ドル円、約24年ぶりの146円台乗せ
12日午前の東京市場でドル円は146円台に急伸。朝方、145.86レベルで取引の始まったドル円は、9時前に9/22の日銀介入前の水準である145.90を抜け、9時前後には146円台に乗せました。146円前後では一旦もみ合ったものの、警戒されていた介入が実施されなかったことから、徐々に上値を切り上げ、一時約24年ぶりとなる146.39の高値をつけた後、東京時間正午現在は146.21レベルで取引されています。
日経平均株価は、前日終値を挟んでの一進一退の動きとなりました。輸送・運輸系や輸出関連銘柄が買われた半面、半導体等情報技術関連銘柄が売られもみ合ったのち、結局37円の小幅安で午前の取引を終了しています。
昨晩海外市場でドル円は、145円台後半での方向感に欠ける動きが続きましたが、米国終盤に英中銀総裁が債券市場での市場介入を予定通り今週末までに停止すると述べたことから、ポンドが対ドルで急落。ドル買いはドル円にも波及して、一時145.90まで上昇し、そのまま高値圏でアジア時間を迎えています。
テクニカルにはドル円は6日に145円台にしっかり乗せてから5営業日連続で上値を切り上げており、ドル買い地合いが鮮明です。上方向のターゲットは98年8月高値の147.66、サポートは144.96の転換線と144.32レベルを上昇中の21日移動平均線、規模にもよりますが、介入があった場合は21日線のある144円台前半あたりがいったんの買戻しレベルとなりそうです。ちなみに前回9/22に介入時にサポートした基準線は本日143.38レベルです。
ただし、ドル円相場は9/22の介入を挟んで10/6まで約1か月間、145円をシーリングに上昇を止められた形となりました。最初にドル円が144.99に達した9/7時点の米10年債利回りは3.26%。昨晩10年債利回りは再び4%台に乗せており、この間、約0.75%上昇していることとなります。
金利差を中心としたファンダメンタルズの動きからの為替レートの変動は、一国の市場介入程度では阻止不能でそのことは財務省・日銀の関係者は百も承知のはずであること、政府・日銀関係者のコメントも、急激な円安に対しての懸念であり、絶対水準には言及していないことを考えれば、1か月ものあいだ円安進行を食い止めたことは前回介入の十分な成果と考えられ、ここからの緩やかな円安進行は当局もある程度容認するのではないかと思われます。
一方で本日から開催されるG20財務相・中央銀行総裁会議においては、欧州や新興国からドル高に対する懸念が出てくる可能性があり、その場合はどちらかといえば絶対水準の話となりそうです。今回のG20で最近のドル高に関し何らかの声明等が出てくる場合には、一時的にドル円を含めドル全面安となる可能性も否定できません。
いずれにせよ、このタイミングで日銀がドル円相場に単独介入するのは、無理があるように思われますが、それを見越しての投機的な動きや、当局の反応には引き続き十分注意が必要です。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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