ドル円、年初来高値更新後に反落するも下値は堅い。本日は2月分の米経済データに注目
〇ドル円、前週末の米PCEコア好調からの米長期金利上昇にアジア時間早朝に136.55まで上昇
〇その後は材料出尽くし感や、米1月耐久財受注の不冴えに米国時間に一時136円割れ
〇ユーロドル、欧州時間朝方にかけ安値1.0533まで下落後1.06台を回復
〇ドル円、200日移動平均線に続伸を阻まれ反落するもテクニカルの下値余地は限定的
〇ファンダメンタルズも、日米金利差拡大の思惑強まり、ドル円相場の上昇をサポート
〇本日2月の米指標発表多く、直近の米経済の実情確認のため要注目
〇本日の予想レンジ:135.50ー137.25
海外時間のレビュー
週明け27日(月)のドル円相場は年初来高値更新後に反落。前週末金曜日のドル高(市場予想を上回る米1月PCEデフレータ→米FRBによる金融引き締め再加速観測→米長期金利急上昇→米ドル独歩高)の流れを引き継ぐ形で、アジア時間朝方にかけて、約2ヵ月ぶり高値136.55(昨年12/20以来の高値圏)まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと(200日移動平均線をバックに戻り売り圧力が強まると)、(1)急ピッチな上昇に対する反動売り(利食い売り)や、(2)本邦輸出企業の実需のドル売り、(3)植田日銀総裁候補による参議院での所信聴取の無難な結果(植田次期総裁候補は「現在日銀が行っている金融緩和政策は適切」と前週末金曜日の衆議院での発言内容とほぼ同じ→材料出尽くし感)、
(4)米1月耐久財受注(結果▲4.5%、予想▲4.0%)の不冴な結果、(5)米長期金利の急低下(米10年債利回りが3.97%から3.89%へ急低下)が重石となり、米国勢参入後に、安値135.93まで反落しました。もっとも、売り一巡後に下げ渋ると、(6)ジェファーソンFRB理事による「現在のインフレは高すぎる」「米国の労働市場は非常に好調」とのタカ派的な発言や、(7)米長期金利の低下幅縮小(米10年債利回りが3.89%から3.92%へ上昇)が支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間2/28午前5時00分現在)では136.21前後で推移しております。
週明け27日(月)のユーロドル相場は堅調推移。前週末金曜日のドル高の流れを引き継ぐ形で、欧州時間朝方にかけて、安値1.0533まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(1)欧州株の堅調推移や、(2)欧州債利回り上昇に伴うユーロ買い圧力(ECBによる金融引き締め長期化観測を織り込む動き→独10年債利回りが約12年7ヵ月ぶり高水準となる2.58%へ急上昇)、(3)米1月耐久財受注の不冴な結果、(4)米長期低下に伴うドル売り圧力が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値1.0619まで反発しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間2/28午前5時00分現在)では、1.0609前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円はアジア時間朝方に年初来高値136.55まで上値を伸ばすも、200日移動平均線に続伸を阻まれる形で海外勢参入後に反落しました。但し、ダウンサイドに複数のサポートポイントが並んでいることや、強い買いシグナルを示唆する一目均衡表三役好転が本日ついに点灯すること、ダウ理論の短期上昇トレンドのはじまりが意識されていること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは強い(下値余地は限定的)と判断できます。また、ファンダメンタルズ的に見ても、米FRBによる金融引き締め再加速観測や、日銀による金融緩和の継続観測、上記を踏まえた日米金利差拡大とそれに伴う円キャリートレード再開の思惑など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。
事実、英国の大手銀行ナットウェスト社は次回3月FOMCでの利上げ予測値を従来の25bpから50bpに引き上げると共に、5月および6月も25bp利上げを実施し、ターミナルレートが5.75%に達するとのタカ派的な見方を示しました(※米金利スワップ市場は次回3月FOMCでの50bp利上げ確率を1週間前の0%の状態から25%超まで織り込む動き→米金利急上昇→米ドル買い)。こうした中、本日は米2月シカゴ購買部協会景気指数(23:45)や、米2月リッチモンド連銀製造業指数(24:00)、米2月消費者信頼感指数(24:00)など、米国の最新データ(2月分のデータ)に注目が集まります。市場では、力強さを見せた1月分の経済データは「単なる季節要因なのではないか?」との見方も燻っているため、米経済が本当に「強い」のか否かを確認する意味でも、今晩の米経済指標に注目したいと思っています(市場予想を上回る結果となれば、米経済データが2ヵ月連続で強いことが証明されるため、季節要因による一時的なブレとの見方が後退し、米ドルが一段と上昇する恐れあり)。
また、本日は上記以外にも、今年1/9に就任したシカゴ連銀グールズビー総裁の発言に注目が集まります。同氏はハト派と見られているため、仮にタカ派的な発言が見られる場合には、米金利上昇→米ドル高の経路でドル円に上昇圧力をもたらす恐れがあり注意が必要でしょう。
本日の予想レンジ:135.50ー137.25
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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