ドル円、132円台での底堅い動きが継続中。本日は米CPIがメインイベント
〇ドル円、海外勢参入後に、高値132.88まで上昇、堅調な値動き
〇ユーロドル、高値圏で膠着商状、ECB関係者のタカ派発言相次ぎ、一時1.0776まで上昇
〇ドル円、今週は短期間で下落した反動から幾分持ち直す動きとなるもテクニカルの地合い弱い
〇ファンダメンタルズも日米金利差縮小への思惑強くドル円を圧迫
〇本日、米12月CPIの大幅低下によるドル円のダウンサイドリスク要警戒
〇本日の予想レンジ:130.75ー133.25
海外時間のレビュー
11日(水)のドル円相場は堅調な値動き。アジア時間朝方にかけて、安値132.07まで下げ幅を広げるも、一巡後に下げ渋ると、(1)本邦輸入企業の実需のドル買いや、(2)日経平均株価の堅調推移(リスク選好の円売り圧力)、(3)重要イベント(米12月消費者物価指数)を控えたポジション調整、(4)オプション市場の巨大ストライク132.50に向けたマグネット効果が支援材料となり、海外勢参入後に、高値132.88まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(5)米金利低下に伴うドル売り圧力が重石となり、本稿執筆時点(日本時間1/12午前5時00分現在)では、132.45前後で推移しております。
11日(水)のユーロドル相場は高値圏で膠着商状。欧州時間朝方にかけて、安値1.0726まで下げ幅を広げるも、一巡後に下げ渋ると、(1)欧州株の堅調推移や、(2)米金利低下に伴うドル売り圧力、(3)フランス中銀ビルロワドガロー総裁による「ECBは今後数カ月さらに利上げを行う必要がある」「夏までにターミナルレートに到達することを目指すべき」とのタカ派的な発言、(4)オーストリア中銀ホルツマン総裁による「インフレ期待が低下する兆しはない」とのタカ派的な発言、(5)フィンランド中銀レーン総裁による「金利は依然として大幅に上昇する必要がある」とのタカ派的な発言が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値1.0776まで反発しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間1/12午前5時00分現在)では、1.0760前後で推移しております。
本日の見通し
先週末金曜日に発表された米12月平均時給および米12月ISM非製造業景況指数が市場予想を大幅に下回ったことを受けて、市場では「インフレ鈍化に伴う実質金利上昇が早くも米経済に下押し圧力を加えつつある→米当局が近いうちに金融引き締め姿勢を緩めるだろう」との見方が広がり、ドル円は134円台後半から一時131.30まで急落する動きとなりました。今週は短期間で下落した反動から幾分持ち直す動きとなっていますが、アップサイドに複数のレジスタンスポイントが並んでいることや、強い売りシグナルを示唆する三役逆転が継続していること等を踏まえると、リスクは依然ダウンサイドと判断できます(足元の持ち直しは米CPIを控えたポジション調整)。
また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)米当局による金融引き締め休止観測(米FRBの狙いとは裏腹に市場では年後半にかけての利下げ開始が織り込まれる展開)や、(2)日銀による金融緩和の修正観測(1/10に発表された本邦12月東京都区部・消費者物価指数・生鮮食料品除くは40年8ヵ月ぶり高水準を記録。1/18に公表予定の展望レポートでインフレ見通しの上方修正がなされる公算大)や、(3)上記1、2を背景とした日米名目金利差縮小観測(円キャリートレード逆流の思惑→IMM通貨先物市場のネット円ショートがもう一段縮小する見込み)など、ドル円相場の下落を連想させる材料が揃っています。こうした中、本日は上記1の材料を確かめる上で、日本時間22:30に発表される米12月消費者物価指数に注目が集まります。1/9に発表された米12月マンハイム中古車価格指数の大幅低下(前年比▲14.9%)を見る限り、今回発表される米12月CPIは、前回、前々回同様、「逆CPIショック」に繋がる公算が大きく、発表後のドル円急落リスク(米金融引き締め休止観測再燃→米金利急低下→米ドル急落)が警戒されます。
状況次第では、1/3に記録した約7ヵ月ぶり安値129.51を試す展開も想定されるため、海外時間帯は、ドル円相場の大幅下落(ダウンサイドへのボラティリティ拡大)に注意が必要でしょう(通貨オプション市場でもリスクリバーサルが円コールオーバーで高止まりするなど、ダウンサイドリスクを織り込む動きが継続中)。尚、本日は米CPI以外にも、セントルイス連銀ブラード総裁発言や、リッチモンド連銀バーキン総裁発言、米12月財政収支などが予定されております。
本日の予想レンジ:130.75ー133.25
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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