ドル円、振れを伴いながらも方向感の定まらない展開。既にパウエル議長講演待ち
〇ドル円、欧州時間に136.18まで反落後、米長期金利上昇等に米国時間に137.24まで上昇
〇ユーロドル、0.9910-0.9999で比較的荒い値動き、方向感は定まらず
〇ドル円テクニカルの地合い強いが、重要イベント控え様子見気分強い状況続くか
〇本日5・10日、公表相場決定にかけての一時的なドル不足には要注意
〇本日の予想レンジ:136.25ー137.75
海外時間のレビュー
24日(水)のドル円相場は上下しつつも方向感の定まらない展開。@ミネアポリス連銀カシュカリ総裁による「最も懸念すべきはFRBや市場が基調的なインフレ圧力の強さを過小評価していること」「インフレを克服するためには自身が想定しているよりもさらに積極的な利上げが必要」とのタカ派的な発言や、A上記@を背景とした米長期金利の上昇圧力、B本邦公表相場決定にかけてのドル買い・円売りが支援材料となり、アジア時間朝方(日本時間10時過ぎ)にかけて、一時137.04まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、C株式市場の冴えない動き(日本株・中国株・欧州株の軟調推移→リスク回避の円買い圧力)や、D米金利低下に伴うドル売り圧力が重石となり、欧州時間朝方(日本時間18時過ぎ)にかけて、安値136.18まで反落しました。
もっとも、一目均衡表雲上限をバックに下げ渋ると、Eジャクソンホール会合でのパウエルFRB議長講演を控えたポジション調整や、F米7月耐久財受注の航空機を除く非国防資本財=コア資本財(結果0.4%、予想0.3%、前回0.9%)の市場予想を上回る結果、G米金利上昇に伴うドル買い圧力(米10年債利回りは6/29以来、約2ヵ月ぶり高水準となる3.12%へ急上昇)が支援材料となり、米国時間(日本時間23時過ぎ)にかけて、日通し高値137.24まで反発しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間8/25午前5時45分現在)では、137.13前後で推移しております。
24日(水)のユーロドル相場は上下しつつも方向感の定まらない展開。@欧州を巡るエネルギー危機発生への警戒感(オランダTTF天然ガス価格が300ユーロを突破し、3月以来、約5カ月半ぶり高値圏へ急上昇)や、A上記@を背景とした欧州経済の下振れ懸念(エネルギー価格高騰に伴うインフレ圧力→景気後退とインフレ高進が同時進行するスタグフレーション懸念→ECBによる金融引き締め政策が一段と欧州経済を冷え込ませる恐れ)、B米金利上昇に伴うドル買い圧力が重石となり、米国時間(日本時間23時過ぎ)にかけて、安値0.9910まで下落しました。
しかし、売り一巡後に下げ渋ると(前日安値0.9901をバックに下げ渋ると)、C心理的節目0.9900近辺に意識されているオプショントリガーをバックにしたユーロ買い圧力(リバースノックアウトPUTの売り持ちから発生するガンマロングに起因したデルタ買い戻し)や、Dロンドンフィキシングにかけてのユーロ買い圧力、E短期筋のショートカバーが支援材料となり、日本時間24時過ぎには、一転して高値0.9999まで急伸する荒々しい値動きとなりました。もっとも、心理的節目1.0000をバックに伸び悩むと、引けにかけて反落し、本稿執筆時点(日本時間8/25午前5時45分現在)では、0.9964前後で推移しております。
本日の見通し
市場の注目を集めているパウエルFRB議長講演(ジャクソンホール会合2日目)を8/26に控える中、ドル円は上下しつつも(ボラタイルさを残しつつも)、方向感の定まらない動きとなりました(アジア時高値137.04→欧州時間安値136.18→米国時間高値137.24)。但し、2日連続で一目均衡表雲上限がサポートとして機能したことや、強い買いシグナルを示唆する一目均衡表三役好転の成立を射程圏内に捉えていること(早ければ来週初8/29に点灯見込み)等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは強い(リスクは依然アップサイド)と判断できます。また、9月FOMCでの75bp利上げが再度織り込まれつつあることも、ファンダメンタルズ面でドルの底堅さをサポートすると考えられます(CMEが提供するFedWatchで9月75bp利上げ確率は62.5%へ上昇)。
とはいえ、本日に限って言えば、上述の通り、重要イベント(ジャクソンホール会合でのパウエルFRB議長講演)を控えて様子見ムードが強まり易いことから、ドル円は前日同様、振れを伴いながらも方向感を見出しづらい相場展開となりそうです(ジャクソンホール後のドル円続伸をメインシナリオに据えつつも、本日は、重要イベントを控えた様子見ムードの影響からレンジ内での上下動に留まると予想。本日は中村日銀審議委員の記者会見や、米4ー6月期GDP改定値、米新規失業保険申請件数、米8月カンザスシティ連銀製造業活動指数、米7年債入札などが予定されていますが、ドル円相場への影響は限定的となる見通し)。但し、本日は5・10日となるため、公表相場決定にかけての一時的なドル不足(ドル買い・円売りフロー)には注意が必要でしょう。
本日の予想レンジ:136.25ー137.75
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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