明日の米消費者物価発表待ちで基本レンジか
〇本日のドル円、132円台前半を中心としたレンジ取引、米CPI発表を控え動意に欠ける
〇先週は1週間で5円超の変動、今週は131-132円台での小動きに落ち着く
〇米金融政策に関してタカ派発言でるも市場反応は限定的、ハト派への傾斜を期待か
〇12日発表の米12月CPI内容を注視、本日は米財務省10年債入札予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは131.60-132.80、132.55-60が最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は132円をめぐる攻防に注目
<< 東京市場の動き >>
11日の東京市場はレンジ取引。132円台前半を中心とした一進一退で、明確な方向性は乏しかった。
ドル/円は132.25円レベルで寄り付いたものの、積極的な動意に欠ける。12日に注目の米消費者物価指数の発表を控えていることもあってか、売買はおおむね手控えられていた。132円台前半を中心とした50ポイント程度と、やや狭いレンジのなかの往来相場で方向性もはっきりしない。16時現在では132.30-35円で推移し、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは「米国情勢」と「中国情勢」について。
前者は、昨日はパウエルFRB議長の講演が実施されたものの、期待されていた経済や政策の見通しについて直接の言及はなし。しかし、ボウマンFRB理事が「さらなる利上げが必要」と発言したうえで、「金利を景気抑制的な水準でしばらく据え置くべき」と述べたことが一部で話題となっていた。一方、それとは別に「イエレン米財務長官、バイデン氏による慰留を受け入れ」、「バイデン氏、副大統領時代に個人事務所にウクライナなどの機密資料保管」疑惑−−が報じられ、こちらも関心を集めていたようだ。
対して後者は、中国当局が、日本と韓国で中国渡航に必要なビザ(査証)の発給手続きを突然停止。中国当局は停止理由に加え、停止期間も明らかにしていない。ただ、新型コロナの感染拡大を懸念し、日韓が実施している水際対策強化への報復措置との見方が有力だ。なお、WHOの当局者は、各国が長距離航空便利用者へのマスク着用推奨を検討すべきとの見解を発表するなど、新型コロナをめぐる警戒感は対中以外でも逆に強まっている。
<< 欧米市場の見通し >>
先週一週間で5円を超える変動をたどったドル/円だが、今週月曜日の変動が約1.3円、昨日は1.1円と徐々に落ち着きを取り戻してきた。明12日に注目の米経済指標、12月の消費者物価指数の発表を控えていることもあり、足もとの小動きが長期化するかどうかは微妙なところ。しかし、それまでは131-132円台での一進一退をたどる可能性も。嵐の前の静けさか。
米金融政策への関心はいまだ高い環境下、前述したように昨日もボウマン氏からタカ派発言が聞かれていたが、やはり市場の反応はいまひとつ。市場はむしろハト派に傾斜、それを後押しするような弱気コメント待ちになっているのかもしれない。ともかく、まずは明12日に発表される米消費者物価指数の内容が注視されている。一方、それとは別に中国を中心とした新型コロナの感染拡大状況、そして昨日観測されたような中国によるビザの発給停止措置等の動きにも一応要注意だ。
テクニカルに見た場合、先週荒れ模様だったドル/円相場だが、今週はここまで落ち着いた動き。131-132円台での一進一退となっている。基本的にはレンジ取引の継続が見込まれるものの、いまだ取引が薄い状況なのか一旦動き始めるとスピードもかなり速い。油断は禁物だろう。9日高値132.65円を超えれば、再び133円台乗せが予想される反面、131.31円を下回ると130円割れに向けたドルの続落も。
本日は米経済指標として、MBA住宅ローン申請指数などが発表されるものの、正直市場の関心は高くない。ただ、それ以外でも米財務省による10年債の入札も実施される見込みであり、外遊中の岸田首相は英国でスナク首相との会談に臨む予定だ。決して材料は少なくない。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは131.60-132.80円。ドル高・円安方向は本日東京高値の132.55-60円が最初の抵抗。抜ければ132.65円、133円などを目指す。
対するドル安・円高方向は、東京で一度も割り込めなかった132円をめぐる攻防にまずは注目。下回ると131.31円が視界内に。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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