ドル円、年初来高値更新後に急落するなど荒々しい値動き。上昇トレンドの継続を想定(3/9朝)

8日(水)のドル円相場は年初来高値更新後に急落するなど乱高下。

ドル円、年初来高値更新後に急落するなど荒々しい値動き。上昇トレンドの継続を想定(3/9朝)

ドル円、年初来高値更新後に急落するなど荒々しい値動き。上昇トレンドの継続を想定

〇ドル円、パウエルFRB議長の議会証言でのタカ派発言等に東京時間午後にかけ137.90まで急伸
〇その後は米リセッション懸念の台頭と金米利の低下、パウエル議長の火消し発言に136.48まで急落
〇ユーロドル、東京午後に1.0525まで下落後、上記要因で一時1.0574まで反発
〇ドル円、「最後の砦」200日移動平均線を突破、テクニカルの地合い極めて強い
〇ファンダメンタルズも日米名目金利差拡大観測がドル円をサポート
〇ドル高トレンドの継続をメインシナリオとして予想するが、本日はイベント前で方向感見出しづらいか
〇本日の予想レンジ:136.50ー138.00

海外時間のレビュー

8日(水)のドル円相場は年初来高値更新後に急落するなど乱高下。(1)パウエルFRB議長による前日海外時間のタカ派発言(パウエル議長は半期に一度の議会証言で「最新の経済データは予想以上に強く、最終的な金利水準が従来の予想よりも高くなる可能性が高いことを示唆している」「データ全体が引き締めペースの加速を正当化すれば、利上げペースを加速させる用意がある」と発言)や、(2)上記1を背景とした米長期金利の急上昇(3/21ー3/22FOMCでの50bp利上げを織り込む動き→米2年債利回りが5.08%まで急上昇した他、米10年債利回りも4.00%へ急上昇)、(3)短期筋の大規模ロスカット(200日移動平均線突破に伴う仕掛け的なドル買い・円売り)が支援材料となり、アジア時間午後にかけて、年初来高値137.90(昨年12/15以来の高値圏)まで急伸しました。

しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(4)短期間で急騰した反動(利食い売り)や、(5)逆イールド発生(米2年債利回りが米10年債を上回る現象)に伴う米経済のリセッション懸念、(6)米金利低下に伴うドル売り圧力(米10年債利回りが4.00%から3.90%へ急低下)、(7)パウエルFRB議長による「利上げペースについては何も決定していない」との前日の火消し発言(下院金融委員会での議会証言)が重石となり、米国時間午後にかけて、安値136.48まで急落しました。もっとも、売り一巡後に下げ渋ると、引けにかけて持ち直し、本稿執筆時点(日本時間3/9午前6時00分時点)では、137.25前後で推移しております。尚、昨日発表された米2月ADP雇用報告(結果+24.2万人、予想+20.0万人、前回+10.6万人)および、米1月JOLT雇用動態調査(結果1082.4万件、予想1054.6万件、前回1101.2万件)は共に市場予想を上回る力強い結果となりましたが、ドル買いでの反応は限定的となりました。

8日(水)のユーロドル相場は下落後に持ち直す展開。(1)パウエルFRB議長による前日のタカ派発言や、(2)米金利上昇に伴うドル買い圧力が重石となり、アジア時間午後にかけて、安値1.0525まで急落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(3)急ピッチな下落の反動(自律反発)や、(4)米金利低下に伴うドル売り圧力、(5)欧州株の底堅い動き、(6)ドイツ1月鉱工業生産(結果3.5%、予想1.5%)の力強い結果、(6)パウエルFRB議長による「利上げペースについては何も決定していない」との前日の火消しとも受け止められる発言が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値1.0574まで反発しました。もっとも、買い一巡後に伸び悩むと、引けにかけて反落し、本稿執筆時点(日本時間3/9午前5時00分時点)では、1.0545前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は一時137.90まで急伸するなど、昨年12/15以来、約3ヵ月ぶり高値圏へと急伸しました。ローソク足が最後の砦として意識されていた200日移動平均線を突破した他、強い買いシグナルを示唆する「一目均衡表三役好転」「ダウ理論の上昇トレンド」も継続しており、テクニカル的に見て、地合いは極めて強いと判断できます(数日以内に21日移動平均線と90日移動平均線のゴールデンクロスも実現見込み)。また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)米FRBによる金融引き締め長期化の思惑(パウエルFRB議長によるタカ派的な発言に加えて、米雇用関連指標も力強さを維持→来週の米FOMCで50bpの利上げに踏み切った後、5月、6月のFOMCでも25bpの利上げに踏み切る構え→ターミナルレートの上方修正)や、(2)日銀による金融緩和の長期化観測(今週末金曜日の日銀会合はサプライズなしとの見方)、(3)上記1、2を背景とした日米名目金利差拡大観測(円キャリートレードに伴うドル買い・円売り)など、ドル円相場の続伸を連想させる材料が揃っています。

以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル高・円安トレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします(テクニカル的にもファンダメンタルズ的にもドル円相場の上昇を示唆)。尚、本日は米2月チャレンジャーレイオフ調査や、米新規失業保険申請件数、バーFRB副議長講演、米30年債入札、バイデン米大統領の予算教書などが予定されておりますが、翌日に今週のメインイベントとして注目されている日銀金融政策決定会合(黒田総裁最後の会合)および、米2月雇用統計(非農業部門雇用者数、失業率、平均時給)が控えているため、上下しつつも方向感を見出すには至らないと予想いたします(アジア時間、海外時間共に様子見ムードが広がる可能性大)。

本日の予想レンジ:136.50ー138.00

注:ポイント要約は編集部

ドル円、年初来高値更新後に急落するなど荒々しい値動き。上昇トレンドの継続を想定

ドル円日足

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