ドル上値は重い、150円接近なら再介入もあるか
〇本日のドル円、明確な方向性乏しく、148円後半を中心とした強保ち合いに終始、落ち着いた値動き
〇10/21と10/24早朝にも観測された円買い介入、150円が新たなドル高シーリングといった見方が有力
〇150円に接近あるいは抜けると当局が再び円買い介入か、ドルの上値は重い状況が続く可能性も
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは148.40-149.60、149円半ばをめぐる攻防にまずは注目
〇ドル安・円高方向は、148.40レベルが最初のサポート
<< 東京市場の動き >>
25日の東京市場はレンジ取引。148円台後半を中心としたレンジ取引で、久しぶりに落ち着いた値動き。明確な方向性は乏しかった。
ドル/円は148.95円レベルで寄り付いたものの、当局の介入警戒などもあり全般小動き。比較的早い時間帯に一時149円を超える局面も観測されたが続かなかった。ただ、下値はすでに堅くドル安値は148.70円レベルまでで、結果として148円後半を中心とした強保ち合いに終始。16時現在では148.90円前後で推移し、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは「日本の為替政策」と「ロシア情勢」について。
前者は、21日に実施され、152円近くから144円半ばまで7円を超えるドル下落を一時たどるきっかけとなった当局の円買いについて、ブルームバーグではトレーダーらの推計をもと「300億ドル規模」と報じていたが、日経新聞などは別の統計をもとに「5.5兆円規模」とさらに大規模だったと伝えていた。また、昨24日の早朝に続き欧米時間にも若干怪しい値動きが観測され、1円程度の乱高下をたどっていたが、前者はともかく後者は介入ではないとの見方が取り敢えずは有力か。しかし、以降本日東京時間においても、鈴木財務相などからの口先介入は相変わらず活発だった。
対して後者は、ロシア国防省が、ウクライナが放射性物質をまき散らすことを目的とした「汚い爆弾(ダーティボム)」を爆発させる恐れがあると主張したことが、西側諸国から批判を呼ぶ。たとえば、NATO事務総長は、ロシアに「汚い爆弾を口実に使うな」とかなり強い調子での警告を発していたようだ。しかし、そうしたなか当のロシアは25日に予定されている国連安全保障理事会の非公開会合で、ウクライナの「汚い爆弾」計画を提起すると息巻いており、動静が注視されていた。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円は先週21日の当局円買い介入、そして昨24日早朝にも観測されたさらなる円買い介入とあわせ「150円が新たなドル高シーリング」といった見方が有力視されている。一方で、「レベルよりもスピード」といった声も聞かれるが、それでも150円に接近あるいは抜けていけば当局が再び円買い介入で対応するといった見方が優勢だ。そうした意味では、ドルの上値はこのあとも重い状況が続く可能性がある。
日米金利差への関心は依然として高く、このあとの欧米時間に掛けては発表される米経済指標の内容にも一応要注意。また、政府・財務省による円買い介入に対する関心も高いが、やや気掛かりなのは昨日イエレン米財務長官が「日本のいかなる介入も知らない」と述べていたこと。9月22日に日本が円買い介入した際には「日本の行動は理解する」と消極的ながら容認している感も見られたものの、ここ数日の介入についてはひょっとすると不満を抱き始めているのかもしれない。
テクニカルに見た場合、ドル/円は先週末そして昨日と連日の当局介入で相場も荒れ模様。それもあってか本日はここまで小動き、小康状態を保っている感を否めない。連日の乱高下で痛手を被った先もあり、いま少し癒しの時間は必要だと考えるが、リスクそのものは上向きか。昨日高値149.70円をうかがう、ある種の怖いもの見たさともいえる当局の介入スタンスを試す展開を見込む声も聞かれていた。
本日は米経済指標として、10月の消費者信頼感指数や同リッチモンド連銀製造業指数が発表される予定となっているほか、主要な金融機関は終了したがそれでも数多くの米企業決算が引き続き発表される見通しだ。それらには一応注意を払いたい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは148.40-149.60円。ドル高・円安方向は149円半ばをめぐる攻防にまずは注目。超えても149.70円が抵抗で、短期的に150円到達は難しいかもしれない。
対するドル安・円高方向は、148.40円レベルが最初のサポート。割り込めば148円割れを否定できないが、果たして定着はどうか。いずれにしても底堅い雰囲気。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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