ドル円見通し 日銀ショック暴落からの持ち直しも5営業日を経過
〇ドル円、日銀ショックからの持ち直しを続け、12/27深夜に高値133.59をつける
〇中国の入国規制緩和見通し報道からリスク選好型展開となったこと、米長期債利回り上昇が背景
〇米長期債利回りは総じて上昇、NYダウは小幅上昇だがナスダックは下落
〇本邦2年債利回りが7年ぶりのプラス、日銀長期金利操作の許容変動幅の上限引き上げを反映
〇133円以上での推移中は上昇余地ありとし、133.70超えからは134円前後への上昇を想定する
〇133円割れからは、12/26午前安値132.30試しとする
【概況】
ドル円は12月20日の日銀ショックをきっかけとした暴落一服で12月21日未明安値130.56円からの持ち直しを続けている。日々ジリ高の推移で高値を徐々に切り上げ、安値も底上げを繰り返しており、12月27日は中国の感染対策における入国規制緩和見通しからリスク選好型の展開となったことや米長期債利回りが休場前から大幅上昇したことが押し上げ要因となり、27日深夜には高値で133.59円をつけて12月21日未明安値からは3.03円の上昇幅となった。
日銀ショックによる暴落前の高値が137.47円であり21日未明安値まで6.91円の下落幅だったため、27日深夜高値までは凡そ44%を戻した計算だが、まだ半値戻しの134.02円には届いていない。12月2日安値以降の高値である12月16日高値138.17円から21日未明安値までは7.61円の下げ幅であり27日深夜高値までの戻りは39.8%にとどまっている。5営業日をかけてジリ高で戻している状況だが、日銀ショックが落ち着いたとはいえ、黒田日銀による異次元金融緩和が出口へ向かい始めたとの認識は変わらず、当面の売り材料を消化したとして勢いある買い戻しには進めずにいる印象だ。
【休場明けの米長期債利回りが上昇】
中国が感染対策における入国規制を年明けから緩和する方針だと報じられたことで金融市場全般がリスクオン優勢となったために米国債が売られて利回りが上昇した。
長期金利指標の10年債利回りは休場前の12月23日から0.10%上昇の3.85%、30年債利回りは0.10%上昇の3.93%、2年債利回りは0.05%上昇の4.38%となった。
10年債利回りは10月21日に4.34%をつけて2020年以降の最高値としたところから12月7日に3.40%まで低下したが、その後は下げ渋りに入り12月16日から反騰入りしている。米FRBによる超ハイペースでの利上げ減速を織り込んでの低下が一巡し、利上げそのものの継続と利上げ期間の長期化を意識して反騰入りしてきた印象だ。
12月27日はECBによる0.50%ずつの利上げが当面続くのではないかとの見方が強まって独10年債利回りが0.11%上昇の2.50%となり2011年以来の最高値を更新、独2年債利回りは2.71%をつけて2008年以来の最高値となった。英FT紙がECB理事会メンバーであるオランダ中銀総裁が「2023年7月までの5回の理事会で0.50%利上げによるかなりしっかりとしたペースの引き締めを達成する」と述べたと報じられたことがきっかけだが、独債利回り上昇は米長期債利回り上昇にも波及する。
一方でNYダウは前週末比37.63ドル高と小幅上昇にとどまり、ナスダック総合指数は144.63ポイント安と下落した。中国の規制緩和に対する期待感はあるものの市中感染の爆発による先行き不透明感が拭えないことや米長期債利回り上昇への懸念を反映していると思われる。
米連邦住宅金融局(FHFA)による10月の全米住宅価格指数(HPI)は前年同月比9.8%上昇だったが2020年9月以来2年ぶりとなる一桁の伸びにとどまり前月比は横ばいだった。S&Pコアロジックによる10月のケース・シラー住宅価格指数(主要20都市)も8.6%上昇で9月の10.4%上昇から伸びが鈍化した。FRBの利上げにより住宅ローン金利が上昇していることが買い控えを招いているが、米国の30年固定型金利は昨年末に3%台だったところから今年10月には7%を超え、その後はやや落ち着いている。住宅不況はリーマンショック前のサブプライムローン破綻問題を連想させるものだ。
【本邦2年債利回りが7年ぶりのプラスに】
