ドル円、下落後に持ち直すなど133円台での底堅さを維持。ユーロは大幅下落
〇ドル円、本邦2QGDP、中国指標、NY連銀製造業指数の不冴えに132.56まで急落
〇その後は米主要株価指数の持ち直し、米長期金利の反転に133.30前後に持ち直す
〇ユーロドル、原油先物急落、独PPIの低下、独長期金利低下等に1.0155まで急落
〇ドル円、下値堅く、ファンダメンタルズもドル円上昇材料揃う
〇円売りポジションの解消も進み、新たなドル買い円売り構築しやすい状況に
〇引き続きドル円相場上昇をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:132.50ー134.00
海外時間のレビュー
週明け15日(月)のドル円相場は下落後に持ち直す展開。アジア時間朝方にかけて、高値133.60まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、@本邦4ー6月期実質GDP速報値(結果+2.2%、予想+2.6%、前回+0.1%、※前期比年率)が市場予想を下回ったことや、A中国の主要経済指標(中国7月小売売上高、中国7月固定資産投資、中国7月鉱工業生産)の冴えない結果、B米8月ニューヨーク連銀製造業景気指数(結果▲31.3、予想5.0、前回11.1)の急低下、C上記@ABを背景としたリスク回避の円買い圧力が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値132.56まで急落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、D米主要株価指数の持ち直し(リスク回避ムード後退)や、E米金利上昇に伴うドル買い圧力(米10年債利回りは米国時間朝方に記録した2.76%から2.79%へ反転上昇)、F対主要通貨でのドル買い圧力(対欧州通貨や対資源国通貨でのドル買い再開→ドル円連れ高)が支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間8/16午前4時20分現在)では、133.30前後まで持ち直す動きとなっております。
週明け15日(月)のユーロドル相場は大幅下落。アジア時間朝方にかけて、高値1.0269まで上値を伸ばすも、買い一巡後に伸び悩むと、@WTI原油先物価格の急落(本年2/3以来、約6ヵ月半ぶり安値圏)や、Aドイツ7月卸売物価指数(結果▲0.4%、前回+0.1%、※前月比)の前月比低下(2020年10月以来初めての低下)、B上記@Aを背景としたドイツ10年債利回りの低下(インフレ懸念後退)、C欧州経済の先行き不透明感(ロシアからのエネルギー供給逼迫懸念に加えて、欧州圏における猛暑や干ばつが追い打ち)が重石となり、米国時間午後にかけて、安値1.0155(8/5以来の安値圏)まで急落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間8/16午前4時20分現在)では、1.0158前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円は、先週発表された米CPI、米PPIが鈍化したことを受けて、8/11に一時131.73まで下げ幅を広げましたが、一目均衡表雲下限131.68や8/2安値130.40をバックに続落が阻まれると、週末から週初にかけて133円台を回復する底堅い動きとなりました。下値の堅さを再確認できたことで、今週はサイクル的にドル円相場のアップサイドリスクに注意が必要と考えられます。ファンダメンタルズ的に見ても、@次回9月FOMCでの75bp利上げ観測が根強く残っていること(上述の通り、先週発表された米CPI、米PPIは鈍化したものの、米当局者はインフレピークアウトや利上げサイクル終了を論じるのは時期尚早と発言→CMEが提供するFedWatchでも、9月FOMCでの75bp利上げ確率は依然として40.5%程度織り込まれている状況)や、A日銀による金融緩和の継続方針、B上記@Aを背景とした日米金融政策の方向性の違い(日米名目金利差拡大に伴うドル買い・円売り)、C株式市場の堅調推移(リスク選好の円売り圧力)、D米政府・米当局によるドル高容認姿勢(インフレ抑制に繋がり得るドル高を容認する構え)など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。
また、これまで過度に蓄積されていた円ショートポジションが、先週の調整を経て大幅に減少していることも、ドル円の新規ロング構築に繋がるものと推察されます(米商品先物取引委員会が8/12に発表したIMM通貨先物の非商業部門の取組高は円ショートが25032枚と、前週の42753枚から大幅に減少)。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の上昇をメインシナリオとして予想いたします(尚、本日は米7月住宅着工件数、米レッドブック週間小売売上高、米7月鉱工業生産、米7月設備稼働率などの米経済指標に注目。市場予想を上回る結果となれば、素直にドル買い・円売りで反応する公算大。また、欧州時間に発表されるドイツ8月ZEW景況感指数が市場予想を下回る場合も、対ユーロでのドル買いを通じて、ドル円が連れ高で反応する可能性あり)。
本日の予想レンジ:132.50ー134.00
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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