明確な方向性乏しい、レンジ取引継続の可能性も
〇本日のドル円、寄付130.20-25を高値に130円挟みの一進一退
〇米長期金利の上昇で夕方にかけ続伸、16時現在130.15-20で推移、欧米市場を迎えている
〇来週の米FOMCは波乱要因となりかねず要注意
〇ドル高・円安方向は移動平均21日線近くに位置する昨日高値130.62が最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は、本日東京安値129円半ばをめぐる攻防に注目
〇本日欧米時間のドル円予想レンジは129.20-130.70
<< 東京市場の動き >>
27日の東京市場は結果「行って来い」。一時129円半ばまで下押すも、そののち買い戻されると元のレベルまでドルは持ち直している。
ドル/円は、寄り付いた130.20-25円を高値にしてドルがじり安推移。日中安値の129円半ばまで一時値を下げている。しかし、下値も堅く攻め切れず。その後は130円挟みの一進一退をたどるなか、時間外で取引されている米長期金利の上昇もあり、夕方にかけてドルは続伸。16時現在では130.15-20円で推移、欧米市場を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは「米国情勢」と「ロシア情勢」について。
前者は、昨日発表された米経済指標はトータルとして良好。もっとも注視されていた10-12月期実質GDPも上振れしたが、市場の反応はいまひとつだった。そのため、市場のセンチメントがややドル安方向に傾斜しているといった指摘も聞かれていたという。一方、そうしたなかバイデン大統領がロシアによるウクライナ侵攻開始から1年となる来月、欧州を訪問することを検討していると報じられたほか、ブリンケン国務長官が29-31日にエジプトやイスラエルなど中東を歴訪する予定だと伝えられている。
対して後者は、米独やスペインなどによるウクライナへの戦車供給の動きに、カナダも追随。またフランスも、コロンナ外相がウクライナ南部オデーサを訪問し戦車供給を議論したと伝えられている。また、それとは別にロイターによると、「フランスとイタリアは、両国が共同開発したミサイル防衛システムをウクライナに提供することで最終決定に近づいている」という。今後の動きに注目だ。なお、前日に続く相次ぐウクライナへの武器支援を受け、ロシアサイドからはペスコフ報道官が「欧米の行っていることは、紛争への直接的な関与とみなされる行為」などと述べ、強く反発していた。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円相場はそれなりの値動きを示しているが、基本的にはレンジ内での往来。今週に入って以降形成している129-131円というレンジのなかの上下動で明確な方向性はうかがえない。本稿執筆時に推移している130.15-20円はちょうど中間地点と言ってよいレベルで居心地が良い。予断を許さないが、このあとも前述2円レンジのなかの変動にとどまる可能性もある。
日米金融政策が依然として注視されており、とくに来週に控えている米FOMCは波乱要因となりかねず注意が必要だろう。いずれにしても、米金融政策を見極めるうえで本日も引き続き発表される米経済指標が注視されているものの、市場はややハト派が優勢になりつつある感もうかがえ、米経済指標についても悪化した方のインパクトが大きい気もする。また、中国の新型コロナ感染拡大をめぐる報道や、ウクライナへの兵器支援問題なども場合によっては相場の波乱要因に。
テクニカルに見た場合、ドル/円は昨日も1.60円変動となかなかの値動きを記録したが、基本的にはレンジ内。今週の129-131円というボックス圏から放れることは出来なかった。このあともレンジが続く可能性を否定できないが、やや気掛かりなのが130円の半ば近くまで値を下げてきた移動平均の21日線をめぐる攻防だ。しっかり超えれば、その勢いのまま足もとの小レンジの上限である131円レベルも同時に突破することも。ドル高方向の展望が広がることになるのかもしれない。
本日は米経済指標として、12月のPCEデフレーターや1月のミシガン大学消費者信頼感指数確報などが発表される予定となっている。昨日は市場の反応が鈍かったものの、発表された米経済指標は全般的に良好。本日も良好な指標が続けば今度こそ市場はドル買いで反応する可能性も否定できない。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは129.20-130.70円。ドル高・円安方向は移動平均の21日線も近くに位置する昨日高値130.62円が最初の抵抗。抜ければ131円、正確にいえば131.12円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値129円半ばをめぐる攻防にまずは注目。下回ると今週だけで少なくとも2度下回れていない129円レベルが意識されそうだ。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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