ドル円、堅調推移継続で134円台半ばを回復。日銀ショック後の半値戻しを達成済み
〇ドル円、日銀政策決定会合の主な意見で「金融緩和の必要性」示され134.40に上昇
〇買い一巡後米金利低下で133.40まで反落するも米指標好調に134円台前半を回復
〇ユーロドル、米金利低下に高値1.0675まで上昇するも米金利の反転に1.0611まで反落
〇ドル円、日銀ショック時の下落幅の半値戻しを約1週間かけて達成、地合い強い
〇但し、上方に複数のテクニカルポイント控え、短期線と長期線がデッドクロス、更なる上昇容易でない
〇ファンダメンタルズ的に見ても円キャリートレード逆流の思惑など、下落を連想させる材料揃う
〇引き続き、ドル売り・円買いトレンドの継続をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:133.00ー135.00
海外時間のレビュー
28日(水)のドル円相場は堅調な値動き。(1)日銀金融政策決定会合における主な意見で「金融緩和の必要性」が改めて示されたことや、(2)上記1を背景とした短期筋のショートカバー(円ロング勢のロスカット)、(3)本邦輸入企業の実需のドル買い(スポット月末応当日のドル買い・円売り)が支援材料となり、日本時間正午にかけて、高値134.40まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(4)米金利低下に伴うドル売り圧力(米10年債利回りが3.85%から3.80%へ低下)や、(5)俄かロングのロスカットが重石となり、米国時間朝方にかけて、安値133.40まで反落する場面も見られました。もっとも、売り一巡後に下げ渋ると、(6)米12月リッチモンド連銀製造業景況指数(結果+1、予想▲10、前回▲9)の力強い結果や、(7)米長期金利の反転上昇(米10年債利回りが3.80%から3.88%へ急上昇)が支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間12/29午前5時00分現在)では、134.38近辺(日通し高値近辺)まで持ち直す動きとなっております。
28日(水)のユーロドル相場は上昇後に反落。(1)米金利低下に伴うドル売り圧力や、(2)欧州債利回り上昇に伴うユーロ買い圧力、(3)上記1、2を背景とした欧米金利差縮小観測が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、12/15以来、約2週間ぶり高値となる1.0675まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(4)米経済指標の良好な結果や、(5)米長期金利の反転上昇、(6)欧州株の冴えない動きが重石となり、日本時間0時過ぎに、安値1.0611まで反落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間12/29午前5時00分現在)では、1.0617前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円は12/20に記録した約4ヵ月ぶり安値130.57をボトムに反発に転じると、昨日は一時134.40まで上昇しました。先週12/20に発生した日銀ショック(サプライズ的なYCC見直し)時の下落幅(137.48→130.57)の半値戻しを約1週間かけて達成する形となっており、「半値戻しは全値戻し」の格言に則れば、短期的な地合いは強いと判断できます。但し、上方に複数のレジスタンスポイントが並んでいることや、強い売りシグナルを示唆する一目均衡表三役逆転が継続していること、短期線と長期線のデッドクロスが実現していること等を踏まえると、ここからの更なる上昇は容易では無いと考えられます(ドル円・ショート勢のロスカットが一巡した後に反落に転じるシナリオを想定)。
ファンダメンタルズ的に見ても、日米金融政策の先行きに関する方向性の違い(利上げ最終局面の米国と、利上げ開始局面の日本との政策タイミングのズレ)や、それに伴う円キャリートレード逆流の思惑など、ドル円相場の下落を連想させる材料が揃っています。年明け以降に予定されている米FOMC議事要旨(1/4)や、日銀金融政策決定会合(1/18)に向けては、思惑主導でドル円のショートポジションが再構築される可能性が高いと見られることから、当方では引き続き、ドル売り・円買いトレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は米新規失業保険申請件数、米7年債入札が予定されております。
本日の予想レンジ:133.00ー135.00
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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