ドル円、暴落後の反動で持ち直す展開。市場予想を上回るコアCPIもドル買いで反応(3/15朝)

14日(火)のドル円相場は堅調な値動き。

ドル円、暴落後の反動で持ち直す展開。市場予想を上回るコアCPIもドル買いで反応(3/15朝)

ドル円、暴落後の反動で持ち直す展開。市場予想を上回るコアCPIもドル買いで反応

〇ドル円、米金利上昇、欧米株の反発、米2月CPIコアの堅調に米国時間に134.90まで上昇
〇ユーロドル、米金利上昇と独長期金利低下等に1.0679まで下落後株価反発で1.07台前半を回復
〇ドル円、上方に複数のテクニカルポイント並び、システミックリスクと米引き締め後退観測くすぶる
〇預金者救済措置の資金問題、強まるFRBの政策への批判等もドル円の重石に
〇引き続き、ドル円相場の下落をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:133.00ー135.00

海外時間のレビュー

14日(火)のドル円相場は堅調な値動き。アジア時間朝方にかけて、安値133.04まで下げ幅を広げるも、心理的節目133.00をバックに下げ渋ると、(1)急ピッチな下落に対する反動(自律反発)や、(2)米金利上昇に伴うドル買い圧力(米2年債利回りが昨日記録した3.93%から4.39%へ急上昇。米10年債利回りも昨日記録した3.41%から3.68%へ急上昇)、(3)円金利低下に伴う円売り圧力(本邦10年債利回りが昨年8月以来の低水準となる0.17%へ急低下)、(4)欧米株の持ち直し(前日急落した米ファーストリパブリックバンクの株価が大幅上昇→リスク回避ムード後退→リスク選好の円売り再開)、(5)米2月消費者物価コア指数(結果+0.5%、予想+0.4%、※前月比)の市場予想を上回る結果が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値134.90まで反発しました。もっとも、買い一巡後に伸び悩むと、引けにかけて反落し、本稿執筆時点(日本時間3/15午前5時45分時点)では、134.21前後で推移しております。

14日(火)のユーロドル相場は下落後に持ち直す展開。(1)米金利上昇に伴うドル買い圧力や、(2)ドイツ長期金利低下に伴うユーロ売り圧力(今週木曜日に予定されているECB理事会で利上げ幅が当初想定の50bpから25bpに引き下げられるのではないかとの思惑)が重石となり、欧州時間朝方にかけて、安値1.0679まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(3)欧州債利回りの反転上昇(ドイツ10年債利回りが2.18%から2.45%へ急上昇)や、(4)欧州株の堅調推移が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値1.0749まで反発しました。引けにかけて反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間3/15午前5時45分時点)では、1.0733前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は3/8に記録した約3ヵ月ぶり高値137.90をトップに反落に転じると、3/13に一時132.28まで急落しましたが、昨日は一転、一時134円台後半まで持ち直す動きとなりました。但し、(1)上方に複数のレジスタンスポイントが並んでいること(戻り売りが出易いチャート形状)や、(2)依然として米銀発のシステミックリスクが燻っていること(悪影響が米国内に留まらずグローバルに波及する恐れがあること→世界的なリスクオフ再開への警戒感)、(3)上記2を背景とした米FRBによる金融引き締め後退観測(米政府・米当局がインフレより景気下支えの優先に舵を切るとの思惑→来週開催される米FOMCでの50bp利上げ観測が消滅→現在は「据え置き」の織り込み度合が22.5%、25bp利上げの織り込み度合が77.5%)、

(4)米債務上限問題の再発懸念(米財務省による預金者救済措置の影響で政府資金が枯渇する可能性があるとの思惑浮上)など、ドル円相場の下落を連想させる材料が増えつつあります。事実、通貨オプション市場ではリスクリバーサルが円コールオーバーで高止まりするなど、ダウンサイドリスクへの警戒感が続いております。また、昨日はエリザベス・ウォーレン米上院議員が「パウエルFRB議長の行動がシリコンバレーバンクとシグネチャーバンク破綻の直接的な要因となった」とFRBを批判する発言を行いました(FRBが金融引き締めを続けづらい環境が到来)。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします(直近1ー2ヵ月のように「米金利上昇→米ドル買い」といったシンプルな波及経路は想定しづらく、今後は、米金利が上昇したとしても、「米金利上昇→米株下落→リスク回避の円買い」の迂回経路でドル円に下押し圧力が加わる恐れあり)。

尚、本日は中国の主要経済指標(中国2月小売売上高、中国2月鉱工業生産、中国2月固定資産投資)に加えて、米国の主要経済指標(米MBA住宅ローン申請指数、米3月ニューヨーク連銀製造業景況指数、米2月小売売上高、米2月生産者物価指数、米3月NAHB住宅市場指数)も複数予定されているため、経済指標結果に揺さぶられる不安定な動きが続きそうです。

本日の予想レンジ:133.00ー135.00

注:ポイント要約は編集部

ドル円、暴落後の反動で持ち直す展開。市場予想を上回るコアCPIもドル買いで反応

ドル円日足

オーダー/ポジション状況

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る