米指標に注目、内容悪化なら再びドル売りも(3/1夕)

1日の東京市場も値動きは乏しい。136円前半における30ポイント強というレンジ取引で、ドルは高止まりの様相。

米指標に注目、内容悪化なら再びドル売りも(3/1夕)

米指標に注目、内容悪化なら再びドル売りも

〇ドル円、136円前半30ポイント強のレンジ取引、ドルは高止まりの様相
〇2月のドル/円相場は、月間変動幅8.83円
〇今夜、2月製造業PMI確報値や同ISM製造業景況指数など注目度の高い米経済指標が発表予定
〇ドル高円安方向は東京高値の136円半ばが最初の抵抗、超えると昨日高値136.92や137円がターゲット
〇ドル安円高方向は昨日安値135.73をめぐる攻防に注目、底堅いが、割り込むと予断を許さない
〇欧米時間のドル/円予想レンジは135.60-136.80

<< 東京市場の動き >>

1日の東京市場も値動きは乏しい。136円前半における30ポイント強というレンジ取引で、ドルは高止まりの様相。

ドル/円は136.20円レベルで寄り付いたものの、基本的に動意は乏しい。前日のNY時間に1円を超える上下動をたどったことの反動からか非常に静かな値動きで、目立った動きは観測されなかった。途中、中川日銀審議委員が講演で「当面は金融緩和維持する」と発言したと伝えられたものの、新味に欠けたことで市場の反応はとくになし。16時現在では136.30-35円で推移し欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは「米中の対立構造」と「G20外相会合」について。
前者は、米エネルギー省がいまさらのように明らかにした「新型コロナの発生源、武漢のウイルス研究所から流出した可能性が高い」との分析について、中国外務省が猛反論。また、それ以外でも米紙WSJが報じた「バイデン政権、ファーウェイへの輸出許可取り消しを検討」、米国務省高官が発した「中国衛星会社が露ワグネルに衛星画像を提供している」など、両国の関係悪化懸念が新たに示されていた。さらに、米国務長官は「対ロシア制裁に違反すれば、米政権は中国企業や個人への制裁措置をためらうことはない」と言明しており、今後の対立深化などには要注意だ。

対して後者は、インドで3月1-2日に開催されるG20外相会合をめぐる話題が幾つか観測されていた。出欠については、日本の林外相が国会審議優先で欠席。代わりに山田外務副大臣が派遣される見通しになった反面、中国は秦外相が出席する旨を表明している。そのうえで中国は「G20外相会合が多国間主義に前向きなシグナルを送るようすべての関係者と協力する用意がある」とした決意表明を述べていた。なお、主要な議題は「ウクライナ戦争や米中の緊張の高まり」とされるなか、昨年7月の同外相会合では欧米がウクライナ戦争を強く非難したことに反発。ロシアのラブロフ外相が途中退席するという事案が発生している。

<< 欧米市場の見通し >>

昨日終了した2月のドル/円相場は、月間変動がなんと8.83円。「2022年3月以降のドル/円月間変動幅は平均で約8円」も動いてきたが、年が変わった2023年に入って以降も、その流れは続いている。そうしたなか、本1日付の日経新聞のマーケット欄では「浮上する1ドル=140円説」と報じていたが、前述したような動きからすると必ずしも否定出来ない。少し長めのスパンながら、さらなるドル高の進行にも一応注意しておきたい。
先週末から昨日にかけて実施された「日銀正副総裁候補の所信聴取と質疑」を受け、早期の金融政策修正観測は大きく後退していたが、本日東京時間にも中川日銀審議委員から「当面は金融緩和維持する」との発言が聞かれていた。ダメ押しを食った格好だ。一方、米国は逆に予想よりも利上げが続くとの見方が優勢となっているものの、昨日発表された2月の消費者信頼感指数などは予想を下回っている。基本は発表される米経済指標の内容や要人発言などに一喜一憂しつつも、悪数字が続くようなら流れが再びドル安方向へとバイアスを掛けることになりかねない。

テクニカルに見た場合、ドル/円は昨日一時137円に迫る展開をたどるも、移動平均の200日などに上値を阻まれた。ただ、下値は135円後半に位置する同90日線がしっかりとサポートしており底堅い雰囲気。つまり、移動平均では90日線と200日線に上下をしっかり挟まれた値動きをたどっており、逆に言えばそれをどちらに抜けていくのかが注目されている。昨日調整的な下押しが入ったとはいえ、ポジション的にはまだドルロング。底割れすれば、下落も早いといった声も聞かれていた。

本日は米経済指標として、2月の製造業PMI確報値や同ISM製造業景況指数など注目度の高い指標が発表されるほか、先で指摘したように2日までの日程でインドにてG20外相会合が開催される見通しだ。出席者による2国間会合などを含め、要人発言にも一応要注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは135.60-136.80円。ドル高・円安方向は東京高値にあたる136円半ばが最初の抵抗。超えると昨日高値136.92円や137円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、移動平均の90日もさほど遠くない昨日安値135.73円をめぐる攻防にまずは注目。底堅いイメージだが、割り込むと予断を許さない。

米指標に注目、内容悪化なら再びドル売りも

ドル円日足

注:ポイント要約は編集部

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