ドル円見通し 135円到達後の調整局面、134円割れを買われて確り(23/2/21)

2月17日夜の135円到達後の上昇一服感で2月20日夜には133.91円まで下げたが、134円割れは繰り返し買い戻されて21日早朝には134円台前半へ戻して確りしている。

ドル円見通し 135円到達後の調整局面、134円割れを買われて確り(23/2/21)

ドル円見通し 135円到達後の調整局面、134円割れを買われて確り

〇ドル円、2/20は米休場で手掛かりに欠けたが、135円到達後の上昇一服感で2/20夜133.91まで下げる
〇その後134円割れは繰り返し買い戻され、2/21早朝に134円台前半へ戻して確り
〇米長期債利回り、休場明けの2/21午前序盤は総じて反発
〇ドル円は10/21高値151.94から1/16安値127.21までの下落幅の、半値戻しへ進めるか試す週に
〇133.91以上での推移中は上昇余地ありとし、134.70超えからは2/17夜高値135.10試しを想定する
〇133.91割れからは、133円前後を試す下落を想定する

【概況】

2月20日は米国市場がプレジデンツデーで休場のため手掛かりに欠けたが、2月17日夜の135円到達後の上昇一服感で2月20日夜には133.91円まで下げたが、134円割れは繰り返し買い戻されて21日早朝には134円台前半へ戻して確りしている。
2月14日の米CPI、2月15日の米小売売上高、2月16日の米PPIが予想を上回ったことによりFRBの利上げ回数増加や利上げ継続期間の長期化への懸念が優勢となり2月17日夜にかけてはドル高が進行、ドル円は2月17日夜に135.10円に到達して1月16日安値127.21円以降の高値を更新、1月6日高値134.77円を超えて年初来高値を更新した。ユーロドルは2月17日安値で1.0611ドルをつけて2月2日高値1.1033ドル以降の安値を更新した。しかし2月20日の米国市場休場による連休前を挟んだポジション調整からドル高が一服となりドル円は134円割れへいったん下落、ユーロドルも20日夕刻には1.070ドルをつけるなどややドル安での推移となった。

2月21日は夕刻から欧米のPMI改定値、ドイツZEW景況指数、1月米中古住宅販売、22日未明にかけては米2年債入札、23日早朝には米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨公開と続く。今週の焦点は2月24日の日銀新総裁による国会所信表明と24日夜の米個人消費支出(PCE)デフレーターとなるが、2月2日以降のドル高が一巡してドル安へと傾斜するのか、ドル高再開へ向かうのか、その際に日銀新総裁所信表明によりドル円が円安へ向かうのか円高へ舵を切るのかも重要となってくる。
2月24日にかけては市場もやや慎重な動きを取りやすいとみるが、24日のイベントを通過した上で3月へ向けた方向性も決まってゆくのだろうと思われる。

【米長期債利回りは上昇で再開模様】

2月20日の米債券市場は休場だったが、休場明けの2月21日午前序盤は米長期債利回りが総じて反発している。長期金利指標の米10年債利回りは2月17日に前日比0.05%低下の3.82%とし、一時は3.93%をつけて1月19日の3.32%以降の最高値として昨年11月以来の水準へ戻していたところから失速したのだが、21日午前序盤には3.85%近辺へ上昇している。
30年債利回りは2月17日を前日比0.05%低下の3.87%で終了し、一時は3.97%をつけて1月19日の3.49%以降の最高値としたところから失速していたが、21日午前序盤は3.89%近辺へ戻している。
利上げに敏感な2年債利回りは2月17日を前日比0.01%低下の4.64%で終了し、一時は4.72%をつけて昨年11月以来の高水準としたところから失速していたが、21日午前序盤は4.66%近辺へ戻している。

2年債利回りは2月2日に4.04%まで低下したが、2月3日の米1月雇用統計で就業者が予想の3倍近い増加となったことと失業率改善及び平均時給の高止まりにより反騰に転じ、2月14日の米CPI上昇率が予想を超え、16日の米PPIも予想を超えたことで反騰を継続してきた。昨年11月4日に4.88%で当面のピークを付け、FRBの利上げペース減速により大幅に低下してきたものの、インフレの高止まりから再上昇で11月4日高値水準を再び試す流れへと進んできている。2月22日早朝のFOMC議事録がタカ派姿勢の場合や24日の米PCEデフレーターが予想を上回る上昇率となるなら2年債利回りはさらに騰勢を強め、ドル高をけん引する可能性があると考える。

【ドル円は3分の1戻しを超えて半値戻しへ進めるか試す週に】

ドル円は2021年1月6日底102.57円から2022年10月21日高値151.94円まで上昇幅が49.37円となる歴史的な大上昇だったが、今年1月16日安値127.21円まで24.73円の下落幅となり大上昇の凡そ半値を削ったところから持ち直しを試している。
1月16日安値までの下げ幅に対する3分の1戻しが135.45円で2月17日高値でこれに迫ったものの一歩届かずに調整安となったが、3分の1戻しラインを超えれば半値戻しの139.57円を目指す可能性も高まるところだ。そのためには2月24日の日銀新総裁所信表明を通過して円安基調を維持するか一時的な円高反応でも早々に切り返すことと、2月24日夜の米PCEデフレーター発表をドル高優勢で通過する必要がある。

