ドル円、7ヵ月ぶりの130円割れ、ドル下値余地拡大 (23/01/03)

3日のアジア市場はドルが一段安。

ドル円、7ヵ月ぶりの130円割れ、ドル下値余地拡大 (23/01/03)

ドル円、7ヵ月ぶりの130円割れ、ドル下値余地拡大

〇ドル円、薄商いの中一時131円台を回復するも反落し、6月以来の129円台に下落
〇強いサポートであった130円半ば、130円等下回り次の下値メドは5月安値の126.36
〇リスクがドル安方向に高まっていることは間違いない
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは129.00-130.70
〇本日アジア安値129円半ばをめぐる攻防にまず注目、下回るとさらなる円高進行も

<< アジア市場の動き >>

3日のアジア市場はドルが一段安。6月初以来となる7ヵ月ぶりの129円台を示現するなど、大幅なドル安が進行している。

ドル/円は130.70-80円で寄り付いたのち、東京休場の薄商いのなか日中高値131.40円レベルまで一時ドル高が進展。しかし滞空時間は短く、すぐに反転するとそのまま130円割れトライへ。割り込んだが、一旦は持ちこたえ130円台を回復したものの、すでに上値は重い。再びドル売り・円買いが強まるとそのままズルズルと129円半ばへ。16時現在でも129円台、129.85-90円で推移し欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは「ロシア情勢」と「北朝鮮情勢」について。
前者は、年末年始を迎えるなかロシア軍がウクライナに対し激しい戦闘を仕掛けていたことが明らかになった。ウクライナ軍はイラン製無人機(ドローン)を合計80機以上迎撃したと発表したものの、一方でインフラ施設が損傷し緊急停電も起きていたという。なお、そうしたなかEUとウクライナによる首脳会談が、同国の首都キーウで2月3日に行われる見通しと伝えられている。
対して後者は、年末年始の12月31日と1月1日に弾道ミサイルの発射を実施した北朝鮮。その金総書記が「新型ICBM開発と戦術核量産を指示した」などと伝えられるなか、韓国大統領から北朝鮮の牽制とみられる「米国の核戦力を『共同企画・共同演習』の概念で運用する案を議論している」との発言が聞かれ一時物議を醸す。しかし、そののちもう一方の当事者である米国のバイデン大統領が発言を明確に否定したという。いまのところ目立った動きはないが、今後北朝鮮が米韓関係の齟齬をつくような行動に出ないとも限られない。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は昨日、一時下値を試すも主要欧米市場の休場もあり攻め切れず。安値は130.63円までと、12月20日安値の130.57円、8月安値130.40円などを下回ることは出来なかった。しかし、東京休場の本日アジア時間にドル安が再燃。前述したように129円半ばまで値を崩す局面も観測されている。ちなみに、ドルの次の明確な下値メドは少し遠いが5月安値の126.36円。売られ過ぎの域に入っているものの、リスクがドル安方向に高いことは間違いないだろう。
昨年に続き今年もまずは日米を中心とした金利差、ならびにファンダメンタルズに市場の関心が高いようだ。そうしたなか米紙WSJは昨日、「米大手銀23行のエコノミストの3分の2以上が年内のリセッション入りを想定」などと伝えており、米景気そして金利上昇への警戒感が俄かに強まっている。一方、それとは別に休日明けで本日から取引に戻ってくる欧米市場筋の動意にも要注意だ。アジアの流れを継ぎ、まずは円買いで取引が始まる可能性もある。

テクニカルに見た場合、ドル/円は昨年8月安値などが位置しなかなか強いサポートであった130円半ば、そして130円も下回る展開となっている。後者については、まだ「しっかり」割り込んだとは言えないものの、リスクがドル安方向に高まっていることは間違いない。強い下値メドは126.36円で、中期的なターゲットだが、昨年来の相場をみると存外早く到達することも決してないとは言い切れない。思わぬスピードでのさらなるドル安進展にも一応要注意。

本日は米経済指標として、12月の製造業PMI確報値や11月の建設支発表などが予定されているうえ、バイデン氏の年末年始休暇が明けるなど、議会を中心とした2023年の米政治情勢もようやく動き出す。しばらくは動静をしっかりと見極めたい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは129.00-130.70円。ドル高・円安方向は130円レベルが最初の抵抗。抜ければ本日アジア高値の131.40円レベルを目指す。
対するドル安・円高方向は、本日アジア安値129円半ばをめぐる攻防にまず注目。下回ると軽いフリーフォール状態となり、ストップロスを巻き込みつつさらなる円高進行も。


注:ポイント要約は編集部

ドル円、7ヵ月ぶりの130円割れ、ドル下値余地拡大

年末年始ドル円の動き(12/30 14:00-1/3 17:00)
ドル円15分足

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