ドル円、上値重そうだがドルに続伸リスクも (23/02/06)

週明け6日の東京市場はドルが小じっかり。

ドル円、上値重そうだがドルに続伸リスクも (23/02/06)

ドル円、上値重そうだがドルに続伸リスクも

〇ドル円、日経の報じた「日銀総裁人事」等にギャップアップして始まり一時132円台半ばに上昇
〇後に同報道を鈴木財務相が否定し、131円挟みの展開に
〇先週末の米雇用統計強く、ドル円強気派がやや盛り返す、リスクはドル高方向バイアスか
〇テクニカルにはレンジ上限の131.58を上抜け、ドル高方向に展望開けた感も
〇本日欧米時間のドル円予想レンジ131.10-132.50

<< 東京市場の動き >>

週明け6日の東京市場はドルが小じっかり。一時132円半ば近くまで値を上げる局面も観測されていた。

週末は米国で発見された謎の気球をめぐり情報が交錯。政治問題にまで発展する大騒ぎとなった。一方、日経新聞が報じた「日銀総裁人事」報道が思惑を呼び、週明け早々から円絡みの相場は波乱含みに。

そうした状況下、ドル/円は前週末のNYクローズからギャップアップした132円台で寄り付いたのち、一時132円半ば近くまで値を上げる展開。NZ市場が休場となるなか、前述した日経新聞報道が材料視されていたという。しかし、鈴木財務相が「人事は何も聞いていない」などと報道を否定したことで再び円買い戻しの動きも。結局、132円挟みの値動きをたどるなか、16時現在では131.85-90円で推移、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは「日銀総裁人事」と「中国偵察気球騒動」について。
前者は、週末のテレビ番組で木原官房副長官から、黒田日銀総裁の後任人事について「一番適切な方を岸田首相が選ぶ。金融が安定し、マクロ政策が安定していくことが重要だ」との発言が聞かれるなか、日経新聞が「政府、雨宮氏に就任を打診」と報じ、本日早朝の時間外取引から思惑を呼ぶ。ただ、鈴木財務相が「聞いていない」と早々に火消しに動いたこともあり、取り敢えずは沈静化した感も。ただ、このあとも折に付け市場で話が蒸し返される可能性は否定できず、予断を許さない。

対して後者は、米国で中国のものとされる「偵察気球」が発見され大騒動に。自国の一部を気球が通過したことを問題視したカナダでは「中国大使の召喚」を発表したほか、米国では5-6日に予定されていた米国務長官の訪中が延期となるなど、外交問題にまで発展している。なお、米国はそののち東岸沖で気球を撃墜。残骸を回収することを明らかにしたが、これら一連の行動に中国外務省が猛反発。ホームページ上で「強烈な不満と抗議を表明する」と表明したうえで、対抗措置の導入を示唆していたようだ。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は先週末に発表された予想以上の好数字となった米雇用統計の発表を受けても、1月18日高値131.58円にはとどかず。ドルの上値は想像以上に重いと考えていたのだが、日経新聞による日銀総裁人事報道を受けて、一気に132円半ば近くまで値を上げている。そののちドルは反落、本稿執筆時は131円台後半まで押し戻されていることはやや気掛かりながら、リスクはドル高方向へとバイアスかかりそう。132円台へとしっかり乗せてくれば、次のターゲットは134円台か。
日米を中心とした金融政策を注視する向きが多いなか、米国については先週末の米雇用統計の好数字もあり、市場ではやや強気派が盛り返しつつあるようだ。それに対し、日本は前段で取り上げたように、日銀の正副議長人事とあわせ、政策修正期待は依然として根強いものがある。ちなみに、鈴木財務相は「聞いていない」と日経報道を否定したが、ロイターなどが報じているように「2月中に総裁人事を国会に提示する」ことはほぼ確実。つまり、それほど遠くないタイミングで決定される公算は大きく、いましばらく思惑の交錯した展開が続く見込みだ。

テクニカルに見た場合、ドル/円は形成していた大レンジの上限131.58円も上抜けており、ドル高方向への展望が開けた感がある。本日の東京高値である132円半ばを超えれば、一目均衡表の先行帯の雲の下限のほか複数のテクニカルポイントが位置する134円台がターゲットに。もちろん、一足飛びに試すといった展開ではないだろうが、ジリジリと下値を切り上げることになるかもしれない。それに対するドルのサポートは、本日早朝に空けた131円前半のギャップになる。

先週末は発表された米雇用統計が予想以上の好数字で相場の波乱要因となったが、本日はこれといった米経済指標の発表なし。市場の期待が高いなか、肩透かしを食らった格好だがまた明日以降の指標発表には要注意だ。またそれ以外、要人講演などの材料も総じて乏しく、やや動きにくそうな雰囲気も。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは131.10-132.50円。ドル高・円安方向は東京高値などが位置する132円半ばが最初の抵抗。超えると133円に接近する展開か。
対するドル安・円高方向は、前述した東京早朝に空け埋め切れていない131円前半のギャップをめぐる攻防にまずは注目。下回ると130円前後まで下押しが入っても不思議はない。

ドル円、上値重そうだがドルに続伸リスクも

ドル円日足

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