ドル高基調継続だが、スピード調整にも注意(9/7夕)

7日の東京市場はドルがさらに続伸。あれよあれよという間に144円台、昨日安値からと考えても早4円の上昇をたどっている計算になる。

ドル高基調継続だが、スピード調整にも注意(9/7夕)

ドル高基調継続だが、スピード調整にも注意

〇本日のドル円、前日高値を超え143円半ばへ急伸、上げ渋り後、日中高値144.40へ到達
〇上値メドなく2日間で4円のドル高進行、1998年高値147.64が中期ターゲット
〇リスクはドル高方向だが1-2円の下押し入る可能性あり、リスク管理に注意
〇本日は米7月貿易収支、米地区連銀経済報告、ブレイナードFRB副議長による講演を予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは143.00-144.90、144.40レベルが最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は目先の下値メドは143.75-80、割り込めば143円前後を目指す展開か

<< 東京市場の動き >>

7日の東京市場はドルがさらに続伸。あれよあれよという間に144円台、昨日安値からと考えても早4円の上昇をたどっている計算になる。

ドル/円は142.80円前後で寄り付いたのち、ドル高進行。前日高値を超え143円半ばへと急伸したが一旦小康、そののちは143円台前半を中心に上げ渋りとなった。しかし、再びドルは買い進められると144円台に乗せ、日中高値の144.40円近くへ。本邦要人による円安けん制発言なども取り沙汰されるなか、16時現在でもドルは底堅く144円台をキープしたまま欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「ロシア情勢」と「円安けん制発言」について。
前者は、IAEAはロシアが実効支配を行うウクライナのザポロジエ原発に関する報告書を発表し、そのなかで「核燃料や放射性廃棄物の貯蔵施設など複数の建物に大規模な損傷を確認」と指摘している。そのうえで、「原発に安全地帯」設置を要求したものの、ロシアは一貫して受け入れない考えを示しており、依然として前途多難な状況だ。一方、それとは別に米紙NYタイムズが指摘した「ロシアが北朝鮮からロケット弾や砲弾を買い入れている」報道が話題に。事実とすれば、明確な安保理決議違反となるが果たして。

対して後者は、為替市場は円全面安の様相で、ドル/円の動きもかなり激しい。前述したように仮に昨日安値からと考えても、すでに4円もの上昇をたどっている計算だ。そのため、本邦要人からかなり強いトーンの口先介入が聞かれていた。一例を挙げると、鈴木財務相から「急速な変動は好ましくない」、「為替はファンダメンタルズに沿って決まるべき」、「円安のマイナス面に注目」との発言、松野官房長官「最近の為替市場を憂慮」、「急速で一方的な動きが続くなら必要な対応をとりたい」−−などになる。なお、米国の理解は得られていないが、それでも日銀による単独介入を懸念する声もチラホラ聞かれ始めていたようだ。

<< 欧米市場の見通し >>

週明け月曜日は米国とカナダ、北米市場が休場となったこともあり、ドル続伸も小休止となったが、以降本日に至るまで為替市場は大荒れだ。ドル/円が最たるものだが、ユーロ/ドルも年初来安値を更新するなど、ユーロ安・ドル高が止まらない。ともかくドル/円に関しては軽い青天井、明確な上値メドがないなかかなりのスピードでドル高が進行している状況。昨日レポートしたように、1998年高値の147.64円は中期ターゲットではあるものの、今年の相場環境からすると思いのほか早いタイミングで到達する可能性もある。
各国の金利情勢に対する関心が高いなか、米国の実勢金利の先高観は依然として強い。英紙FTが報じたリッチモンド連銀総裁の発言「インフレ緩和まで金利は高水準にとどまる必要がある」が影響したのか、時間外である本日東京でも強含みでドル高の支援要因となっていた。このあとも発表される米経済指標や要人発言などとともに金利の動きには注意を払いたい。また金利情勢ということでいえば、本日予定されているカナダ中銀による政策金利発表へ関心を寄せる向きも多い。

テクニカルに見た場合、ドル/円はわずか2日足らずのあいだになんと4円。一連の起点を8月2日130.40円と考えれば、わずか1ヵ月で14円ものドル高・円安が進行している計算だ。リスクはドル高方向に高いことは間違いないものの、さすがに行き過ぎの域にあり、当然ポジションも偏っている。たとえ調整であっても、一旦流れが変われば1-2円は平気で下押しが入ることが予想されるだけに、リスク管理だけはしっかりしておきたい。

本日は米経済指標として、7月の貿易収支や米地区連銀経済報告が発表される予定となっているほか、ブレイナードFRB副議長などによる講演も実施される見通しだ。また、「利上げ幅は0.75%」と一部で囁かれているカナダ中銀の政策金利発表にも一応要注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは143.00-144.90円。ドル高・円安方向は東京高値の144.40円レベルが最初の抵抗。抜ければ、ピボットにおけるテクニカルポイントの144.85-90円が次のターゲットか。
対するドル安・円高方向は、ごく目先の下値メドは143.75-80円で、割り込めば143円前後を目指す展開か。底堅いイメージもあるが、一旦下げ始めたら下げ足も早そうだ。

ドル高基調継続だが、スピード調整にも注意

ドル円日足

注:ポイント要約は編集部

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