる。
本日は米経済指標として、2月の鉱工業生産や3月のミシガン大学消費者信頼感指数速報などが発表される予定となっている。米金利情勢については猫の目のように、見通しが頻?に変わるが、本日も米指標内容次第ではまた変化が生じる可能性も。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは132.20-133.80円。ドル高・円安方向は本日の東京高値にあたる133.80円レベルが最初の抵抗。超えると134.10-20円に位置する移動平均の90日線がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、132円半ば前後に弱いサポートが位置するものの、割り込めば132円を下回り、昨日安値131.72円が意識されそうだ。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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