米FOMCなどによっては再び荒い値動きも(週報1月第5週)

先週のドル/円相場はレンジ取引。値幅は週間を通して2円強を記録したが、おおむね129-131円に収斂される値動きで方向性は乏しかった。

米FOMCなどによっては再び荒い値動きも(週報1月第5週)

米FOMCなどによっては再び荒い値動きも

〇先週のドル円、129-131円の2円レンジ内で小動き、129.85レベルで週末NYクローズ
〇今週は米FOMCなど注目材料を多数予定、週間を通し4-5円変動へ戻る可能性も
〇2/1予定の米FOMC政策金利発表、利上げ幅は0.25%へ縮小予想、将来的な利上げ休止有無も注視
〇春節明けとなる中国ファクターに関心集まる、新型コロナ感染拡大の実態は如何に
〇今週のドル/円予想レンジは128.00-132.00、ドル高・円安方向は移動平均21日線をめぐる攻防に注目
〇ドル安・円高方向は129.02がかなり強いサポート

<< 先週の回顧 >>

先週のドル/円相場はレンジ取引。値幅は週間を通して2円強を記録したが、おおむね129-131円に収斂される値動きで方向性は乏しかった。

前週末は、中国で春節(旧正月)休暇がはじまり、国民の大移動がそこここで話題に。一方、米国ではまたぞろバイデン大統領の「機密文書持ち帰り問題」が発覚。来年の米大統領選に向けての大きな足かせとなりつつある。
そうした状況下、ドル/円は129円半ばで寄り付いたものの、中国市場の休場なども影響したのか週間を通し積極的な売買は手控えられている。発表された米経済指標などに一喜一憂しつつも、129.02-131.12円と2円強のレンジ内での一進一退、往来相場で方向性はほぼうかがえなかった。結局週末NYは129.85円レベルで取引を終え、越週している。

一方、週間を通して注視されていた材料は、「露・ウクライナ情勢」と「中国情勢」について。
前者は、頑なに拒んでいたドイツがウクライナに「レオパルト2」戦車の供与をついに決定。続けて米国も主力戦車「エイブラムス」を供与することを決めている。そのほかスペインやフィンランド、カナダなどからも同様の動きが観測されており、一部報道によるとトータルで300両を超える戦車の供与になるという。ウクライナ軍の戦力がかなり拡充されそうな見通しだ。これに対し、ロシアサイドは、ペスコフ報道官が不快感を滲ませたうえで、「欧米の行っていることは、紛争への直接的な関与とみなされる行為」などと述べ強く反発していた。

一方、週間を通して注視されていた材料は、「露・ウクライナ情勢」と「中国情勢」について。
前者は、頑なに拒んでいたドイツがウクライナに「レオパルト2」戦車の供与をついに決定。続けて米国も主力戦車「エイブラムス」を供与することを決めている。そのほかスペインやフィンランド、カナダなどからも同様の動きが観測されており、一部報道によるとトータルで300両を超える戦車の供与になるという。ウクライナ軍の戦力がかなり拡充されそうな見通しだ。これに対し、ロシアサイドは、ペスコフ報道官が不快感を滲ませたうえで、「欧米の行っていることは、紛争への直接的な関与とみなされる行為」などと述べ強く反発していた。

対して後者は、中国の疾病予防センターで首席専門家を務める呉氏が、中国版ツイッター「ウェイボー」で、「人口のおよそ80%がすでに感染した」という見解を明らかにしたことが話題に。事実だとすれば人口14億人のうち11億人あまりが感染した計算になるなか、春節がはじまり民族大移動がはじまった。また別に中国当局は、懸念される新型コロナ感染拡大について「コロナ感染は昨年12月22日がピーク」と発表。そののち徐々に減少しており、春節期間の移動もとくに問題なしとの見方を伝えるなど、火消しに躍起となっていた。いずれにしても、その結果は今週以降徐々に明らかとなりそうで、金融市場関係者ならずとも注視している向きは少なくない。

<< 今週の見通し >>

ドル/円相場は2023年に入って以降、3週続けて4円以上の変動を記録していたが先週は先でも記したように129.02-131.12円のレンジ取引で2円強。今年初めての小動きとなった。しかし、これで相場が落ち着きを取り戻したと捉えることは時期尚早かもしれない。今週は米FOMCの結果発表をはじめ注目材料が目白押しで、むしろ荒っぽい変動に要注意だ。先週の小動きは嵐の前の静けさであり、今週は再び週間を通した4-5円変動へと戻る可能性もある。
日米金融政策が依然として市場の注目を集めるなか、今週はまず2月1日に予定されている米FOMCの政策金利発表が注視されている。ちなみに、利上げ幅は前回の0.50%から0.25%に縮小されるとの見方が有力。そんな金利の引き上げ幅についても注目だが、それとともに将来的な利上げ休止の是非について議論されるか否かといった面への関心も高いようだ。また別途、先でも指摘した春節明けとなる幾つかの中国ファクターにも注目。たとえば、そのひとつである新型コロナの感染拡大は果たしてどうなっているのだろうか。

テクニカルに見た場合、ドル/円はザラ場ベース一時的に超えることはあっても、NYクローズベースでは移動平均の21日線に上値をほぼ抑制される展開が続いている。昨年11月初旬以来、21日線がかなり強い抵抗となっている。そんな21日線は足もと130円半ばまでレベルを下げ、来週初めにかけては130円を割り込む公算も高まっている。一連の過程のなかで21日線に上値を阻まれドルは軟調に推移をするのか、それとも3ヵ月ぶりに「しっかり」と超えてくるのか、まずはその攻防に注目だ。なお、21日線をしっかり超えれば中期ターゲットとして135円が視界内に。

今週は、1月のISM製造業景況指数や同雇用統計など重要な米経済指標の発表が相次ぐ。それらは当然要注意なのだが、もっとも注視されているものはやはり米FOMCの結果発表だ。数値次第とはいえ、週間を通して上下に振れる荒っぽい展開も。

そんな今週のドル/円予想レンジは、128.00-132.00円。ドル高・円安については、緩やかな下降をたどる移動平均の21日線をめぐる攻防に注目で、超えると先週高値の131.12円や131.58円などが意識されそうだ。
対してドル安・円高方向は、先週安値である129.02円がかなり強いサポートか。割り込めば当然128円台入りが予想されるものの、それでも下値は堅いイメージ。

米FOMCなどによっては再び荒い値動きも

ドル円日足

注:ポイント要約は編集部

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