ドルの上値余地拡大、続伸にも一応要注意
〇本日のドル円、ドルが続伸し134.40レベルまで一時値を上げる、12/20以来の134円台を示現
〇ドルの上値を抑制していた133円前半から半ばを超え、さらなるドル続伸があるのか注視される
〇米経済指標の内容には引き続き要注意、ウィズコロナ政策へ転換した中国情勢への関心も高い
〇昨日までのクリスマス休暇が明け市場筋がマーケットに戻るため、各種需給要因にも注意
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは133.10-134.50、ドル高・円安方向は134.40レベルが最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は、133.50-60が目先の抵抗として育ちつつある感
<< 東京市場の動き >>
28日の東京市場もドルが続伸。20日以来の134円台を示現するなど、ドルは上値トライの様相だった。
ドル/円は133円半ばで寄り付いたのち、ドル買いが先行する展開。134円を超え、134.40円レベルまで一時値を上げている。市場では米金利の動きに一喜一憂するなか、香港株の堅調さなどを材料に挙げる向きもあった。ただ、目先高値をつけたのちは軟落。134円を再び割り込むような状況をたどるなか、16時現在では133.90-95円で推移、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは「日本の政治情勢」と「ロシア情勢」について。
前者は、先日の日曜日に自民党の萩生田政調会長が、いわゆる「防衛増税」について「衆議院の解散・総選挙で信を問うべき」との認識を示し話題となったが、それに対するアンサーなのか今度は岸田首相自身が「防衛費増額の財源として増税を始めるまでに衆議院選挙を行うことになる」との見通しを示していた。少し先までの話ではあるものの、今夏の参院選勝利で「黄金の3年間」を獲得。ある種盤石の状況下だが、それを反故にする格好で衆院選を前倒しするリスクが台頭したことになる。今後の動きに注目だ。なお、そうしたなか読売新聞は「日米首脳、来月13日にワシントンで会談実施へ」と報じ、一部部思惑を呼んでいた。
対して後者は、イタリアのメローニ首相がウクライナのゼレンスキー大統領と電話会談し、ウクライナに対する「全面的な支援」を再確認したと発表するなか、ウクライナ首相からは「ロシア軍は大みそかでも大規模攻撃する可能性はあり得る」とした発言が聞かれていた。今年も大詰めを迎えているが、まだまだ予断を許さない。一方、ロシアサイドからはプーチン大統領の最側近のひとりでもあるメドベージェフ前大統領から「来年にはドイツ・フランス間で戦争が起こり、米国では内戦が勃発する」とした根拠不明の発言が発せられていたうえ、ラブロフ外相は「ウクライナは降伏する必要がある」と指摘したうえで「さもなくば戦争は継続する」と述べていたという。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円は20日に示現した130.57円を目先安値にドルの戻り歩調。短期的には、ドルの上値を抑制している感も見られた133円前半から半ばをついに超え、本日東京時間には一時134円台も。起点を11月21日高値142.25円とすれば、下げ幅の23.6%戻しを超え次のターゲットは38.2%戻しにあたる135.00-05円か。さらなるドルの続伸があるのか否かがまずは注視されている。
「事実上の利上げ参加表明」を行った日銀をはじめとする各国金融情勢にマーケットは注目しており、そうした意味では本日も発表される米経済指標の内容には引き続き要注意。また、市場はそれとともに「ゼロコロナ政策」から「ウィズコロナ政策」へと転換した中国情勢への関心が極めて高いようだ。さらにいえば、現状は制限緩和を単純に歓迎する向きが多い気がするが、果たして「楽観ムード」は今後も続くのか。感染者拡大がさらに顕在化の動きをたどれば、歓迎ムードから一転する可能性もあるだろう。
テクニカルに見た場合、ドル/円は23日高値133.14円を含めた133円前半の目先抵抗を上抜け。本日東京では134円台まで達している。足もとはドルの戻り歩調で、リスクもドル高方向にバイアスか。フィボナッチポイントの135円レベルや移動平均の21日線が位置する135円半ばなどを目指し、ドルはさらなる高値トライも否定できないようだ。
ただ、昨日安値132.64円をたとえザラ場ベースでも下回るようだと、最初のトレンド変化となりそう。追随的なドル買いにも慎重さが求められる。
一方、本日は米経済指標として、12月のリッチモンド連銀製造業指数や11月の中古住宅販売成約指数などの発表が予定されているうえ、米財務省の5年債入札実施も。また、昨日までの欧米を中心としたクリスマス休暇がようやく明け、市場筋が満を持してマーケットに戻ってくるだけに各種需給要因にも注意しておきたいところだ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは133.10-134.50円。ドル高・円安方向は本日東京高値134.40円レベルが最初の抵抗。抜ければフィボナッチポイントなどにもあたる135円が見えてくる。
対するドル安・円高方向は、133.50-60円が弱いながらも目先の抵抗として育ちつつある感。しっかり下回ると昨日安値132.64円が意識されそうだ。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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