逆に135円台までの戻りにとどまり、133円割れへ失速するようだと、1月16日からの戻りが一巡しての下落再開感が強まることになりかねない。日銀新総裁の所信表明で黒田総裁時代の「異次元金融緩和」に対する是正姿勢が強く示されれば昨年10月にかけての歴史的な円安基調の再現へは向かわず、昨年10月高値を起点とした円高基調での推移が続くとの見方が強まり、1月16日安値割れへ向かう可能性も高まると思われる。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

ドル円は2月14日夜の米CPI発表後の乱高下から133円台到達へと一段高したため、2月10日夕安値129.79円を起点とした上昇期の継続として2月17日にかけて上昇を想定したが、2月17日夜高値で目先のピークをつけて調整安に入った。しかし2月20日夜の134円割れから切り返しているため、2月20日夜安値を押し目として既に新たな上昇期に入っている可能性がある。134.70円以下での推移中は一段安余地ありとし、2月20日夜安値133.91円を割り込む場合は24日夜にかけての下落を想定する。ただし、134.70円超えからは上昇再開の可能性を優勢して2月17日高値135.10円試しとし、高値更新からは新たな上昇期入りとして24日夜にかけての上昇を想定する。

60分足の一目均衡表では2月17日夜高値からの反落で遅行スパンが悪化したがその後の持ち直しにより好転しやすい位置にある。先行スパンからもいったん転落したがその後も持ち直しで上抜き返しやすい位置にある。このため先行スパン突破からは上昇再開の可能性ありとみて遅行スパン好転中の高値試し優先とするが、2月20日夜安値133.91円割れからは両スパンそろっての悪化が顕著となるので遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。

60分足の相対力指数は40ポイントを繰り返し試したところから50ポイント台後半へ上昇しているので上昇再開に入っている可能性があるとみる。再び50ポイントを割り込むところからはもう一段安へ進む可能性があるとみて40ポイント前後への低下を想定するが、60ポイント超えからは70ポイント台を試す上昇を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、133.91円を下値支持線、134.70円を上値抵抗線とする。
(2)133.91円以上での推移中は上昇余地ありとし、134.70円超えからは2月17日夜高値135.10円試しを想定する。135円前後では戻り売りも出やすいとみるが、全般ドル高優勢の流れで135.10円を超える場合は135円台後半へ向かう上昇期入りと考える。また134.70円を超えた後も134円台を維持するか直前高値から1円を超える反落が発生しないうちは22日も高値試しへ向かいやすいとみる。
(3)133.91円割れからは133円前後を試す下落を想定する。133円前後は買い戻しも入りやすいとみるが、133.91円を割り込んでの推移なら22日も安値試しが続きやすいとみる。

【当面の主な予定】

2/21(火)
休場、ブラジル、ロシア
プーチン・ロシア大統領、年次教書演説
17:30 (独) 2月 製造業PMI・速報値 (1月 47.3、予想 48.0)
17:30 (独) 2月 サービス業PMI・速報値 (1月 50.7、予想 51.0)
18:00 (欧) 2月 製造業PMI・速報値 (1月 48.8、予想 49.3)
18:00 (欧) 2月 サービス業PMI・速報値 (1月 51.0)
18:30 (英) 2月 製造業PMI・速報値 (1月 47.0、予想 47.5)
18:30 (英) 2月 サービス業PMI速報値 (1月 48.7、予想 49.2)
19:00 (独) 2月 ZEW景況感 (1月 16.9、予想 22.0)
19:00 (欧) 2月 ZEW景況感 (1月 16.7)

23:45 (米) 2月 製造業PMI・速報値 (1月 46.9、予想 47.1)
23:45 (米) 2月 サービス業PMI・速報値 (1月 46.8、予想 47.5)
24:00 (米) 1月 中古住宅販売件数・年率換算 (12月 402万件、予想 410万件)
24:00 (米) 1月 中古住宅販売件数 前月比 (12月 -1.5%、予想 2.0%)
27:00 (米) 財務省2年債入札

2/22(水)
06:45 (NZ) 1月 貿易収支 (12月 -4.75億NZドル)
08:50 (日) 1月 企業向けサービス価格指数 前年同月比 (12月 1.5%、予想 1.5%)
09:30 (豪) 10-12月期 賃金指数 前期比 (7
9月 1.0%、予想 1.0%)
10:00 (NZ) ニュージーランド中銀 政策金利 (現行 4.25%、予想 4.75%)
16:00 (独) 1月 消費者物価指数(CPI)・改定値 前月比 (速報 1.0%、予想 1.0%)
16:00 (独) 1月 消費者物価指数(CPI)・改定値 前年同月比 (速報 8.7%、予想 8.7%)
18:00 (独) 2月 IFO企業景況感指数 (1月 90.2、予想 91.1)
28:00 (米) 米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨
27:00 (米) 財務省5年債入札


注:ポイント要約は編集部

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