日本の新発10年物国債368回債利回りは12月27日に前日比0.015%上昇の0.455%となった。日銀ショックで0.480%まで上昇した後は落ち着いているものの高止まりの様相。 流通利回りは2年債が前日比変わらずの0.040%、5年債が0.005%上昇の0.240%、20年債が0.020%上昇の1.240%、30年債が0.030%上昇の1.535%となった。
12月27日に本邦財務省が実施した2年物国債入札では最高落札利回りが0.055%となり、凡そ7年ぶりのプラスとなった。1月5日に実施予定の10年物国債入札では表面利率が0.4%台後半から0.5%にかけての水準と見込まれているが、日銀の長期金利操作における許容変動幅の上限引き上げを反映している。
日本政府が12月23日に閣議決定した2023年度予算案においては国債発行残高が1068兆円となり、利払い費は8兆4723億円となる見通しだ。また国内大手銀行は来年1月の住宅ローン金利において固定型金利を引き上げる見通しであり、住宅市況の悪化も懸念される。
【60分足一目均衡表・サイクル分析】
ドル円は日銀ショックによる暴落一服で12月21日未明安値130.56円から戻り高値を切り上げつつ安値も徐々に底上げしてきている。既に5営業日のジリ高推移となっているが12月26日午前に小反落したところから高値を更新しているため、現状は12月26日午前安値を起点とした上昇期と思われる。高値形成期は23日深夜高値を基準として30日深夜にかけて想定されるが、ジリ高の推移がいつ終了しても不思議ないところのため、133円割れからは下落期入りを警戒し、26日午前安値132.30円割れからは下落期入りとみて年始にかけての間への下落を想定する。
60分足の一目均衡表では12月21日未明安値からの戻りを継続してきたことで遅行スパンが好転し、先行スパンを上抜いた状況を維持しているために遅行スパン好転中の高値試し優先とするが、ジリ高推移も5日を経過しているので26本基準線割れを弱気転換注意とし、遅行スパン悪化からは下落期入りとみて安値試し優先とする。またその際に先行スパンから転落する場合は下げ足が速まる可能性があるとみる。
60分足の相対力指数は先週末から70ポイント前後を抵抗としつつ50ポイント割れを買い戻されているところだが、相場がジリ高で高値を切り上げているものの指数のピークはフラットとなる弱気逆行の気配が見られるので次に50ポイントを割り込むところからは下げ再開注意とし、45ポイント割れからは下げ再開とみて30ポイント前後を試す下落を想定する。
以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、133.00円を下値支持線、133.70円を上値抵抗線とする。
(2)133円以上での推移中は上昇余地ありとし、133.70円超えからは134円前後への上昇を想定する。134円以上は反落警戒とみるが133円以上を維持しての推移なら29日も高値試しを続けやすいとみる。
(3)133円割れからは12月26日午前安値132.30円試しとし、底割れからは12月21日未明安値130.56円へ向けた揺れ返しの下落期入りと考える。
【当面の主な予定】
12/28(水)
24:00 (米) 12月 リッチモンド連銀製造業指数 (11月 -9、予想 -10)
24:00 (米) 11月 住宅販売保留指数 前月比 (10月 -4.6%、予想 -0.5%)
24:00 (米) 11月 住宅販売保留指数 前年同月比 (10月 -36.7%)
27:00 (米) 財務省変動利付2年債、5年債入札
12/29(木)
東証大納会
18:00 欧州中銀(ECB)経済報告
22:30 (米) 週間 新規失業保険申請件数 (前週 21.6万件、予想 22.4万件)
22:30 (米) 週間 失業保険継続受給者数 (前週 167.2万人)
25:00 (米) エネルギー省週間石油在庫統計
27:00 (米) 財務省7年債入札
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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