ドル円、一時144円台後半まで上昇。タカ派な米FOMCを受けてドル高再開か(9/22朝)

21日(水)のドル円相場は米FOMC後に乱高下。

ドル円、一時144円台後半まで上昇。タカ派な米FOMCを受けてドル高再開か(9/22朝)

ドル円、一時144円台後半まで上昇。タカ派な米FOMCを受けてドル高再開か

〇ドル円、FOMC後一時144.71まで急伸するも伸び悩み、一転して143.04まで急落
〇FOMC0.75%の利上げ、ドットチャートも大幅情報修正、一時長期金利は急上昇
〇しかしパウエル議長の「いつか利上げペースを落とすのが適切になるだろう」との慎重な発言で急転
〇ユーロドル、米FOMC後に、2002年10月以来、約20年ぶり安値となる0.9815まで急落
〇ドル円、急落局面でも転換線で下げ止まり、下値の堅さを再確認する結果に
〇米FRBによるタカ派傾斜観測強まり、引き続き、ドル円相場の上昇をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:143.00ー145.50

海外時間のレビュー

21日(水)のドル円相場は米FOMC後に乱高下。@対ユーロでのドル買い圧力(ロシア・ウクライナを巡る地政学的リスク再燃→ユーロ売り)や、B日銀による臨時国債買い入れオペ通知を背景とした円売り圧力、B米FOMCでの3会合連続となる75bpの大幅連続利上げ(2.25ー2.50%から3.00ー3.25%へ利上げ)、Cドットチャートの大幅上方修正(2022年末の中央値を前回の3.4%から4.4%へ上方修正。2023年末の中央値も前回の3.8%から4.6%へ上方修正→次回11月FOMCでの75bp利上げと12月FOMCでの50bp利上げが示唆された他、来年の利下げも否定)、D上記Cを背景に米長期金利の急上昇(米2年債利回りが約15年ぶり高水準となる4.11%へ急上昇した他、米10年債利回りも2011年4月以来となる3.62%へ急上昇)、

E米ドル全面高の流れ(ドル指数は2002年6月以来、約20年3ヵ月ぶり高値圏へ急上昇)が支援材料となり、米FOMC後に一時144.71まで急伸しました。しかし、心理的節目145.00をバックに伸び悩むと、FパウエルFRB議長による「「いつか利上げペースを落とすのが適切になるだろう」との慎重な発言や、G米金利低下に伴うドル売り圧力(急ピッチな米金利上昇の反動)、Hドル円ロング勢の利食い売りと俄かロングのストップSELL(日銀金融政策決定会合を控えたポジション調整)が重石となり、日本時間午前3時30分過ぎに、一転して143.40まで急落する場面も見られました。もっとも、売り一巡後に下げ渋ると、引けにかけて急速に持ち直し、本稿執筆時点(日本時間9/22午前6時00分現在)では、144.05前後で推移しております。

21日(水)のユーロドル相場は大幅下落。アジア時間朝方にかけて、高値0.9978まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと(心理的節目1.0000をバックに戻り売り圧力が強まると)、@プーチン露大統領による「部分動員開始」発言や、A上記@を背景としたロシア・ウクライナを巡る地政学的リスクの急上昇(市場心理悪化→ユーロ急落)、B米FOMCのタカ派的な結果(3会合連続となる75bp利上げに加えてドットチャートで2022年末および2023年末の中央値が大幅上方修正)、C米金利上昇に伴うドル買い圧力が重石となり、米FOMC後に、2002年10月以来、約20年ぶり安値となる0.9815まで急落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間9/22午前6時00分現在)では、0.9839前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は今月のメインイベントである米FOMC通過後も「堅調さ」を維持しています。パウエルFRB議長記者会見後に一時急落した場面でも一目均衡表転換線に確りサポートされるなど、下値の堅さを再確認する結果となりました。一目均衡表三役好転や強気のパーフェクトオーダー、ダウ理論の上昇トレンドなど、強い買いシグナルも複数点灯しており、テクニカル的に見て、地合いは「極めて強い」と判断できます。また、ファンダメンタルズ的に見ても、@米FRBによるタカ派傾斜観測(ドットチャートで年内の更なる大幅利上げが示唆されると共に2023年の利下げ転換も否定→極めてタカ派的な結果)や、A日銀による金融緩和の継続方針(本日発表される日銀金融政策決定会合で金融政策の現状維持が決められる公算大)、

B上記@Aを背景とした日米金融政策の方向性の違い(日米名目金利差急拡大に伴うドル買い・円売り)、C米政府・米当局によるインフレ抑制に繋がるドル高容認スタンス、D本邦貿易赤字拡大に伴う構造的な円売り圧力など、ドル高・円安トレンドの継続を連想させる材料が揃っています。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の上昇をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日はアジア時間に発表される日銀金融政策決定会合に注目が集まります。金融緩和政策の現状維持が見込まれると共に、黒田総裁会見でも、為替相場についての踏み込んだ発言は出てこないと予想されるため、日銀金融政策決定会合通過後は、再び円売り圧力が強まるシナリオが想定されます(一部でYCCの修正や黒田総裁による円安牽制を見込む向きがいるため、これらが否定されると怒涛の円売りに繋がる恐れあり)。

また、海外時間帯にはスイス中銀や英中銀など、複数の中央銀行による大幅利上げが予定されているため、日本とその他各国との金融政策格差を背景としたクロス円上昇→ドル円連れ高の流れにも警戒が必要でしょう。状況次第では、米FOMC直後に記録した高値144.71や、9/14高値144.96、9/7高値144.99、心理的節目145.00を上方ブレイクするシナリオも想定されるため、本日は1日を通してドル円相場のアップサイドリスクに注意が必要です。

本日の予想レンジ:143.00ー145.50

注:ポイント要約は編集部

ドル円、一時144円台後半まで上昇。タカ派な米FOMCを受けてドル高再開か

ドル円日足

オーダー/ポジション状況

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