下値リスク軽減かつドルはさらなる戻りも
〇本日のドル円、安値136.80を示現後にドル高進行、一時137.80まで上昇
〇12/2安値133.63後はV字型の回復、抵抗帯137.50-80に迫る、上抜けの有無を注視
〇来週は米FOMCの他、重要インフレ指標/消費者物価指数を予定、ドルは底堅く推移か
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは136.70-138.10、137.80レベルが最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は136.80前後が最初のサポート、割り込むと136円前後がターゲットに
<< 東京市場の動き >>
7日の東京市場はドルが続伸。夕方にかけて上げ幅を拡大、一時は138円台回復も意識した展開をたどっていた。
ドル/円は137.05円レベルで寄り付いたのち、しばらくは137円挟みのレンジ取引。そのなかで日中安値の136.80円レベルを示現している。しかし、夕方に掛けてはレンジを上抜けると137.80円前後まで上昇するなどドル高が進行。16時現在では、そのまま高値圏を維持し、欧米市場を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは「ロシア情勢」と「中国情勢」について。
前者は、前日ロシア国防省が「空軍基地がウクライナ軍からのドローン攻撃を受けた」と発表したことについて、NYタイムズは「ウクライナ政府高官が自国の関与を認めた」と報じている。ロシア領土への明確な攻撃と言えるかもしれない。そうしたなか、ブルームバーグはG7がロシア産石油の価格上限を導入したことを受け、「ロシアは国際的な石油販売価格の下限を設定することを検討している」と報じている。真偽を含めた続報には注意を払いたいところだ。
対して後者は、いわゆる「ゼロコロナ政策」の緩和が取り沙汰されている中国において、当局が新たに「大半の公共施設でのコロナ義務付け措置撤廃」、「一部のコロナ患者について自宅隔離を容認」−−と発表し話題となっていた。大規模デモが発生するなど、国民の不満が高まっていることに一定の配慮をしているようだが、これまでの政策の完全転換となるのか否かにも注目だ。なお、それとは別に共同通信によると、政府はタイ・バンコクで開かれた11月17日の日中首脳会談で一致した林外相の訪中へ調整を始めたという。
<< 欧米市場の見通し >>
今月2日には8月16日以来の安値となる133.63円を示現したドル/円相場だったが、その後はVの字型の回復。目先安値からは4円を超えるドルの反発で、本日東京では137.80円レベルまで一時値を上げてきた。テクニカルには、なかなか重要な抵抗帯である137.50-80円に片足を突っ込んだ状態であり、このまま上抜けていくのかが注視されている。しっかりと超えればさらなるドルの続伸も。140円が意識されかねない。
来週13-14日の米FOMCが市場の注目材料であることは間違いないなか、見方については強弱が交錯している。ただ、強気派がジリジリと巻き返しており、実際に米10年債利回りなども下げ渋りの機運だ。来週は前記したFOMCのほか重要インフレ指標の消費者物価指数も発表される予定で、「現段階から積極的にドルを売っていくにはリスクが高すぎる」との見方も。本日以降も引き続き発表される米経済指標に一喜一憂しつつも、ドルは底堅く推移する可能性がある。
テクニカルに見た場合、ドル/円の下値トライは取り敢えず出直しと考えていたが、ドル安方向にバイアスを掛けていた相場観を一旦ニュートラルにした方が良いか。と言うのは、強い抵抗と目される137円半ばから138円に片足を突っ込み、逆にレンジ上抜けの様相を呈しているためで、しっかり超えるとドル高方向の展望が広がることになりかねない。来週の米FOMCを念頭に置きつつ、しばらくは情勢を見極めたいところだ。
本日は米経済指標として、7-9月期の非農業部門労働生産性改定値や10月の消費者信用残高などが発表される見通しだ。あまり注目度の高い指標ではないが、ここ最近は発表される米経済指標が市場の波乱要因となることが多々あるため一応要注意。そのほか、カナダ中銀による政策金利発表なども実施される見込みとなっている。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは136.70-138.10円。ドル高・円安方向は東京高値の137.80円レベルが最初の抵抗。137円半ばから138円はなかなか強い抵抗でしっかり超えられるのかにまずは注目だ。
対するドル安・円高方向は、同じく本日東京安値の136.80円前後が最初のサポートか。下値は意外にしっかりしていそうだが、それでも割り込むと136円前後がターゲットに。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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