ドル円、米中間選挙と米CPIを控えて軟調推移が継続。146円割れを試す展開
〇ドル円、欧州朝方にかけ147.57まで上昇するも米長期金利低下等で146.10まで急落
〇ユーロドル、仏中銀総裁のタカ派発言、米金利低下、欧州株の堅調に1.0034まで急伸
〇ドル円、主要テクニカルポイント下抜け、買いサインも消失、地合い悪化
〇FOMCの内容強弱交じったことで市場に動揺も
〇明日にかけて結果の判明する米中間選挙、11/10夜の米10月CPIに注目
〇本日の予想レンジ:145.75ー147.25
海外時間のレビュー
週明け7日(月)のドル円相場は上昇後に急反落。先週末金曜日(米10月雇用統計後)のドル円急落の反動(自律反発)や、本邦輸入企業による実需のドル買い圧力、中国保健当局による「ダイナミックゼロコロナ」政策の堅持再表明(コロナ規制緩和期待の後退→リスク回避のドル買い再開)、米金利上昇に伴うドル買い圧力が支援材料となり、欧州時間朝方にかけて、高値147.57まで上昇しました。しかし、一目均衡表基準線をバックに戻り売り圧力が強まると、対欧州通貨でのドル売り再開や、重要イベント(米中間選挙や米10月消費者物価指数)を控えたポジション調整、米金利低下に伴うドル売り圧力、先週末金曜日に記録した安値146.55を下抜けたことに伴う短期筋の失望売りが重石となり、米国時間(日本時間23時過ぎ)にかけて、安値146.10まで急落しました。引けにかけて持ち直すも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間11/8午前4時45分現在)では、146.50前後で推移しております。尚、米国時間は11/6より冬時間に移行しました。
週明け7日(月)のユーロドル相場は大幅上昇。アジア時間早朝にかけて、安値0.9899まで下げ幅を広げるも、一巡後に下げ渋ると、米金利低下に伴うドル売り圧力や、重要イベント(米中間選挙や米10月消費者物価指数)を控えたポジション調整、英ポンドの急上昇(ユーロ連れ高)、フランス中銀ビルロワドガロー総裁による「インフレが明らかにピークに達していない限り、利上げを停止すべきではない」「インフレ率は23年前期にピークに達する可能性があり、目標値に戻るには2〜3年かかる」とのタカ派的な発言、ユーロ圏11月投資家信頼感指数(結果▲30.9、予想▲35.0)の市場予想を上回る結果、欧州株の堅調推移、心理的節目1.0000(パリティ)突破に伴う仕掛け的なユーロ買い・ドル売りが支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値1.0034まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間11/8午前4時45分現在)では、1.0030前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円は11/3に記録した高値148.46をトップに反落に転じると、昨日は一時146.10まで急落しました(148円台での戻り売り圧力の異常な強さを再確認)。ローソク足が主要テクニカルポイント(一目均衡表基準線や転換線、ボリンジャーミッドバンドや21日移動平均線)を軒並み下抜けした他、強い買いシグナルを示唆する三役好転も消失するなど、テクニカル的に見て、地合いの悪化を印象付けるチャート形状となりつつあります。先週発表された米FOMCでは、声明文にハト派的な文言(利上げペース鈍化示唆)が付け加えられた一方、パウエルFRB議長からはタカ派的なメッセージ(ターミナルレート引き上げ示唆)が発せられるなど、強弱まちまちの一貫性の無いスタンスに、市場ではやや動揺が生まれる形となりました(FRBの意図が分かりづらく、米債相場、米株相場、米ドル相場全てにおいてボラティリティを生む結果に)。
今週はその答えを見極める上で、11/10に発表される米10月消費者物価指数に注目が集まります。市場予想を上回る結果となれば、米金利急上昇→米ドル急騰の流れが改めて意識されますし、市場予想を下回る結果となれば、米金利急低下→米ドル急落の流れが意識されるため、同イベントを通過するまでは、上下共ポジションを傾けづらい時間帯が続きそうです(市場予想はやや後者に寄っているため、米CPI発表に向けて、じりじりとドル円が下落する恐れあり)。尚、本日は米国の中間選挙にも注目が集まりますが、投票終了時刻(=開票開始時刻)が最も早いインディアナ州やケンタッキー州でも日本時間の明日11/9午前8時以降となるため、全体の開票結果が判明するのは早くても日本時間11/9午後1時以降となりそうです(※本日のドル円相場への影響はなし)。
本日の予想レンジ:145.75ー147.25
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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