ドル円、約24年2ヵ月ぶり高値を更新。本日は米CPIがメインイベント(10/13朝)

ドル円、約24年2ヵ月ぶり高値を更新。本日は米CPIがメインイベント(10/13朝)

ドル円、約24年2ヵ月ぶり高値を更新。本日は米CPIがメインイベント(10/13朝)

ドル円、約24年2ヵ月ぶり高値を更新。本日は米CPIがメインイベント

〇ドル円、米国時間に146.97まで急伸、
〇米9月PPIの予想を上回る結果、日銀黒田総裁の大規模金融緩和堅持コメント等が背景
〇FOMC議事要旨の「ある時点で利上げペースを緩めることが適切となると認識」との記述反応限定的
〇ユーロドル0.97挟みでの方向感に欠ける展開継続
〇ドル円、テクニカルの地合い極めて強く、ファンダメンタルズもドル買い円売り材料揃う
〇一方で介入警戒感強く、ここからのさらなる上昇見込みづらいか
〇引き続き、ドル円相場の短期的な下落をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:145.50ー147.50

海外時間のレビュー

12日(水)のドル円相場は堅調な値動き。@日米名目金利差拡大に着目したドル買い・円売りや、A世界的なリスク回避ムード(資産現金化需要のドル買い圧力)、B政府・日銀が実弾介入に踏み切った9/22高値145.90を上抜けたことに伴う仕掛け的なドル買い・円売り、C146.00に観測されていたリバースノックアウトオプションのトリガーヒットに伴うオプション勢のストップBUY、D黒田日銀総裁による「2%の物価目標を持続的、安定的に達成するまで金融緩和を継続する必要がある」とのハト派的な発言、E米9月生産者物価指数(結果8.5%、予想8.4%)の市場予想を上回る結果、Fミネアポリス連銀カシュカリ総裁による「ドル高で米国のインフレ率が低下するだろう」とのドル高容認発言が支援材料となり、米国時間午後にかけて、約24年2ヵ月ぶり高値となる146.97まで急伸しました。

しかし、買い一巡後に伸び悩むと、G政府・日銀による介入警戒感(アジア時間帯には鈴木財務相より「必要あれば必要な措置取るという考えはいささかも変わらない」との円安牽制発言があった他、松野官房長官からも「高い緊張感をもって為替市場を注視している」「過度な為替変動には適切な対応をとりたい」との円安牽制発言あり)、H重要イベント(G20財務相・中央銀行総裁会議や米9月消費者物価指数)を控えたポジション調整が重石となり、本稿執筆時点(日本時間10/13午前5時00分現在)では、146.85前後で推移しております。尚、今朝方発表された米FOMC議事要旨では、「ある時点で利上げペースを緩めることが適切となると認識(it would become appropriate at some point to slow the pace of policy rate)」との記述がありましたが、ドル売りでの反応は一時的なものに留まりました。

12日(水)のユーロドル相場は方向感に欠ける展開。@英中銀が今週末金曜日に期限を迎える緊急国債買い入れ措置の延長を内々に示唆したとの報道や、A上記@を背景とした市場心理の改善(英ポンド急伸→ユーロ連れ高)、B短期筋のショートカバーが支援材料となり、欧州時間朝方にかけて、高値0.9734まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、Cロシア・ウクライナを巡る戦況悪化や、D米9月生産者物価指数の市場予想を上回る結果、E欧州株の冴えない動き、Fオランダ中銀クノット総裁による「9月よりも大きな利上げを行う必要はない」とのハト派的な発言が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値0.9668まで反落する場面も見られました。もっとも、売り一巡後に下げ渋ると、引けにかけて持ち直し、本稿執筆時点(日本時間10/13午前5時00分現在)では、0.9700前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は市場参加者に注目されていた神田ライン145.90(政府・日銀が9/22にドル売り・円買い実弾介入に踏み切った水準)を上抜けすると、約24年2ヵ月ぶり高値となる146.97(1998年8月以来の高値圏)まで急伸しました。上位足から下位足に至る全てのテナーで強い買いシグナルが点灯している他、145円台後半でガンマを供給していた146.00のリバースノックアウトオプションも消失したため、テクニカル的に見て、地合いは一段と強まりつつあると判断できます。また、ファンダメンタルズ的に見ても、@米FRBによる利上げ傾斜観測や、A日銀による金融緩和の継続方針、B上記@Aを背景とした日米金融政策格差、C本邦貿易赤字拡大に伴う構造的な円売り圧力など、ドル買い・円売りを連想させる材料が揃っています。

とは言え、政府・日銀による介入警戒感が燻る中、ここからの更なる上昇も見込みづらく、ドル円ロング勢はヘッドラインに一喜一憂する神経質な動きを強いられそうです。政府・日銀はなるべく効果的な実弾介入を望んでいるはずなので、本日最終日を迎えるG20財務相・中央銀行総裁会議や本日21:30に発表される米9月消費者物価指数を経てドル円が急騰するタイミング(1998年8月以来の高値147.68に迫る局面)があれば、追加介入実施の好機として警戒感が高まると考えられます。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の短期的な下落をメインシナリオとして予想いたします(G20でドル高是正発言が出る場合や米CPIが市場予想を下回る場合は素直にドル売りで反応。一方、G20でドル高是正発言が見送られる場合や米CPIが市場予想を上回る場合は、初期反応こそドル買いながら、一巡後は介入警戒の円買いに押されて反落する展開を想定。つまり、いずれのシナリオも結果としてイベント通過後のドル円下落に繋がる公算大)。

本日の予想レンジ:145.50ー147.50

注:ポイント要約は編集部

ドル円、約24年2ヵ月ぶり高値を更新。本日は米CPIがメインイベント

ドル円日足

オーダー/ポジション状況

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