ドル円、一時129円台半ばへ急落するも、ショートカバー主導で海外勢参入後に急反発(1/4朝)

3日(火)のドル円相場は急落後に急反発。

ドル円、一時129円台半ばへ急落するも、ショートカバー主導で海外勢参入後に急反発(1/4朝)

ドル円、一時129円台半ばへ急落するも、ショートカバー主導で海外勢参入後に急反発

〇ドル円、3日アジア時間に131.40まで上昇後日米金利差縮小観測等に一時129.51まで急落
〇日経は12/31に日銀が1月会合で物価見通しの上方修正と政策修正に動く可能性があると報道
〇海外勢参入後は自律反発、ショートカバーに130円台後半を回復
〇ユーロドル、米金利低下に1.0684まで上昇後、低流動性下でのロスカットに1.0520まで急落
〇ドル円、昨年8/2安値130.40下抜け、中長期上昇トレンドが完全崩壊、地合い極めて弱い
〇ファンダメンタルズもドル円相場の下落を連想させる材料揃う
〇引き続き、ドル売り・円買いトレンドの継続をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:129.25ー131.75

海外時間のレビュー

3日(火)のドル円相場は急落後に急反発。アジア時間朝方に、高値131.40まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)米金利低下に伴うドル売り圧力や、(2)日銀による更なる金融緩和の修正観測(日本経済新聞社が昨年末12/31に報じた「日銀は1/17ー1/18の会合で物価見通しを上方修正すると共に政策修正に動く可能性がある」との観測報道)、(3)上記1、2を背景とした日米名目金利差縮小観測(円キャリートレード逆流の思惑)、(4)中国12月財新製造業PMI(結果49.0、予想49.1)の冴えない結果(好不況の分岐点となる50を5カ月連続で下回る冴えない結果)、(5)昨年8/2に記録した直近安値130.40や心理的節目130.00の下方ブレイク(失望売り→ロング勢のロスカット誘発)が重石となり、日本時間13時過ぎに、昨年6/2以来、約7カ月ぶり安値となる129.51まで急落しました。

もっとも、海外勢参入後は、(6)短期間で下落した反動(自律反発)や、(7)それに伴うショートカバー(俄かショートのロスカット)が支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間1/4午前4時00分現在)では、130.62前後で推移しております。

3日(火)のユーロドル相場は大幅下落。(1)米金利低下に伴うドル売り圧力を背景に、アジア時間朝方に、高値1.0684まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、年初相場で流動性が欠如する中、(2)ドル・ショートの大規模ロスカット(対主要通貨でのドル買い再開)と、(3)ユーロ・ロングの大規模ロスカットが重石となり、米国時間朝方にかけて、12/12以来、約3週間ぶり安値となる1.0520まで急落しました。もっとも、売り一巡後に下げ渋ると、引けにかけて持ち直し、本稿執筆時点(日本時間1/4午前4時00分現在)では、1.0556前後で推移しております。尚、昨日はドイツ連銀ナーゲル総裁より「インフレ率を2%の物価目標に戻す上で追加の金融引き締め措置が必要」とのタカ派的な見解が示された他、ラトビア中銀カザークス総裁からも「2月と3月に開く次回2回の会合で金利を大幅に引き上げる可能性がある」とのタカ派的な発言が見られましたが、ユーロ買いでの反応は限定的となりました。

本日の見通し

ドル円は12/28に記録した戻り高値134.50をトップに反落に転じると、昨日は一時129.61(約7カ月ぶり安値圏)まで急落しました。この間、市場参加者に意識されていた昨年8/2安値130.40を下抜けした他(ダウ理論の中長期上昇トレンドが完全崩壊)、強い売りシグナルを示唆する一目均衡表三役逆転も継続点灯するなど、テクニカル的に見て、地合いは「極めて弱い」と判断できます。ショートカバー主導で海外参入後に持ち直す動きとなりましたが、反発局面では売り遅れた勢力によるやれやれ売りが待ち構えている為、一巡後の反落リスクに注意が必要でしょう(上値余地は乏しく、反発局面は短命に留まる公算大)。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)米FRBによる金融引き締め休止観測(実質金利上昇に伴う米経済のオーバーキルを回避する目的でFRBは昨年12月に示したドットチャートより慎重なアクションを強いられる公算大。事実、アラン・ブラインダー元FRB副議長は時事通信社のインタビューに対して「米国のインフレ率が低下する中、FRBの利上げは現在の想定より小幅になる可能性がある」「政策金利のピークは5%に達さない見通し」と発言)や、(2)日銀による金融緩和の追加修正観測(昨年12/20のYCC見直しに続いて、本年1/18に開催される日銀金融政策決定会合で物価見通しの上方修正を行い、黒田総裁最後の3/10会合で追加的な政策修正を実施するとの思惑)、(3)上記1、2を背景とした日米名目金利差縮小観測とそれに伴う円キャリートレードのアンワインド懸念、(4)原油価格低下に伴う本邦貿易赤字の縮小観測(構造的な円売り圧力減退)、(5)米中対立激化懸念(約1年後の2024年1月に台湾総統選を控える中、2023年は台湾情勢を巡って米中対立関係が再び悪化するとの思惑)など、ドル円相場の下落を連想させる材料が揃っています。

テクニカル的にもファンダメンタルズ的にも悪材料目白押しの中、当方では引き続き、ドル売り・円買いトレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は正月明け本邦実需勢の動きや、日本時間24:00に発表される米12月ISM製造業景況指数、米11月JOLT雇用動態調査、日本時間明日早朝4:00に発表されるFOMC議事要旨など注目イベント目白押しとなる為、本日に続き、ボラティリティの高い不安定な値動きが続きそうです(年明け早々大きな損失を出さぬよう、年初滑り出しのタイミングでは慎重なポジションサイズ・マネジメントが肝要)。

本日の予想レンジ:129.25ー131.75

ドル円、一時129円台半ばへ急落するも、ショートカバー主導で海外勢参入後に急反発

ドル円日足

オーダー/ポジション状況

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