米金利情勢にらみつつ、ドルは続伸も(8/19夕)

19日の東京市場はドルが小幅に続伸。7月28日以来となるドル高値、136円台を示現している。

米金利情勢にらみつつ、ドルは続伸も(8/19夕)

米金利情勢にらみつつ、ドルは続伸も

〇本日のドル円、ドルが小幅に続伸、136円を超え136.40レベルへ上昇、16時現在も日中最高値圏で推移
〇136円台へ乗せたことで、テクニカルにはさらなる上値の展望が広がった感
〇米通貨当局者の強気発言から、金融市場では次回9月FOMCでの0.75%利上げ見通しが再び優勢に
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは136.00-137.20、ドル高・円安方向は136円半ばが最初の上値メド
〇ドル安・円高方向は、136円レベル、あるいは135円半ばなどがサポートとして意識される

<< 東京市場の動き >>

19日の東京市場はドルが小幅に続伸。7月28日以来となるドル高値、136円台を示現している。

ドル/円は135.85-90円で寄り付いたのち、しばらくは冴えない。135円後半での一進一退をたどるなか、抵抗だった136円を超えるとストップロスを巻き込み、一気に136.40円レベルまで吹き上がった。上値確認後はやや上げ渋りとなるも、すでに底堅い。一度も136円を割り込むことはないまま、最終盤にかけてドルは再上昇。16時現在でも、そのままドルは日中最高値圏で推移し、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「米金融政策」と「ウクライナ原発問題」について。
前者は、8月のフィラデルフィア連銀景況指数や週間ベースの新規失業保険申請件数といった米経済指標が好数字を記録するなか、サンフランシスコ連銀総裁が「次回9月の利上げは0.5%か0.75%の利上げが妥当」と発言。その後も、セントルイス連銀総裁から「9月会合での0.75%の利上げを支持」、ミネアポリス連銀総裁「高いインフレを緊急に低下させる必要がある」といった強気の発言が相次いでいた。それらを受け、金融市場では一時萎んでいた「次回9月FOMCでの0.75%利上げ」見通しが再び優勢になりつつあるようだ。

対して後者は、ゼレンスキー大統領が、ウクライナを訪問したトルコのエルドアン大統領と国連のグテレス事務総長と3者会談を開催。ロシア制圧下にあるザポロジエ原子力発電所に対するIAEAの視察の条件で合意したほか、グテレス氏からは「ウクライナ原発非武装化」などが呼びかけられていた。しかし、そうした一連の動きに対しロシア外務省は早々に拒否反応。「受け入れれば、ザポロジエ原発は一段と脆弱になる」などと指摘するなど、依然として前途多難な様相だ。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は、昨日NYで過去2週間程度推移しているボックス圏の上限(135.58円)を上回ったことに続き、本日東京時間にはさらに続伸。136円台へと乗せてきた。テクニカルにはさらなる上値の展望が広がった。なお、高値139.39円を起点とした下げ幅のフィボナッチでは61.8%戻し(135.95円)を超えており、次のターゲットは76.4%戻しの137.25-30円となる。
日米を中心とした各国金利情勢への関心が依然として高いなか、前記したように一時期後退していた「次回9月FOMCでの0.75%利上げ」見通しが復活しているようだ。それがドル/円などでのドル高を支援している感もある。このあとも引き続き発表される米経済指標や米通貨当局者の発言、そして米株の動きなどには要注意。ただ、それとは別に台湾をめぐる中国情勢をはじめとする「アジアの地政学リスク」は波乱要因として警戒を要する。

テクニカルに見た場合、ドル/円は続伸すると7月28日以来となる136円台へ。移動平均では上抜けた21日線(134円半ば)をサポートに、ジャンプアップしてきた格好だ。そして、さらなるドル高進行にも一応要注意。ここから先は、一目均衡表や移動平均などで目立った上値メドが見られず、137.20-25円のフィボナッチポイントも超えていくようだと、薄っすらとだが年初来高値が視界内に再び捉えられるだろう。

一方、本日は目立った米経済指標の発表が予定されていないなか、米リッチモンド連銀総裁による討論会に参加などが実施される予定だ。要人発言には本日にも一応要注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは136.00-137.20円。ドル高・円安方向は東京高値の136円半ばが最初の上値メド。上抜ければ137円台乗せ、137.20-25円の攻防に注目か。
対するドル安・円高方向は、本日東京で136円台を回復したあと一度も割り込んでいない136円レベル、あるいはこれまでの抵抗だった135円半ばなどが今度はサポートとして意識されそうだ。

米金利情勢にらみつつ、ドルは続伸も

ドル円日足


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